弁護士コラム

2023.12.13

これって証拠になりますか??

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弁護士の仕事と切っても切り離せないものが「証拠」です。 辞書的な意味の「証拠」とは、「ある命題の真偽や存否を判断する根拠となるもの」をいいますが、法律用語としての証拠とは、「証拠方法」「証拠資料」「証拠原因」という3つ場面で使われています。

証拠方法とは

「証拠方法」とは、事実を認識するための資料をもたらす有形物のことを差し、簡単にいうと、裁判官が事実を認定するための資料である人や物のことです。
⇒「証拠方法」という意味での証拠が、一般の人がイメージする証拠と同じであると思います。

証拠資料とは

「証拠資料」とは、上記証拠方法の具体的な内容のことを指します。 上記証拠方法が人の場合にはその人の具体的な証言内容が証拠資料となり、証拠方法が文章であればその記載内容が証拠資料となります。

証拠原因とは

「証拠原因」とは、証拠資料のうち裁判官が心証形成(判断材料のことをいいます。)に採用したものをいいます。

このように、裁判では、証拠方法から認定される証拠資料について、裁判官が証拠原因として採用した内容に基づいて、事実の有無が判断されます。
裁判において、証拠をもとに事実有無が判断される以上、弁護士としては交渉段階から常に証拠について検討を余儀なくされるため、証拠とは切っても切れない関係なのです。

よく、相談に来られる方の質問で一番多いと言っても過言ではない質問が「これは証拠になりますか」という質問です。
この質問を質問の内容通りに回答すると、多くの場合「証拠にはなりますが、証拠の強さは別問題です」という回答になります。

不貞証拠イメージ

例えば、夫が不貞していると疑っていて、夫と他の女性の親密なやり取りのLINE画像がある場合、こちら側(妻方)として立証(証明)したい事実は、夫とその女性との間の不貞行為(性行為)の事実です。

そして、裁判所が事実認定をする場合には、基本的に当該証拠の証拠資料内容及びそこから合理的に推認される事実のみを認定します。
簡単にいうと、例えば、上記のLINEでのやり取りの具体的な内容(証拠資料)が「大好きだよ」「また、会いたいね」というやり取りのみの場合、裁判所としては両者が好意を持っていたこと(「大好きだよ」)や前に会っていたことがあること及びまた会いたいと思っていること(「また会いたいね」)、総じて、両者が親密であるという事実のみを認定します。
一般の方の感覚からすると、上記のようなやり取りをしている時点で、不貞をしていると強く疑うと思うのですが、裁判所の判断としてはこのLINEのやり取りでは、両者が親密であることは認定できるがそれを越えて不貞行為(性行為)を行ったという事実までは認定できないと判断すると思われます。

他方、LINEのやり取りの内容が「また、ホテルに行こうね」という内容である場合には、ホテルに行った事実が認定され、ホテルに行ったということは合理的に考えて性行為を行ったと認定されることになるでしょう。
また、「また、○○(性行為)しようね」というやり取りの場合、以前に性行為をしないとこのような発言はなされないとして性行為の事実を認定されることになるでしょう。

このように、証拠の有無と証拠の強さ(証明力といいます。)は別問題になります。
なので、安易に証拠があるから勝てるという風に判断されるものではないため、証拠を入手したと思われた場合には請求や問い詰める前に、弁護士に一度相談することをお勧めします。
また、弁護士に相談する際には、関係があると思われる資料はご自身で取捨選択するのではなく、全てお持ちいただいた方がいいと思います。
ご本人では証拠にならないと思ったものでも、弁護士からすると調査によって証拠となると思われるものも少なくありません。
例えば、不貞相手の名前や住所が分からず、車のナンバーのみ分かっている場合であっても、弁護士に依頼して弁護士会を通じ、陸運局に当該ナンバーの車両の所有者の名前や住所を調べることで、慰謝料の請求が可能になる場合もあります。

これが、証拠になるのか、どれくらい強いのだろうか(ようは、裁判で勝てるのかどうか)とご不安になられた場合には、是非一度ご相談ください。

 

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2023.10.17

棺をのぞき込んで死亡!?

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当事務所は、相続事件を専門に取り扱っている事務所ですので、日々、相続に関するご相談が非常に多く寄せられます。

相続が発生するということは、ある方がお亡くなりになっています。
そして人がお亡くなりになると、葬儀が執り行われます。

先日、この葬儀に関連して、とても驚いたニュースがありました。
葬儀において、火葬、埋葬などを行う前にご遺体を保存するための棺で二酸化炭素中毒による死亡事故が起きており、消費者庁と国民健康センターが注意喚起しているとのことでした。

棺

このニュースのタイトルを見たときに、霊的なもので、亡くなられた方が、家族を道連れにしてしまったのかと思いましたが、ニュースの中身を見ると、棺の中には、ご遺体の状態を保つためにドライアイスが入っていることがあり、換気されていない部屋などで、棺を覗き込んだ際に、気化した高濃度の二酸化炭素を吸い込んだことが原因でなくなっているとのことでした。

通常、空気中にも二酸化酸素は存在するのですが、その割合は、わずか0.03%しかありません。 しかし、この二酸化炭素の濃度がわずか3%の環境になると、その環境に長時間いると呼吸困難やめまいなどの症状が出始め、濃度が30%になるとほぼ即時に意識を失ってしまうそうです。

冷凍食品やケーキの保管などで頻繁に使うドライアイスでこんな事故が起きてしまうことがあるとはとても驚きましたが、消費者庁などが注意喚起をしている以上、めったに起きない事故というものではないのではないかと思います。

こうした注意喚起がなされている以上、葬儀場等を運営する会社においては、葬儀の主催者や参列者に対し、貼り紙などで棺をのぞき込まないように注意喚起したり、換気を徹底するなどして、最悪の事態が起きるのを防ぐ義務があり、そのような措置を怠り、事故が発生した場合には、損害賠償責任を追うことになると思います。

お葬式は人がお亡くなりになって、決して楽しい行事ではないため、そのような場でさらなる悲しいことが起きないように、注意したいですね。

 

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2023.10.12

119番通報の適切な利用について

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2019年12月に新型コロナウイルスの感染がはじまってから、もうすぐで4年が経過しようとしています。
一時期の感染拡大時には119番通報しても救急車が来られない等、医療現場もひっ迫した状態でした。
そんなコロナも今年にはインフルエンザと同じ第5類に分類され、ワクチン接種などもあり、以前の爆発的に感染が広まっていた時と比べると感染状況も収まってはいるようです。

しかし、先日、ニュースで、東京では現在119番通報がつながりにくいという状況が続いていると報じられていました。
そして、東京消防庁が、令和5年9月に「X(旧Twitter)」において、
『不要不急の電話については最後までお話を効かずに切断する場合があります。 他の緊急通報を優先するための措置ですので、ご理解をお願いします。』
という呼びかけを行ったことも報じられていました。
不要不急の119番通報の場合には、救急車が臨場しませんという呼びかけなら一般的にあるかなと思うのですが、電話を途中で切断する場合がありますという呼びかけをしている時点で、そもそも通報が非常に多いことに加え、不要不急でない通報も多く、現場はひっ迫しているのだなと感じます(ニュースでは、暑くて歩けない、虫が出たので何とかしてほしいなど、救急車をなんだと思っているのかというような通報があるようです。)。

客観的に救急車を呼ぶ必要がないのに119番通報してしまったとしてもそれだけでは何も罰則はありません。
しかし、呼ぶ必要がないという状況を超えて、そもそも、何もないにもかかわらず、ケガをした、体調が悪いなどといって119番通報する行為(要は嘘の通報をする行為です)は犯罪になります。

具体的には虚偽の事実を伝えて、消防署等の業務を妨害しているので偽計業務妨害罪(刑法233条)が成立します。
また、消防法44条20号によって、火災の発生や傷病者(ケガや病気をした人)に関する虚偽の事実を通報した場合には、30万円以下の罰金等が課せられることが規定されています。

こうした犯罪行為はもってのほかですが、そうでない場合でも上記のように、タクシーや便利屋と勘違いしているような119番通報がなされることにより、本当に救急車を必要としている人のもとに駆けつけることができなくなってしまい、人命にかかわることにもなりかねないため、絶対にひかえていただきたいです。

もっとも、客観的には自分や家族の症状をみて、119番通報してもいいのかな通報を躊躇されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方や119番通報してもよいのかわからないという方のために、消防庁において「救急安心センター」(♯7119)という事業を行っています。
この「♯7119」に電話すると電話口で医師、看護師、相談員が話を聞き、病気やケガの症状を把握したうえで、救急車を呼んだ方がいいか、急いで病院を受診した方がいいか、受診できる医療機関はどこか等を案内してくれます。

症状から見て明らかに問題がある場合には119番、そこまではないけど、どうすればいいかわからないという場合には♯7119というようにうまく使い分けて対応するように心がけたいですね。

 

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2023.09.27

増えている無縁墓~お墓の管理について~

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お盆などにご先祖のお墓参りに行かれる方は多いと思います。
家の近くにお墓がある方はお墓参りやお墓のお世話も比較的簡単にできるかもしれませんが、離れたところにあるとなかなかお墓参りも一苦労ですね。
私は、父方のお墓は九州、母方のお墓は四国、妻の先祖のお墓は九州にあるため、今は、実家に帰省した際にお墓参りをすることはできていますが、先々お墓の管理などどうすればいいのかなと考えることがあります。

先日、ニュースで、高齢化や核家族化を原因として、管理がまったくされていないお墓、いわゆる無縁墓の実態を国が調査をしたところ、公営墓地において引き継ぐ人がいなくて放置されている無縁墓があると回答した自治体が半数以上にのぼることが明らかになったと報じていました。
私のケースではありませんが、お墓がはなれた所にある人やそもそもお墓の存在を知らない親族の方もいられると思いますので、今後このような無縁墓は増えていくのではないかと思います。

無縁墓が放置されてしまうと、墓石やブロック塀の老朽化等による倒壊リスク等が考えられます。
このような危険性のある無縁墓ですが、先ほどの国の調査では、多くの自治体において、対応に苦慮しているとのことでした。

理由としては、まず、無縁墓に関する法律の規定などがないため、どの状態に至ったら無縁墓と判断すべきであるのかという明確な基準がないということがあります。
また、無縁墓と判断した場合、遺骨などは合同のお墓(合葬墓)に入れたうえで、墓石を処分する必要があるのですが、墓石自体の所有権は、後述する通り実際にお墓を管理している人(祭祀承継者)にあるため、勝手に処分をしてしまうと、後々所有権を侵害したとして損害賠償請求されるリスクがあるためです。

こうした問題が生ずる一つの原因としては、無縁墓や、放置された墓石の所有権に関する法律の規定が整っていないことが考えられます。
おそらく今後、空き家問題等などで最近法改正された特定空き家などのような法規制がされていくと思いますが、無縁墓を作らないようにするためにも、いまの世代の人で将来墓地の管理が難しくなると予想される場合には、墓じまいなどの対策も考えなければいけないのかもしれません。

なお、余談になりますが、墓石や仏壇などの祭祀については、相続の遺産分割の対象とはならず、祭祀承継といって、誰がそういった祭祀を承継すべきなのかを話し合って決めたり、場合によっては裁判所が、従前の状況や慣習などを根拠に判断していくことになります。
相続のご相談をいただく際には多くの場合こういった祭祀の承継についても問題となりますので、相続や祭祀のことでお困りの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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2023.09.01

転売に関する法規制

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皆さんは、子どものころ、トレーディングカード等で遊んだことはありますか??
私も小学校の頃は、友達とカードゲームにのめりこみ、レアカードや強いカードを手に入れるために、お年玉やお小遣いなどためていたお金をはたいていました。
しかし、成長していくなかで、集めたカードもどこにあるのか分からない状態になりました。
今思えば何であんなにも熱中していたのかと思ってしまうのは、年を取った証でしょうか。

私が子どものころは、欲しいと思ったカードやおもちゃなどは、お店に売ってあり、どこのお店を探しても買えないといったような事態はなかったように思いますが、最近ではいわゆる転売ヤーが登場したことにより、転売ヤーによって大量に商品が買い占められ、本当に遊びたい子どもたちの手に渡らないという事態が続いているようです。

このように転売ヤーなどという表現から転売自体にいい印象をお持ちでない方は少なくないと思いますが、法律で転売についてはどのような規制がされているのでしょうか。

まず、転売という行為事態は何ら違法な行為ではありません。
転売には一般的に、在庫を有した状態(仕入れた状態)で買い手を探す場合と、買い手からの注文が入った時点で、在庫を仕入れる場合(いわゆる「無在庫転売」というそうです。)がありますが、どちらも違法ではありません。

ただ、無在庫転売の場合には、契約が成立し、代金が支払われた後、商品を仕入れることが出来なかった場合には、代金を返還する義務がありますし、はじめから仕入れる意図がないにもかかわらず、買い手から代金を受け取った場合には詐欺罪として刑事罰の対象ともなってしまいます。

トレーディングカード

このように転売自体は法律上違法な行為ではないですが、中古品を安く仕入れて高く転売することをビジネスとしている場合には、古物商許可を得る必要があり、古物商の許可を得ることなく、刑事罰の対象となってしまうので注意が必要です。(これに対し、新品を転売する場合や仕入れずに自分で使用していたものを売却する場合には古物商許可は不要とされています。)。

また、商品とは若干異なるのですが、コンサート等のチケットに関しては、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(通称:チケット不正転売禁止法といいます。)という法律が、平成30年12月に成立しています(令和元年6月から施行されています。)

この法律では、要件を満たすチケットについて、不正転売(興行主の事前の同意を得ず、反復継続の意思をもって、販売価格を超える価格で転売する行為)を行うこと及び、不正転売を目的としたチケットの譲り受け(購入、仕入れ行為)を禁じており、これに違反した場合には刑事罰の対象となります。

平令和2年には、人気アイドルグループのチケットを不正に転売した者に対し、懲役1年6か月(執行猶予3年)、罰金30万円等の有罪判決がだされています。

なお、この法律では、不正転売されたチケットを購入した人を罰するものではありませんが、不正転売されたチケットを購入した人については興行主側で入場禁止などのペナルティが課せられる可能性があるため、本当に参加したいのであれば、正規(公式)のリセールサイト等から購入するのがよいでしょう。

物品の転売やチケットの転売は、その物を本当に欲しい人やファンの人に物やチケットが行きわたらなくなってしまうので、転売を行う人も節度をもって行ってほしいと思います。

 

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2023.08.25

はみ出た木の枝は切ってもいい??

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先月の話ですが、息子も幼稚園で、七夕会があったらしく、短冊がついた笹の葉を持って帰ってきました。

短冊には幼稚園の先生が願い事を書いてくれたらしく、「やきゅうがじょうずになりますように」と書いてありました。
去年は、「おいしゃさんになれますように」と書いてあったのですが・・・・来年はなんて書いてあるか楽しみです。

子どもが持って帰ってくる笹の葉はとても小ぶりでかわいらしいのですが、これが、実際に生えている樹木となると、とてもかわいいでは済まないもんだとなってきます。

当事務所にも何度か相談に来られる方もいらっしゃるのですが、隣の家から木の枝等がはみ出てきているのを勝手に切ってもよいのかという問題があります。

住宅

この相談の回答ですが、以前までですと、「はみ出ていても他人の所有物なので勝手に切ってはいけません。①まず、撤去してくださいと交渉し、ダメであれば②訴訟を提起して、判決をもらってから③強制執行の申立てをすることで初めて切ることがになります。」というものであり、最終的な解決までに費用や労力がかかってしまうため、諦めるという方も少なくありませんでした。

このように、隣地から樹木等がはみ出ており、迷惑をしているという案件は全国でも多数あり、隣地だけでなく、公道にはみ出ている場合には道路の安全も害されることになってしまい、社会的な問題にもなっていました。

しかし、令和3年4月に民法改正法案において(令和5年4月1日から施行となりました。)、民法233条に新たな条項が追加されました。
それは、土地の所有者は、竹木の所有者に対し枝を切除するよう請求できるということを原則(233条1項)としつつ、一定の場合には、土地の所有者が、竹木の所有者の許可なく、はみ出した枝を切除することができるようになりました(233条3項)。 具体的には、次のいずれかの場合には、土地の所有者が枝を切除することができるようになりました。

①⽵⽊の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、⽵⽊の所有者が相当の期間内に切除しないとき
②⽵⽊の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
③急迫の事情があるとき

つい先日、道路(市道)にはみ出した枝について、市が樹木の所有者に対し、何度も連絡したが応じてもらえなかったため、市において、道路にはみ出した樹木を切除したというニュースがありましたが市が行った措置の根拠となる法令がこの改正された民法233条3項となります。

このように、民法の改正により、一定の場合には土地の所有者が裁判を起こすことなく、はみ出した枝を切ることができるようになりました(切るために要した費用については、本来であれば樹木の所有者が負担すべき費用であるため、樹木の所有者に請求できると考えられています。)。

もっとも、はみ出していればすぐに切っていいというものではなく、上記①~③のいずれかの場合に該当する必要があります。
後々にトラブルにならないようにするために、弁護士に書面の作成の依頼や、代理人としての対応の依頼など検討された方がいいと思いますので、隣地の樹木などでお困りの方はぜひご相談ください。

 

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2023.08.10

【青少年健全育成条例】夏休みに多発!子どもだけの外出について

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子どもたちは夏休みに入りましたね。
夏休みといえば夏祭りがありますね。
私は、福岡に住んで約7年になるのですが、昨年始めて家族で放生会(ほうじょうや)に行きました。
息子は初めての縁日だったのでとてもはしゃいでいました。
途中で買ったチョコバナナを落とし泣いており、他のお菓子で釣ろうとしてもずっと泣いていたので、もう一度チョコバナナを買ってあげると、少し恥ずかしかったのかはにかみながら今度は落とさず食べていました。

今年も行くことを予定していますが、今度は初めから落とさずに食べて欲しいなと思います。
お祭りとなると、夜に活気がで出すイメージがありますが、夜に子どもだけで出歩いていたり、親がついていても夜に子どもを連れまわしたりすることは法的に問題はないのでしょうか。
また、夜といっても何時までなら大丈夫なのでしょうか。

夏祭り

青少年の夜間の外出等について規定してものとして、各都道府県ごとに定められている青少年健全育成条例というものがあります。
この条例では、各都道府県ごとに定めは違いますが、例えば福岡県青少年健全育成条例では、
福岡県青少年健全育成条例
と規定がされています。
なお、この深夜の定義ですが、各都道府県ごとに異なっているので、気になる方はご自身のお住いになられている都道府県の条例を確認されてみてください。

つまり、保護者は深夜に外出させないよう努める義務(努力義務)にとどまっています。
また、青少年健全育成条例では、深夜に出歩いている子どもを規制対象にしていないため、子どもたちだけで出歩いたとしても条例違反にはなりません。

では、子どもだけで出歩いていいかというとそうではなく、警察官が危険だと判断した場合には、出歩いている子どもを補導することになります。
明確な定めはないですが、警察官の補導も、青少年健全育成条例を基準として、補導を行っているようであるため、夜に子どもたちだけで出歩くのは避けるべきでしょう。
なお、午後11時より前であっても警察官が危険と判断した場合には補導の対象になることがあるため注意が必要です。

また、保護者が同伴している場合であっても、あまりにも遅い時間に子どもと一緒にいる場合には、補導ではなく職務質問などがなされる可能性もあります。
そもそも、あまり遅い時間に出歩くこと自体、お子さんに育成にとってよいことではないため、できるだけ控えた方がいいですね。

 

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2023.05.16

飛行機内での逮捕

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最近ニュースで、海外で活動していた特殊詐欺グループの人が逮捕されたニュースをよく見ます。
ここでいきなり質問ですが、犯罪を犯した日本人が海外に逃げていた場合、日本の警察に逮捕される瞬間はどの時点になるでしょうか?

ニュースなどをよく聞いているとわかると思いますが、正解は、海外から日本に向けて飛んでいる飛行機が、日本の領空内に入った時点になります。

逮捕の要件などについては、刑事訴訟法に規定されているのですが、この刑事訴訟法は、日本国内でのみしか適用されないため、日本の警察は犯罪者を海外で逮捕することはできません。

飛行機内での逮捕

そこで、国際指名手配されている犯罪者や、日本と犯罪人引渡し条約を締結している国が、犯人を確保し、身柄を警察に引き渡し、飛行機で日本の領空内に入った時点で、裁判所から発令された逮捕状を用いて、犯人を逮捕することになります。

少し話は変わりますが、逆に、海外の領空を飛んでいる日本の飛行機内で犯罪が起こった場合には、領空は海外ですが、「航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関する条約」により、その飛行機が所属している国の法律が適用されることになるため、日本の法律(刑法)が適用されることになります。

上記の犯罪者を海外から日本へ運ぶのは、通常の乗客が乗る飛行機になります。
飛行機の機長が「日本の領空内に入りました」というアナウンスを行った場合には、逮捕をすぐに行うために知らせるアナウンスであるため、犯罪者が同じ飛行機に乗っているかもしれないという噂がありますが、私が学生時代に何回か海外に行った際に、必ずこのアナウンスがながれていたため、都市伝説である可能性が高いでしょう。

 

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2023.05.09

ギックリ腰にご注意を!!

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皆さんは、ギックリ腰になられたことはありますか?
私は、高校時代柔道をしていたことや、仕事がほとんどデスクワークのため、慢性的に腰が痛いです。
疲れなどがたまっているときに、変な姿勢になった際、グキッっとやられてしまうことがたまにあります。(運動しないと・・・)

厚生労働省の発表では、業務上の疾病(ケガや病気)で一番多いのが腰痛とされています。

 ギックリ腰にご注意を!!

業種では、建設業、製造業、運送業など重量物等を運ぶ仕事で多く見られています。
このようにギックリ腰などの腰痛については、重量物等を運ぶことが原因で発症することが多いのですが、法律上、持ち運びをすることができる、重量には制限があるのをご存じでしょうか。

労働基準法62条1項及び年少者労働基準規則7条により、満18未満の男女について、重量物を持ち運ぶ際の規制がされています。
内容についての詳細は省略しますが、18歳未満では、男性は20kg未満、女性は15kg未満とされています(断続作業と、継続作業とで制限の重量が異なります。)

また、労働基準法64条の3第1項、第2項及び女性労働基準規則第2条により、18歳以上の女性については、断続的作業の場合には30kg、継続作業の場合には20kgと重量が制限されています。

ギックリ腰にご注意を!!

さらに、18歳以上の男性も、通達により、体重の約40%以下の重量物が限度とされています。
このように、人力で運ぶ重量には法律上の制限があり、使用者(企業)がこの決まりに反して重いものを持たせていた場合には、刑罰の対象などになる可能性だけでなく、安全配慮義務違反として損害賠償の対象にもなるため、注意が必要です(あくまでも人力で運ぶ場合の規制であり、フォークリフト等の機械を使用する場合には上記の規制の対象にはなりません。)。

今、この記事を作成している間も、少し腰が痛いですが、健康的な生活を送り、しっかり働くためにも自分の体も少し労わってあげないといけないなと思いました。

 

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2023.01.11

タクシーでのトラブルについて

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新年明けましておめでとうございます。
昨年は、息子が仮面ライダーにドはまりして、変身ベルトを購入したり、遊園地へショーを見に行ったりと仮面ライダー一色の1年だった気がします(今1歳の娘がもう少ししたらプリキュアとかにはまりだしたら仮面ライダーとプリキュアに忙殺されるのかと思うと少し怖いです。)。

話は全然変わってしまいますが、皆さんは忘年会や新年会に行かれましたか?
そういった席ではお酒を飲まれる方多いため、会が終わり帰宅される際にはタクシーを利用される方が多いのではないでしょうか。
今回は、タクシーでのトラブルについてお話ししようと思います。

タクシーでのトラブルについて 

まず、SNSなどでよく話題になるのが、乗客が1万円札しか持っていない場合に運転手から文句を言われたり、コンビニで崩してくるように言われたというような釣銭トラブルがあります。
民法402条1項では、
「債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。
ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。」
と規定されています。

つまり、タクシーの料金を支払う場合(金銭債権の支払い)については、債務者(乗客)が、支払う通貨を任意に選択し支払うことができます。

例えば、乗客が支払う通貨を1万円と選択した場合には、有効な支払いとなるので、タクシー側は支払いを受ける必要があります。
したがって、法律の観点からは、乗客は1万円札で支払っても何ら問題はなくお釣りをタクシー側が準備しておく必要があると思います。
また、タクシー側が1万円札での支払いを拒否した場合には、法律上有効な弁済の提供がなされているため、お釣りが出せないなら乗客が1万円を渡せないとすることに問題はありません。

次に、お客がクレジットカードやキャッシュレス支払いを希望している場合に、タクシー側が拒否をすることができるかという問題ですが、あくま債務者(乗客)は金銭の支払いを行う義務を有しているので、クレジットカード等の利用については、債権者(タクシー側)が承諾して初めて有効になります。
したがって、タクシー側がクレジットカードやキャッシュレスを使えないと拒否した場合には、乗客は現金で代金を支払う義務を有していることになります。

タクシーは気軽に使える移動手段としてとても便利ですが、密室でのやり取りになるため、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
トラブルを避けるため、法律上の結論はさておき、スムーズに支払いができるよう準備はしておいた方がいいかなと思います。

 

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