離婚問題(熟年離婚・慰謝料請求・財産分与・内縁関係・事実婚)

熟年離婚

こんなお悩みありませんか?

  • 熟年離婚を考えているが、離婚後の生活面が心配
  • 自分たちのみでスムーズに離婚が成立するか不安
  • 離婚した後の年金はどこまで貰えるのか?

熟年離婚とは

指輪 平成19年4月から「年金分割制度」が始まったことや、団塊の世代が定年退職を迎えたことなどにより、熟年と言われる50代以降、結婚生活20年を超える夫婦が離婚するケースが増えています。
平均寿命が飛躍的に延び、女性の平均寿命は85歳以上とされています。つまり、50代であったとしてもまだ30年以上もの人生が残っているのです。子育ても終わり、自分の人生を振り返った時に「これからは自分のために生きていきたい」と思う女性も多く、また、仕事ばかりで家庭を顧みず、共通の話題もない夫との結婚生活を、夫が定年を迎えたのを機に見切りをつけるという方も多いようです。


離婚後の生活設計が重要です

熟年離婚の場合は、離婚後の生活設計をきちんと立てることが重要です。専業主婦であった場合、就職して安定的に収入を得ることは簡単ではありませんので、離婚後の生活に窮してしまうケースも少なくありません。安心して離婚するためにも、専門家である弁護士と共に離婚後の生活設計を立て、しっかり準備されることをおすすめします。

熟年離婚の場合、慰謝料請求や年金分割だけでなく、財産分与なども問題となることが多く、慰謝料や財産分与について適切な主張や、財産調査を行うためにも、基本的に弁護士に依頼すべき事項です。

当事務所では、通常の離婚事件だけでなく熟年離婚についても数多くの解決実績がありますので、ぜひ当事務所にご依頼ください。

熟年離婚及び離婚時の年金分割

年金手帳当事務所は相続を中心とする家事事件を専門的に取り扱っており、その中で,離婚事件も多く取り扱っています。離婚をしたいと考えて当事務所にご相談に来られる方は、性別、年齢、結婚期間もバラバラではあるのですが、中には、結婚期間が20年以上と長い期間の方が離婚したいとご相談に来られるケースも少なくありません。

皆様も「熟年離婚」という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。「熟年」とは50歳前後の中年と老年の間を指す言葉なのですが「熟年離婚」となると、50歳前後の方の離婚という意味合いではなく、婚姻期間が長期間(一般的には約20年以上といわれています。)のご夫婦が離婚する場合を指すといわれています。

この熟年離婚の場合には、

  1. 過去の不貞等を原因とする慰謝料請求の可否
  2. 離婚時の年金分割について

など通常の離婚の場合と比べて検討すべき事情が存在するため、今回は上記のような熟年離婚の諸問題についてご説明させていただきます。

過去の不貞等を原因とする慰謝料請求の可否

通常の離婚事件の場合、離婚を決意するような出来事(不貞、DV、モラハラ、夫婦喧嘩など)が起きた直後か近い時期に離婚を決意し、別居や弁護士に相談するなどの行動を起こすためあまり問題にならないのですが、熟年離婚の場合、離婚を決意するような出来事が起き長期間経過してから、離婚を申し出るというような事が少なくありません。

例えば、夫の不貞が発覚して離婚したかったが、子どもが小さく1人で育てることに不安があったため、子どもが独り立ちするまではと我慢して、10年以上経って、子どもが社会人になって独り立ちしたことをきっかけに、夫に対し離婚を申し出るといったケースです。この場合、妻は10年以上前の不貞を原因として、慰謝料を請求することができるのでしょうか。
結論からお伝えすると、当該行為が原因で夫婦関係が破綻したと認められる場合には、慰謝料請求が可能となります。

男女の後ろ姿

すなわち、慰謝料請求は法律上不法行為に基づく損害賠償請求となるのですが、この不法行為に基づく損害賠償請求が認められるためには、当該不法行為(今回の場合には不貞行為)と損害(今回の場合には離婚という事実)との間に因果関係(原因と結果の関係)が必要になります。
したがって、過去の不貞行為であっても、当該不貞行為が原因で離婚するに至ったと認められる場合には、慰謝料請求が可能となります。
もっとも、10年以上も前の不貞行為を原因として離婚を主張する場合、10年も経過してその間離婚をしていないのであればその点については解決済みであり、不貞行為と離婚との間の因果関係が否定されるのではないかとの反論がなされる場合もあります。

しかし、上記のケースの通り、夫婦関係は破綻していても子どものために離婚を我慢していたというケースも十分に考えられるため、不貞行為と離婚請求との期間が経過しているというだけで直ちに因果関係が否定されるというわけではありません。
もっとも、単に不貞行為と離婚請求との間の期間が空いているというだけではなく、不貞行為後でも夫婦関係が極めて良好であることが証拠上明らかな場合(例えば、性交渉を頻繁に行っており、第2子、第3子が誕生しているような場合)には、もはや不貞行為を許している(法律上は「宥恕」(ゆうじょ)している)と判断され、離婚原因は過去の不貞行為ではなく別にあると判断され因果関係が否定されてしまう可能性があります。

なお、不法行為に基づく損害賠償請求には消滅時効(権利を行使しないと権利が消滅してしまうものです)があり、その期間は、民法724条により「損害および加害者を知ってから3年」とされているのですが、不貞をした配偶者に請求する「離婚慰謝料」については、上記期間の損害が発生したのが離婚の時点であるため、10年以上前の不貞行為であっても「離婚慰謝料」の請求が可能となります。
他方、配偶者ではない不貞相手に対する慰謝料請求(「不貞慰謝料」といいます。)については、不貞行為の事実及び不貞相手が判明した時点から3年以内に請求する必要がありますので注意が必要です(配偶者ではない不貞相手に対する「離婚慰謝料」の請求については最高裁判所の判例で原則として否定されています)。

熟年離婚と年金分割について

熟年離婚の場合にほとんど問題となってくるのが、年金分割です。年金分割とは、離婚をする際に婚姻期間中の夫婦の厚生年金の標準報酬額を多い方から少ない方へ分割にする制度です。年金制度は、20歳から60歳国民の誰もが加入し支払っている国民年金(基礎年金)とその上(2階建て部分)として、厚生年金保険があり、この厚生年金部分の保険料を納付した実績については年金分割をしないままだと例えば、夫のみが会社勤めで妻がずっと専業主婦であったような場合、夫のみ厚生年金を払っており、妻は国民年金のみ払っていたという状況になってしまいます。
しかし、生計(夫婦の財布)は夫婦で1つであるため、厚生年金部分の保険料の支払実績を分配する制度が年金分割になります。このように、年金分割については厚生年金部分の問題であるため夫婦がどちらも国民年金にしか加入していない場合には問題となりません。

この年金分割の行い方ですが、結婚したのが平成20年(西暦2008年)4月1日以降の場合には3号分割といって、当事者で合意をしなくても年金分割を請求する配偶者(第3号被保険者)が年金事務所で請求することで単独で年金分割を行えますが、平成20年4月1日よりも前に婚姻していた場合には婚姻時から平成20年4月1日までの期間については、当事者間で年金分割の割合について合意が必要になります(合意分割と言います)。婚姻期間が20年以上である熟年離婚の場合には、平成20年4月1日よりも前に婚姻しているため、合意年金分割が必要になります。
なお、年金分割は離婚と同時もしくは離婚後に初めてすることができますが、離婚後の場合は離婚成立後2年以内に行う必要がありますので、注意が必要です。

弁護士からのメッセージ

後藤弁護士

以上のとおり、熟年離婚の場合には通常の離婚と比べ検討すべき問題があり、離婚事件に精通した弁護士に相談、依頼する必要があります。

当事務所では熟年離婚だけでなく、多くの離婚事件を取り扱ってきた実績がありますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

慰謝料請求

こんなお悩みありませんか?

  • 配偶者の不倫、浮気やDV等で苦しんだ
  • 配偶者が働かない、生活費を渡さない
  • 配偶者が(ギャンブル等で)生活費を使い込んでいる

慰謝料とは

慰謝料とは

「慰謝料」とは相手の行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。相手が浮気や暴力などの不法行為によって離婚原因を作った場合に請求することができます。夫婦双方が浮気をしていたり、性格の不一致などが原因で離婚したりしていて、どちらに責任があるか明確でない場合には請求することができません。
離婚の慰謝料は大きく分けて2つあり、配偶者の不貞や悪意の遺棄、暴力などの離婚原因となった不法行為によって被った精神的苦痛に対するものを「離婚原因慰謝料」と言い、離婚そのものによって被った精神的苦痛に対するものを「離婚自体慰謝料」と言います。

慰謝料が請求できる離婚原因・できない離婚原因

請求できる離婚原因
  • 不貞行為(浮気や不倫など)
  • 悪意の遺棄
  • 配偶者の暴力
  • 生活費を渡さない
  • 性行為の拒否・不能
  • 一方的な離婚の申し入れ

など

請求できない離婚原因
  • 性格の不一致
  • 強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
  • 双方に同程度の離婚原因がある
  • 信仰上の対立

など

慰謝料の金額

慰謝料の金額に明確な基準や目安などはなく、離婚原因や配偶者から受けた精神的苦痛は個人によって異なり、客観的に算定するのが難しいものです。そのため、慰謝料の金額は個々のケースで違ってきますが、一般的に支払われている慰謝料の金額は200~300万円程度が多いとされています。ただし、不貞や暴力などの不法行為が悪質な場合、高額な慰謝料が請求できる場合もあります。
慰謝料請求の際にポイントとなるのは、相手の不法行為が立証できるかどうかです。立証できなかったり、立証に必要な証拠が集められなかったりすると、請求金額が減額されたり、請求自体が難しくなったりする場合があります。ご相談者様自身でこうした証拠を集めたり、適切に慰謝料の請求を進行させたりするのは難しいと思いますので、専門家である弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士からのメッセージ

後藤弁護士

離婚に関する慰謝料請求は、不貞の有無という事実関係、夫婦関係の破綻との因果関係や時効、相手への求償等の法律問題など様々な問題があるため、基本的には弁護士に依頼すべき問題です。

なにより不貞をされてしまったことで精神的にも傷ついている場合には弁護士に依頼して適切な慰謝料をもらうべきですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

財産分与

こんなお悩みありませんか?

  • 専業主婦をしています。離婚時には財産は分けてもらえないのでしょうか?
  • 離婚の原因が自分にあります。財産は分けてもらえないのでしょうか?
  • 別居をしていた期間の財産は共有財産にはなりませんか?

財産分与とは

財産分与とは

「財産分与」とは、結婚生活の間に夫婦が協力して築き、維持した財産を離婚時に分け合うことを言います。財産分与は夫婦間の話し合いで自由に決めることができますが、一般的には2分の1ずつ分配されます。
財産分与の対象となる財産は、結婚生活の間に夫婦が協力して築いた共有財産すべてで、具体的には預貯金、現金、有価証券、投資信託、不動産、家財道具、自家用車などです、夫婦どちらからの名義になっている場合でも、共有財産とみなされるものもあります。

財産分与の対象となる財産・対象とならない財産

対象となる財産(共有財産)
  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 投資信託
  • 不動産
  • 家財道具
  • 自家用車
  • ゴルフ会員権
  • 保険・保険金
  • 退職金・年金
  • 負債

など

対象とならない財産(特有財産)
  • 結婚前から所有していた財産
  • 結婚後、贈与された財産・相続した財産
  • 日常的に単独で使用するもの(洋服やアクセサリー、時計、バッグなど)
  • 結婚前の借金
  • 別居後にそれぞれが形成した財産

など

弁護士からのメッセージ

後藤弁護士

離婚の手続きの中でも、財産分与は特に揉めごとに発展することが多く、解決せずになかなか離婚ができないというケースもよくあります。また、財産分与は夫婦で築いた財産の精算なので離婚原因に関わらず請求することができ、例えば妻に離婚原因があった場合でも財産分与を受けることができます。妻が専業主婦であっても同様です。このように、知らなかったばかりに受け取れるはずだった財産の分配を受けずに、後で後悔することもありますので、そうした事態を避けるためにも事前に弁護士に相談しておくようにしましょう。

なお、財産分与は、離婚後であっても2年間は請求できますので、財産分与をしないままに離婚してしまった方も、まずは弁護士に相談してみましょう。

内縁関係・事実婚

こんなお悩みありませんか?

  • 内縁関係の相手に慰謝料や財産分与の請求をしたい
  • 内縁関係を解消したい
  • 内縁の相手やその子との相続について悩んでいる

内縁関係・事実婚とは

 男女とひまわり「内縁関係」とは、婚姻届は提出していないものの、婚姻する意志があり、客観的に見て夫婦としての共同生活を営み、社会的にも夫婦として認められている男女関係のことを言います。

「事実婚」とは、婚姻により姓が変わるのを避けるなど、何らかの理由によりあえて婚姻届を提出せず、事実上の夫婦生活を送っている男女関係のことを言います。
いずれも婚姻する意思があるのがポイントで、婚姻する意思がなく生活を共にしているだけの場合には、単なる「同棲」とみなされます。


内縁関係・事実婚でも法律的な保護が受けられます

内縁関係・事実婚であっても、事実上は夫婦としての共同生活を営んでいるため、婚姻届を提出した夫婦と同様の権利が認められています。内縁関係でも共同生活で築いた財産があれば財産分与の対象になりますし、浮気や暴力などの相手の不法行為によって関係を解消せざるを得なくなったのであれば、慰謝料を請求することも可能です。
財産分与や慰謝料の請求などの話し合いがまとまらない時には、婚姻関係にある夫婦同様に家庭裁判所に調停を申し立てることができますが、家庭裁判所に内縁関係・事実婚を認めさせるのは簡単ではありませんので、一度弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士からのメッセージ

後藤弁護士

内縁や事実婚で一番重要なのが、法律上の婚姻関係と同様の法的保護を受けることができるような状態であるかです。この点については、弁護士に依頼して、適切な主張立証を行わなければ、内縁と認められることは難しいのではないかと思います。

また、内縁や事実婚の場合、どれだけの関係性があったとしても相続については、一切認められませんので、入籍をせず内縁関係を継続するのであれば、遺言書の作成は必須であると思います。当事務所は家事事件全般に精通しており、特に、遺言などの相続案件を専門にしているため、ぜひお問合せください。

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