弁護士コラム

2024.02.09

店内撮影禁止に違反したらどうなる??

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皆さんは外食に行かれる際には、口コミサイトやSNSを参考にされたりするでしょうか?? 私の家族では、最近、うどんにとてもはまっており、休みの前の日などには、どのうどん屋に食べに行こうかと妻と話して、色々な口コミサイトやSNSの情報を調べたりしています。その際、一番重視しているのは口コミの内容ではなく、投稿されている料理の写真を見て、おいしそうか、食べてみたいかというのを決めているように思います。また、小さい子どもがいるため、店内の写真などをみて、カウンターだけの店ではないかなどを調べています。

このように、お店を決めるうえで、料理の写真等はとても重要であるため、SNSで写真や動画をアップしていただいている方にはとても感謝なのですが、最近お店に行くと、「店内写真撮影禁止」や撮影やSNSの投稿の関するお願いなどの文書が掲示されているお店もよく見かけるようになりました。

では、この「写真撮影禁止」に違反して撮影を行った場合法的にはどのような問題があるのでしょうか。

まず、店内や料理を撮影すること自体で、何ら犯罪が成立することはありません(しかし、立ち入り禁止の箇所に立ち入って撮影した場合などには、住居侵入罪等が成立する可能性はあります。)。これは、店側が「写真撮影禁止」という文書を掲示していたとしても、犯罪にはなりません。

カフェで写真を撮る女性たち

では、「写真撮影禁止」と書かれていても写真をとってもよいかというとそういうわけではありません。店内の写真撮影を許可するかしないかについては、施設(お店)の管理権を有しているお店側が事由に決めることができるので、お店の方は、写真撮影をしているお客さんに写真を撮影しないよう注意をすることができます。さらに、店側の判断として、注意したとしても撮影を止めない場合や、何度も撮影している人の場合、退去を要求したり、今後の出入りを禁止したりすることができます。さらに退去の要求にも応じない場合には、刑法130条後段の不退去罪が成立する可能性があります。また、トラブルで店側の業務を妨害した場合には威力業務妨害罪が成立する可能性もあります。ここまで来ると単なる写真撮影で逮捕されてしまう可能性もあります。

さらに、店の様子を撮影することで、他のお客さんの容姿が映ってしまうこともあり、それを無断でSNS等にアップしてしまうと、プライバシー権や肖像権の侵害として、損害賠償請求されるなどトラブルに巻き込まれてしまうリスクがあります。

このように、店内の撮影については、撮影だけで犯罪になるということはありませんが、お店のスタンスとして、撮影を禁じている場合にはトラブルにならないようにお店のルールには従った方がいいと思います。他方、お店の側としても料理などをSNSで宣伝してもらうことで、集客につながるという点もあり、写真をとることを許可したいと考えている場合もあると思います。その場合には、トラブルを未然に防ぐために、写真撮影やSNSへのアップに関するルールなどをあらかじめ文章にしてお店に掲示していただくのが良いと思います(そういったルールに関する文章の作成について弁護士に依頼されたい場合にはお気軽にお問い合わせください。)。

 

執筆弁護士紹介 後藤祐太郎

 

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2024.01.19

弁護士が解説!売掛金について

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最高のピッチング

皆さんは、野球が好きですか?
私は、サッカーも野球も好きですが、どちらかというとサッカーの方が好きだったのですが、今年のWBCの感動的な試合を見て、野球も捨てたものじゃないなと再評価していました。

野球では、バッターよりも投手に注目することが多く、日本だけでなくメジャーリーグの有名なピッチャーの動画などをよく見ています。

よく、野球好きの人と話すときに、「最高のピッチング」とは何かということが話題になったりします。その際に出てくるのが「81」と「27」という数字です。「81」という数字は、全てのバッターを3球三振で仕留めた場合3球×3アウト×9回=81球で試合を終わらせることが出来るというものです。ピッチャーだけの力で試合を終わらせることが出来るという意味では理想なのかもしれません。

これに対し、「27」という数字は、全てのバッターを、ゴロやフライなどでアウトにした場合には、1球×3アウト×9回=27球で試合を終わらせることができます。私個人的には、1球で仕留める技術がかっこいいため、こちらの方が理想のピッチングというような気がしています。

ピッチャー

この、理想的ピッチングの「27球」というものですが、もっと少なくすることはできないのかと友人と話していたことがありました。最近メジャーリーグで大谷選手が申告敬遠を何度もされているのを見て、「申告敬遠の場合球数はどうなるのか」と思い、調べてみることにしました。

日本のプロ野球のルールなどをまとめたものとして、「公認野球規則」というものがあります(アメリカのプロ野球のルールを翻訳したものに、日本独自の注釈などが盛り込まれているそうです。)。この「公認野球規則」によると、申告敬遠(規則では「故意四球」というようです)の場合、投手の投球数には加算されないとされています。 そうすると、最も少ない球数で試合を終わらせるためには、申告敬遠を2回してノーアウト1塁、2塁の状態で、次のバッターに対し1球でトリプルプレーをとることで、1球×9回=9球で試合を終わらせることが、理屈上可能になります。

9球で試合を終わらせることは絶対にありえないでしょう。また、そもそも27球で試合を終わらせるというのも夢物語であると思います(ちなみに、日本のプロ野球で9回完投の最小投球数は、71球だそうです)。ですが、今まで歴史を塗り替えてきた大谷選手やこれから出てくる選手がそいった理想をかなえてくれるのではと思うだけでとってもロマンがあっていいなと思ったりします(前置きが長くなってしまいましたが、以下法律のお話をさせていただきます。)。

ホストクラブの売掛金について

さて、本題に入りたいと思います。
最近ニュースで、歌舞伎町のホストクラブで将来的に店での売掛けをなくすことを目指すというニュースがありました。会社や、事業をされている方には、この「売掛け」という言葉になじみはあるかもしれませんが、一般の方ですと、あまり聞いたことがない言葉かもしれません。

「売掛金」とは、会計上の用語で、「これから支払われる予定のある代金」を意味する勘定科目のことをいいます。簡単に言うと、ものを買って代金の支払いを後払いすることを売掛といいます。 この「売掛」という言葉のもととなっている「掛売」という言葉は、江戸時代の会計帳簿には記載されており、この頃の商取引は基本的に代金をその場で支払わず後で受け取る「掛売」で行われていたようです。「掛」という言葉はなにかの途中であることを意味するものであり、代金が支払われていない状態は、売買という取引が完了していない(途中である)ことから「売掛金」という言葉が使われるようになったそうです。

先程のニュースでは、ホストクラブにおいてこの売掛を辞めることを目指しているとのことですが、誤解がないようご説明すると、売掛という支払い方法が悪いというわけではありません。商取引は迅速性が求められ、かつ、扱う金額も高額になるため、コンビニの支払いのように都度都度現金でその場で払うことが求められると、迅速な商取引が阻害されてしまいます。

ホストクラブで問題になっているのは、ホストクラブでは、お客の女性が支払う能力がないことを知りながら、何百万円もする高額なお酒を、売掛金として入れさせ、支払いを強要し、多額の借金をさせたり、風俗業界で強制的に働かせたりの悪質な行為をしている点が問題となっています。

シャンパンタワー

このようなホストクラブにおいて売掛が禁止された場合には、お客の女性も、自分の支払い能力に見合った利用(要は、自分の持っているお金の範囲でのみの利用)をすることになるので、利用する女性の方から被害者を防ぐことができるのではないかと言われています(個人的には、そうなると、消費者金融で借り入れを強制したり、違法な闇金などからお金を借りさせたりして、支払わせるというような手法が横行してしまうような気もしています。)。

他方、こうしたホストクラブではない通常の商取引においても売掛金に関するトラブルは頻繁に生じています。具体的には、買い主から売掛金が支払われない状態で、新たに取引を行い、売掛金の額が高額になったが、買い主からいっこうに代金が支払らわれないというトラブルです。

このような場合、売主側は、買い主に代金の支払いを請求し、任意での支払いに応じない場合には、裁判で支払うよう求める必要があります。もっとも、売掛金を支払えない会社がめぼしい財産を持っている可能性はあまり高くないため、回収ができないということも少なくありません。 売主側としても、支払われるべき代金が支払われていない状態で更に取引をする場合には、代金を一部でも支払わない場合にはその後の取引には応じないなどの対応を行う必要があると思います。とはいえ、数カ月後に代金支払いの目処が立つので先に商品を納品してほしいなどといった要請もあるかもしれません。その際には、相手が代金を支払われないリスクがある前提で対策をする必要があります。

具体的には、連帯保証人をつけてもらう。物的担保(不動産に抵当権を設定するなど)を求める。後々強制執行をする対象(預金口座、取引先等)の情報を教えてもらうなどが考えられます。 当事務所にご相談いただく経営者の方の多くは、ずっと取引を続けていたがいっこうに支払ってくれないというタイミングでご来所されるのですが、その時点では、売掛金を回収できない可能性のほうが高いため、可能であれば、上記のように一部未払が発生している時点などで、ご相談いただくことで、連帯保証契約や強制執行ができる情報を聞くようアドバイスするなど、適切なサポートができると思います。

また、当事務所の「フレックス顧問®契約」にて顧問契約をしていただいている方の場合には、個別の売掛金回収についても、毎月の顧問料以外に別途弁護士費用を頂戴しませんので、弁護費用を考慮して依頼を躊躇することがなくなります。売掛金だけでなく、日頃から相談したいことがあるなどという場合にはぜひ、顧問契約をご検討ください。

 

執筆弁護士紹介 後藤祐太郎

 

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2024.01.05

初詣の参加は業務??

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新年あけましておめでとうございます。
昨年の7月からこっそりジムに通ってダイエットをしていました。
7月からはじめて、年末の時点で12Kg減量することができました。
年末の事務所全体の忘年会で、久しぶりの博多の本店の人たちと会ったのですが、皆さんが「瘦せた!」というリアクションをしてくれていたのがとてもうれしかったです。
今年は引き続き減量を続け、リバウンドしないようにしたいと思っています。

なんとなく今年の抱負を述べましたが、新年にまつわる法律の話をしようと思います。

皆さんは初詣に行かれましたでしょうか。

福岡市ですと、櫛田神社等に毎年多くの方が参拝に来られているのを見かけます。 また、仕事はじめの1月4日などには、スーツ姿の方が、多く参拝し、商売繁盛の祈願されているのも見かけます。

櫛田神社

では、この初詣を会社の営業時間に従業員の方に参拝することを強制することはできるのでしょうか。

会社の営業時間に初詣という行事に参加することを要求する行為は、一種の業務命令に該当します。

この点、労働基準法第3条では「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」と規定しています。 したがって、宗教上の理由で、初詣に行きたくないという人に対し、初詣を強制すること、断った場合に欠勤扱いとすること、査定などで不利に取り扱うことは、従業員の方の信教の自由(憲法20条2項)を侵害する行為として違法となります。

したがって、初詣の参拝については、業務時間外に参加不参加を自由に選ぶことができるような形、すなわち業務ではない形で参加を募る方がよいのではないでしょうか。
また、業務時間に行う場合にも、参加した人だけでなく、参加しない人に対してもきちんと賃金を支払う必要があることや、参加しない人を不利益に取り扱うことは違法であるため注意が必要です。

近年では、多様性が企業にも求められる時代になっているため、業務命令や会社の仕組みづくりの際にも考慮が必要ですので、経営者の方でご不安なことがあれば是非ご相談ください。

 

執筆弁護士紹介 後藤祐太郎

 

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2023.12.26

離婚解決事例:有責配偶者からの依頼で早期の離婚を実現した解決事例

プライバシー保護のため、事例の趣旨に影響しない範囲で内容を変更して紹介しております。

ご相談事例

不倫していたのは自分であり、悪いのは分かっているのですが、離婚はできるのでしょうか。
相談内容

  • 相談者…職場の同僚と1年以上前から不倫の関係
  • 相手方…妻
  • 子…3歳

私は、5年前に妻と結婚し、3歳の子どもがいるのですが、職場の同僚と1年以上前から不倫の関係にあり、先日、妻に不倫関係がばれてしまい、現在別居しています。 不倫していたのは自分であり、悪いのは分かっているのですが、妻とはこれまでの夫婦仲が良かったわけではないため、離婚をしたいと考えています。 ネットなどでは、不貞等悪いことをした側からの離婚請求は認められないなど書いてあるのですが、離婚はできるのでしょうか。

弁護士の対応

ご相談者様のおっしゃる通り、不貞等の原因を作った人(判例などでは、「有責配偶者」と呼ばれています)からの離婚請求は裁判では原則認められていません。
例外的に認められる場合があるのですが、別居期間が同居期間に比して極めて長期間であることや、離婚することで、不貞された配偶者が経済的、精神的に苛酷な状況に置かれないことなどという極めて難しい要件でなければ認められません。

もっとも、この有責配偶者からの離婚請求が認められないのはあくまでも裁判での場合であり、相手方の配偶者が離婚に応じる場合には協議離婚で離婚が成立することになります。

不貞をしてしまった場合に、離婚を実現するための方法としては①不貞行為前に、夫婦関係は破綻していたと主張することで有責配偶者であることを争うという方法②有責配偶者であることは認め、配偶者に協議離婚に応じてもらうよう働きかけるという方法が考えられると思います。

不貞行為

この点、①については、単に夫婦仲が良くなかったという程度では認められず、具体的な離婚協議を行っている場合や、別居などをしている場合など限られた場合にのみ認められるものです。
本件でのご依頼者さまの場合も、夫婦仲が良くなかったという程度では、婚姻関係が破綻しているとは認定されないため、②の方針で進めることにしました。

具体的には、配偶者の方に連絡し、本人は不貞を認めてはいるが離婚を考えていることを伝え、原因を作ったのはこちらであるためできる限りの対応はしたいということを伝えました。
そして、進めていくうちに配偶者が不貞相手の女性からすでに慰謝料を受領していることが判明しました。

別の機会にでもご説明させていただきますが、不貞相手の一方から慰謝料を受け取った場合、他方からの慰謝料請求の額に影響することになります。
そういった法律上の仕組みなどを説明しつつ、相手方の配偶者の気持ちや感情的な話にも耳を傾けることで、はじめは、感情的になっていた相手方も次第に話し合いに応じるようになり、結果として、慰謝料や養育費について、相場よりも多い金額で、できる限り支払うということで、相手方も納得したため、調停や裁判をすることなく、協議離婚で解決することができました。

このように、離婚の原因を作ってしまった有責配偶者であっても、相手方の配偶者が協議で離婚に応じてくれる場合には、離婚は可能となります。
しかし、やはり、婚姻中に不貞をしてしまったという自身の落ち度についてはしっかり認め、相手方にできる限りの誠意を見せるというような姿勢は必要なのかなと思います。
どのような進め方で行くのが良いのかという点は、具体的な事情をお伺いした上でないと判断はできませんが、離婚でお悩みの方は是非ご相談ください。

ご相談事例・解決事例の掲載について

事例回答はあくまでご参考となります。 実際にご自身のご相談で同じ結論になるかどうかは、個別の判断が必要となります。
当事務所の初回無料相談をご利用いただき、個別のご相談および弁護士からのアドバイスをお受けください。

執筆弁護士紹介 後藤祐太郎

 

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2023.12.13

これって証拠になりますか??

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弁護士の仕事と切っても切り離せないものが「証拠」です。 辞書的な意味の「証拠」とは、「ある命題の真偽や存否を判断する根拠となるもの」をいいますが、法律用語としての証拠とは、「証拠方法」「証拠資料」「証拠原因」という3つ場面で使われています。

証拠方法とは

「証拠方法」とは、事実を認識するための資料をもたらす有形物のことを差し、簡単にいうと、裁判官が事実を認定するための資料である人や物のことです。
⇒「証拠方法」という意味での証拠が、一般の人がイメージする証拠と同じであると思います。

証拠資料とは

「証拠資料」とは、上記証拠方法の具体的な内容のことを指します。 上記証拠方法が人の場合にはその人の具体的な証言内容が証拠資料となり、証拠方法が文章であればその記載内容が証拠資料となります。

証拠原因とは

「証拠原因」とは、証拠資料のうち裁判官が心証形成(判断材料のことをいいます。)に採用したものをいいます。

このように、裁判では、証拠方法から認定される証拠資料について、裁判官が証拠原因として採用した内容に基づいて、事実の有無が判断されます。
裁判において、証拠をもとに事実有無が判断される以上、弁護士としては交渉段階から常に証拠について検討を余儀なくされるため、証拠とは切っても切れない関係なのです。

よく、相談に来られる方の質問で一番多いと言っても過言ではない質問が「これは証拠になりますか」という質問です。
この質問を質問の内容通りに回答すると、多くの場合「証拠にはなりますが、証拠の強さは別問題です」という回答になります。

不貞証拠イメージ

例えば、夫が不貞していると疑っていて、夫と他の女性の親密なやり取りのLINE画像がある場合、こちら側(妻方)として立証(証明)したい事実は、夫とその女性との間の不貞行為(性行為)の事実です。

そして、裁判所が事実認定をする場合には、基本的に当該証拠の証拠資料内容及びそこから合理的に推認される事実のみを認定します。
簡単にいうと、例えば、上記のLINEでのやり取りの具体的な内容(証拠資料)が「大好きだよ」「また、会いたいね」というやり取りのみの場合、裁判所としては両者が好意を持っていたこと(「大好きだよ」)や前に会っていたことがあること及びまた会いたいと思っていること(「また会いたいね」)、総じて、両者が親密であるという事実のみを認定します。
一般の方の感覚からすると、上記のようなやり取りをしている時点で、不貞をしていると強く疑うと思うのですが、裁判所の判断としてはこのLINEのやり取りでは、両者が親密であることは認定できるがそれを越えて不貞行為(性行為)を行ったという事実までは認定できないと判断すると思われます。

他方、LINEのやり取りの内容が「また、ホテルに行こうね」という内容である場合には、ホテルに行った事実が認定され、ホテルに行ったということは合理的に考えて性行為を行ったと認定されることになるでしょう。
また、「また、○○(性行為)しようね」というやり取りの場合、以前に性行為をしないとこのような発言はなされないとして性行為の事実を認定されることになるでしょう。

このように、証拠の有無と証拠の強さ(証明力といいます。)は別問題になります。
なので、安易に証拠があるから勝てるという風に判断されるものではないため、証拠を入手したと思われた場合には請求や問い詰める前に、弁護士に一度相談することをお勧めします。
また、弁護士に相談する際には、関係があると思われる資料はご自身で取捨選択するのではなく、全てお持ちいただいた方がいいと思います。
ご本人では証拠にならないと思ったものでも、弁護士からすると調査によって証拠となると思われるものも少なくありません。
例えば、不貞相手の名前や住所が分からず、車のナンバーのみ分かっている場合であっても、弁護士に依頼して弁護士会を通じ、陸運局に当該ナンバーの車両の所有者の名前や住所を調べることで、慰謝料の請求が可能になる場合もあります。

これが、証拠になるのか、どれくらい強いのだろうか(ようは、裁判で勝てるのかどうか)とご不安になられた場合には、是非一度ご相談ください。

 

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2023.10.17

棺をのぞき込んで死亡!?

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当事務所は、相続事件を専門に取り扱っている事務所ですので、日々、相続に関するご相談が非常に多く寄せられます。

相続が発生するということは、ある方がお亡くなりになっています。
そして人がお亡くなりになると、葬儀が執り行われます。

先日、この葬儀に関連して、とても驚いたニュースがありました。
葬儀において、火葬、埋葬などを行う前にご遺体を保存するための棺で二酸化炭素中毒による死亡事故が起きており、消費者庁と国民健康センターが注意喚起しているとのことでした。

棺

このニュースのタイトルを見たときに、霊的なもので、亡くなられた方が、家族を道連れにしてしまったのかと思いましたが、ニュースの中身を見ると、棺の中には、ご遺体の状態を保つためにドライアイスが入っていることがあり、換気されていない部屋などで、棺を覗き込んだ際に、気化した高濃度の二酸化炭素を吸い込んだことが原因でなくなっているとのことでした。

通常、空気中にも二酸化酸素は存在するのですが、その割合は、わずか0.03%しかありません。 しかし、この二酸化炭素の濃度がわずか3%の環境になると、その環境に長時間いると呼吸困難やめまいなどの症状が出始め、濃度が30%になるとほぼ即時に意識を失ってしまうそうです。

冷凍食品やケーキの保管などで頻繁に使うドライアイスでこんな事故が起きてしまうことがあるとはとても驚きましたが、消費者庁などが注意喚起をしている以上、めったに起きない事故というものではないのではないかと思います。

こうした注意喚起がなされている以上、葬儀場等を運営する会社においては、葬儀の主催者や参列者に対し、貼り紙などで棺をのぞき込まないように注意喚起したり、換気を徹底するなどして、最悪の事態が起きるのを防ぐ義務があり、そのような措置を怠り、事故が発生した場合には、損害賠償責任を追うことになると思います。

お葬式は人がお亡くなりになって、決して楽しい行事ではないため、そのような場でさらなる悲しいことが起きないように、注意したいですね。

 

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2023.10.12

119番通報の適切な利用について

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2019年12月に新型コロナウイルスの感染がはじまってから、もうすぐで4年が経過しようとしています。
一時期の感染拡大時には119番通報しても救急車が来られない等、医療現場もひっ迫した状態でした。
そんなコロナも今年にはインフルエンザと同じ第5類に分類され、ワクチン接種などもあり、以前の爆発的に感染が広まっていた時と比べると感染状況も収まってはいるようです。

しかし、先日、ニュースで、東京では現在119番通報がつながりにくいという状況が続いていると報じられていました。
そして、東京消防庁が、令和5年9月に「X(旧Twitter)」において、
『不要不急の電話については最後までお話を効かずに切断する場合があります。 他の緊急通報を優先するための措置ですので、ご理解をお願いします。』
という呼びかけを行ったことも報じられていました。
不要不急の119番通報の場合には、救急車が臨場しませんという呼びかけなら一般的にあるかなと思うのですが、電話を途中で切断する場合がありますという呼びかけをしている時点で、そもそも通報が非常に多いことに加え、不要不急でない通報も多く、現場はひっ迫しているのだなと感じます(ニュースでは、暑くて歩けない、虫が出たので何とかしてほしいなど、救急車をなんだと思っているのかというような通報があるようです。)。

客観的に救急車を呼ぶ必要がないのに119番通報してしまったとしてもそれだけでは何も罰則はありません。
しかし、呼ぶ必要がないという状況を超えて、そもそも、何もないにもかかわらず、ケガをした、体調が悪いなどといって119番通報する行為(要は嘘の通報をする行為です)は犯罪になります。

具体的には虚偽の事実を伝えて、消防署等の業務を妨害しているので偽計業務妨害罪(刑法233条)が成立します。
また、消防法44条20号によって、火災の発生や傷病者(ケガや病気をした人)に関する虚偽の事実を通報した場合には、30万円以下の罰金等が課せられることが規定されています。

こうした犯罪行為はもってのほかですが、そうでない場合でも上記のように、タクシーや便利屋と勘違いしているような119番通報がなされることにより、本当に救急車を必要としている人のもとに駆けつけることができなくなってしまい、人命にかかわることにもなりかねないため、絶対にひかえていただきたいです。

もっとも、客観的には自分や家族の症状をみて、119番通報してもいいのかな通報を躊躇されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方や119番通報してもよいのかわからないという方のために、消防庁において「救急安心センター」(♯7119)という事業を行っています。
この「♯7119」に電話すると電話口で医師、看護師、相談員が話を聞き、病気やケガの症状を把握したうえで、救急車を呼んだ方がいいか、急いで病院を受診した方がいいか、受診できる医療機関はどこか等を案内してくれます。

症状から見て明らかに問題がある場合には119番、そこまではないけど、どうすればいいかわからないという場合には♯7119というようにうまく使い分けて対応するように心がけたいですね。

 

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2023.09.27

増えている無縁墓~お墓の管理について~

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お盆などにご先祖のお墓参りに行かれる方は多いと思います。
家の近くにお墓がある方はお墓参りやお墓のお世話も比較的簡単にできるかもしれませんが、離れたところにあるとなかなかお墓参りも一苦労ですね。
私は、父方のお墓は九州、母方のお墓は四国、妻の先祖のお墓は九州にあるため、今は、実家に帰省した際にお墓参りをすることはできていますが、先々お墓の管理などどうすればいいのかなと考えることがあります。

先日、ニュースで、高齢化や核家族化を原因として、管理がまったくされていないお墓、いわゆる無縁墓の実態を国が調査をしたところ、公営墓地において引き継ぐ人がいなくて放置されている無縁墓があると回答した自治体が半数以上にのぼることが明らかになったと報じていました。
私のケースではありませんが、お墓がはなれた所にある人やそもそもお墓の存在を知らない親族の方もいられると思いますので、今後このような無縁墓は増えていくのではないかと思います。

無縁墓が放置されてしまうと、墓石やブロック塀の老朽化等による倒壊リスク等が考えられます。
このような危険性のある無縁墓ですが、先ほどの国の調査では、多くの自治体において、対応に苦慮しているとのことでした。

理由としては、まず、無縁墓に関する法律の規定などがないため、どの状態に至ったら無縁墓と判断すべきであるのかという明確な基準がないということがあります。
また、無縁墓と判断した場合、遺骨などは合同のお墓(合葬墓)に入れたうえで、墓石を処分する必要があるのですが、墓石自体の所有権は、後述する通り実際にお墓を管理している人(祭祀承継者)にあるため、勝手に処分をしてしまうと、後々所有権を侵害したとして損害賠償請求されるリスクがあるためです。

こうした問題が生ずる一つの原因としては、無縁墓や、放置された墓石の所有権に関する法律の規定が整っていないことが考えられます。
おそらく今後、空き家問題等などで最近法改正された特定空き家などのような法規制がされていくと思いますが、無縁墓を作らないようにするためにも、いまの世代の人で将来墓地の管理が難しくなると予想される場合には、墓じまいなどの対策も考えなければいけないのかもしれません。

なお、余談になりますが、墓石や仏壇などの祭祀については、相続の遺産分割の対象とはならず、祭祀承継といって、誰がそういった祭祀を承継すべきなのかを話し合って決めたり、場合によっては裁判所が、従前の状況や慣習などを根拠に判断していくことになります。
相続のご相談をいただく際には多くの場合こういった祭祀の承継についても問題となりますので、相続や祭祀のことでお困りの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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2023.09.19

お客様は神様??~旅館業法の改正~

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以前、ハラスメントについて紹介した際、カスタマーハラスメント(カスハラ)という言葉を紹介しました。
前回の記事はこちらから:従業員の名札は必要?
前回の記事はこちらから:なんでもハラスメント?~現代のハラスメントの問題点~
客が店員に対し、過剰な要求や暴言を吐くなどの行為を行うことを指します。
このようなカスハラを行う人の根底には、「お客様は神様」というような考えがあるのでしょう。
ただ、このような行為は、お店の業務を阻害するばかりか、他の利用客に迷惑をかける行為であり、最近では、迷惑をかける人に対しては毅然と対応するお店も出てきているようです。

しかし、ホテルや旅館では、こういった迷惑客の対応を強いられて来ました。
それは、これまで旅館業法という法律で、宿側は原則として宿泊を拒否することができないと規定されており、拒否できる事由が、伝染性の疾病患者や、犯罪を行う恐れのある人などきわめて限られた場合に限定されていました。

旅館

この規定により、上記のようなカスハラを行う人であっても、宿泊を認めざるを得ず、その対応に従業員の方なども苦慮していたようです(暴言や暴行等きわめて対応が悪質な場合には、業務妨害に関する犯罪行為であるため警察に通報するなど対応は可能なのでしょうが、現場でその判断を行うのは難しいという実情があるそうです。)。

そんな中、令和5年6月に旅館業法が改正され、宿泊しようとする人が、営業者に対し、過剰な負担を強いる要求をした場合や、他の宿泊者へのサービスを阻害する恐れがある要求を繰り返した場合には、宿泊を拒否することができるようなり、まさにカスハラを行う人の宿泊を拒否することができるようになりました。

このように、法律で、宿泊拒否を行うことができることが明確に規定されたため、ホテル側としても、具体的にこういった場合にはこの条文に該当するというようなケースを想定して準備をしておけば、現場の従業員の方の負担も軽減されるのではないでしょうか。

お客側も、金銭(対価)を払うという点でなぜか上の立場になったように錯覚し、度を越えた迷惑行為を行ってしまうのかもしれません。
しかし、お金を払う側とサービスを提供する側が対等な立場であることは明らかで、あくまでも「お客様はお客様」でしかないので、お店の人にもお互い敬意をもって対応してきたいですね。

 

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2023.09.07

相続解決事例:海外に住んでいる相続人がいる遺産分割事件

プライバシー保護のため、事例の趣旨に影響しない範囲で内容を変更して紹介しております。

ご相談事例

異母兄弟とこれまで一切連絡を取ったことがないので、遺産分割の話し合いができません。
相談内容

  • 相談者…後妻の子(依頼者)
  • 被相続人…父
  • 相続人…前妻との間の子3名、後妻(依頼者の母)、依頼者

父は若いころに、前妻と結婚し、前妻との間に子どもが3人います。
その後、父は前妻と離婚し、後妻(依頼者の母)と再婚し、私が生まれました。
前妻との間の子(依頼者の異母兄弟)とはこれまで一切連絡を取ったことがないので、遺産分割の話し合いを自分たちではできません。
なお、遺産については預貯金として約300万、不動産(自宅)約1,500万円があります。

弁護士の対応

遺産分割協議として受任。

まず、被相続人の相続人の所在を調査することから開始しました。
住民票を取得したところ、前妻の子3人のうち、1人が海外に移住していることが判明しました。

通常、遺産分割協議を行う場合には、遺産分割協議書等の書面に実印を押してもらい、印鑑証明書を添付して相続手続きを行うことになります。

しかし、海外にお住いになられている方の場合には印鑑証明がありません。
この場合、印鑑証明書の代わりとして、お住いになられている国の在外公館(大使館など)へ行ってもらい、在留証明書と署名証明(サイン証明)というものを貰ってきてもらう必要があります。
サイン証明とは簡単に言うとこの書面(遺産分割協議書)に署名をした人は、在留証明書記載の人物(相続人)であることは間違いないという証明を在外公館でしてもらう手続きになります。

このような状況でしたので、まず、前妻の子のうち、国内にお住いの人達にお手紙を送り、遺産分割に協力してほしいことと、海外にお住いの方のご住所や連絡先を教えてほしいとお願いしたところ、海外のお住いの方のメールアドレス等の情報を聞くことができました。

なお、国内のお子さんたちは、父親(被相続人)と一切疎遠であったため、相続財産は不要であるとのことであり、相続分を全て依頼者に譲渡してもらうことが出来ました。

そして、海外にお住いの相続人の方と連絡をとり、丁重にサイン証明の取得を依頼したところ、協力していただけたため、相続人全員との間で遺産分割協議が完了しました。

相続人に海外にお住いの方がいらっしゃる場合には、通常の手続きとはことなる手続きが必要となりますので、相続を専門に取り扱っている当事務所に是非ご相談ください。

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