弁護士コラム

2017.12.14

離婚協議書について②

離婚協議書について「2」

 <ご相談者様からのご質問>

  離婚に関して争いがないとしても,離婚協議書は作っておいた方がいいのですね。インターネット等で,離婚協議書の書式等を見つけたのですが,これを参考にして自分で作ってみます。

<弁護士からの回答>

 インターネットが一般家庭にも普及するようになって,今では,「離婚協議書 テンプレ」等と入力すると,離婚協議書の見本を参考にして,ご自身でも離婚協議書を作成すること自体は可能です。しかし,何も考えずにそういった書式をもとに協議書を作ってしまうと,せっかくトラブルを防ぐために書面を作成したのに,その書面が原因でトラブルに発展してしまう可能性が出てきてしまいます。そこで,本日は,離婚協議書を作成する際の注意点についてご質問させていただきます。

前回のブログで,離婚協議書では当事者が合意した内容であればある程度自由に条項を作成することができ,作成をすれば,条項の内容にしたがった権利義務(債権債務)が発生するとお伝えしましたが,当事者が合意をしたからといって,どんな内容でも有効になるかというとそうではなく,一般常識とは明らかにかけ離れた内容であると(公序良俗違反といいます。)無効になってしまう場合があります。
例えば,通常の家庭でそこまで資力や収入がないのにも関わらず,慰謝料の金額として4億円払うということを合意したとしても,払えないことは明らかであり,非常識な金額であるため無効となるのが一般的です(もっとも,大富豪の場合の離婚の際には,そこまで非常識な金額ではないとして,有効となるケースもあるかもしれません。)。また,未成年者のお子さんの生活費(養育費)を払わないという合意(養育費不支給条項といいます。)については,裁判例において無効と判断されています(養育費不支給条項の有効性については別の機会にご説明いたします。)。
先程述べたとおり,離婚協議書については,皆様ご自身でも作成することは可能です。しかし,法的な知識に詳しくない方がご自身で作成してしまうと,上記のように無効な内容の協議書を作成してしまう可能性が生じてしまいます。

 また,内容が無効でないとしても,書式では,その書式が夫側,妻側どちらに有利な内容であるかについては基本的に説明がないのが一般的であることから(前提として,離婚の条件は,一方に有利な内容であるならば他方には不利な内容になるのが一般的です。),何も考えずに,書式をそのまま利用してしまうと,知らぬ間に自分に不利な内容で協議書を作成してしまう可能性は否定できません(基本的に一度作成した協議書の効力をあとから「やっぱりなしで。」と言って否定することはよほどの事情がない限り困難といっていいでしょう。)。
このように,ご自身のみで離婚届を作成すると,せっかくトラブルを防ぐために作成した協議書が原因で後々にトラブルが起ってしまうことになりかねません。弁護士に協議書の作成を依頼することにより,そういった内容面でのトラブルが発生することを防ぐことができますので,是非一度,離婚協議書の作成についてご相談ください。また,相手方が離婚協議書を作成してきた場合には決してその場で署名をせず,いったんは持ち帰り,弁護士に「この内容でサインをしてしまって問題がないか」とご相談ください。よく,「離婚協議書にサインをしてしまったのだが問題ないか。」とご相談に来られる方がいらっしゃるのですが,弁護士ともいえども,一度サインをしてしまったものを覆すことは基本的に難しいので,サインをされる前に是非一度ご相談ください。ご相談者様に少しでも不利にならないようアドバイスをさせていただきます。

2017.12.13

離婚協議書について①

離婚協議書について「1」

  <ご相談者様からのご質問>

  夫が離婚に応じてくれ,離婚届にも署名してくれました。養育費も財産分与もあとできちんとしてくれると言っているので特に問題なく離婚することができそ
うです。

<弁護士からの回答>

 以前のブログでも書きましたが,離婚届には,離婚することと,未成年者のお子さんがいらっしゃる場合には親権者を決めさえすれば提出することができ,それ以外の条件については,離婚をするだけであれば,離婚届作成の時点で決める必要はありません。しかし,離婚届のみ作成し,それ以外の条件についてきちんと合意内容を書面に残しておかないと,せっかく離婚が成立したのに,その後も相手とのトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。そこで,本日は,協議離婚の際に作成すべき離婚協議書についてご説明させていただきます。

 離婚協議書とは,夫婦の当事者間で離婚及び離婚に関するその他の条件について合意した内容を記載した書面です。離婚という身分関係に関わってくるものではありますが,売買契約書や,消費貸借契約書と同じく契約書です。
 離婚協議書では,①離婚すること②離婚届をどちらが提出するか等の離婚届に関する事項③未成年者の親権者に関する事項④親権者でない親と子との間の面会交流に関する事項,④財産分与に関する事項,⑤慰謝料に関する事項,⑥年金分割に関する事項等を盛り込むことが一般的です。そして,離婚協議書では,上記①~⑥の事項について,当事者が合意をすればある程度自由かつ柔軟に決定することが可能です。例えば,面会交流について,月1回日帰りとしつつも,長期休暇の際には,宿泊を伴い面会交流を認めたり,慰謝料について総額を決め,頭金をまず支払い,残額を分割払いにするなども決めることができます。

さらに,離婚協議書の中には,上記の一般的な事項だけにとどまらず,様々な内容について,当事者が合意さえすれば盛り込むことが可能です。例えば,もう相手方配偶者から接触してもらいたくないと考えている場合には,「正当な理由がない限り接触しないことを誓約する。」というような条項(「接触禁止条項」といいます。)を盛り込むことにより相手方に対し正当な理由がないかぎり接触してはいけないという義務(債務)を負わせることが可能になります。

厳密にいうと,これらの条件について書面で作成しないと,効力(権利や義務)が発生しないかというとそうではなく,口頭であっても当事者が合意をしていれば効力自体は認められます。しかし,口頭だけで約束をしておくと,後々に相手から「そんな約束をした覚えはない」等を言われてしまい,一度約束した事項について遵守してくれなくなってしまう可能性が大きく,最終的には裁判をしなくてはならない可能性も出てきます。また,裁判では,合意の存在について証拠をもって主張する必要があるので,口頭での約束しかしていないと証拠がなく,負けてしまう可能性も出てきてしまいます。

そこで,離婚協議書を作成することによって,裁判で勝てるように証拠をきちんと残しておくことができますし,何より,書面に残しておくことで,相手方との間でトラブルになることを未然に防ぐことができます。
離婚の条件について当事者で合意した内容をきちんと書面に残しておくことは,自分だけなく相手方にとってもメリットになることなので,離婚について当事者間で今現在特に争いがないとしても,離婚協議書はきちんと作成しておいた方が良いと考えます。

2017.12.12

離婚届不受理申出制度

離婚届不受理申出制度

 <ご相談者からのご質問>

 離婚届を勝手に出されてしまうこともあるのですね。
 勝手に離婚届を出されないようにするにはどうすればいいのですか。

<弁護士からの回答>

 前回のブログでは,勝手に離婚届を提出されてしまうと,それを元に戻すまでにとても苦労するということをお話しさせていただきましたが,今回は,相手に勝手に離婚届を提出されることを事前に防ぐための制度である,離婚届不受理申出制度についてご説明させていただきます。

 離婚届不受理申出とは,役所に対し,配偶者が提出する離婚届を受け付けないで欲しいと申し出ることにより,申出後に配偶者が離婚届を提出したとしても役所にて離婚届を受理しなくなる制度です。
 不受理の申出は,離婚届不受理申出書(役場の戸籍係か,市区町村によっては,役所のホームページからダウンロードできます。)。の必要事項を記入し,基本的に届出をする人の本籍地に提出することで不受理の申出が受け付けられます。
 なお,不受理の申出に関しては,特定の人から提出された離婚届のみ不受理にするのか,誰が提出したかにかかわらず,一律に不受理にするのかについて選ぶことができます。

 この不受理申出の制度は,自分が作成していないのに,相手が勝手に離婚届を作成し,離婚届が提出されることを防ぐことができるだけでなく,その場の勢いに任せて一度は離婚届に署名押印をしてしまった後に,冷静に考えてやはり離婚したくないと考えを改められた場合には,この不受理申出をしておくことで,離婚が成立することを防ぐことができます。

 したがって,過去に離婚届を作成されたことがあり,いつ相手方に出されてしまうかわからないような状態の方はなるべく早く不受理の申出をされた方が良いと思います。
 この不受理申出の制度ですが,あくまでも協議離婚において,勝手に離婚が成立することを防げるのであって,不受理の申出をしていても,調停や裁判などで離婚が認められた場合には,調停調書や判決書等を役場に持参することにより離婚が成立してしまいます。

 また,一度,不受理申出をすると,その申出は取り下げるまではずっと有効になります(以前は,市区町村に受理されてから6か月間という有効期限があったのですが,法律の改正により,平成20年5月1日以降の申出については有効期限が廃止されました。)。したがって,一度不受理申出をした後に,夫婦で離婚することに合意し離婚届を提出することになった場合には,不受理申出を取り下げる必要があります(取り下げは,必要事項を記載した取下書を役場に提出することで可能です。)。

2017.12.11

勝手に離婚届を出されてしまったら

勝手に離婚届を出されてしまったら

<ご相談者さまからのご質問>

 先日,妻がいきなり離婚したいと言ってきて,離婚届にサインするように迫ってきました。私としては妻と離婚する気はなく,離婚届にサインをする意思はありません。私がサインをしなければ離婚は成立しないので,何もしなくても問題はありませんよね。

<弁護士からの回答>

 相手方が一方的に離婚を迫っている場合には,自分の知らないところで相手方が勝手に離婚届を提出してしまう可能性があります(そんなこと現実にあるわけないと思われている方もいらっしゃると思われますが,離婚届を勝手に出してしまわれる方は意外に多くいらっしゃいます。)。協議離婚はお互いが合意をしていないと成立しないので,勝手に離婚届を提出されたとしても後で覆すことは可能ですが,皆様の想像以上に時間や手間がかかる作業になります。そこで,今回は2回にわたり,相手方に勝手に離婚届を出されることを防ぐことができる離婚届不受理申出制度についてご説明させていただきます。本日は離婚届不受理申出制度の説明に入る前に,そもそも離婚届が勝手に出されてしまうようなことがあり得るのかという点と,勝手に離婚届が出されてしまった際の対応等についてご説明させていただきます。

 まず,前提として,離婚届については,双方が離婚することに合意し,それぞれが離婚届に署名押印している必要があり,夫婦の一方が勝手に離婚届を作成し離婚届を提出したとしても,離婚に関する合意が存在しないため,離婚は無効になります。しかし,離婚届は必要事項を記載して役場に提出をすれば簡単に受理されてしまい,離婚届の筆跡が夫婦本人の筆跡であるかどうかの確認はされませんし,離婚届に押す印鑑は実印である必要はなく(印鑑証明も不要です。)認印で足ります。加えて,離婚届は(婚姻届も同様ですが,)夫婦がそろって提出する必要はなく,夫婦の一方だけでも提出することが可能となっております。

 このように離婚届については,離婚届が夫婦で作成されているかのような外形を作出すれば受理自体はしてもらうことが可能であるため,離婚することに反対されている夫婦の一方が勝手に離婚届を作成し,提出してしまうことは少なくありません。(ごく稀に当事務所にも,「勝手に作成して,提出してしまってはダメなのですか」とご質問いただくことはありますが,相手に無断で離婚届の署名を自分で行い,印鑑を押して提出することは,有印私文書偽造・同行使罪に該当する犯罪行為です(戸籍に間違った離婚の記録がなされると電磁的公正証書原本不実記録罪という犯罪にも当たります。)ので,くれぐれもお控えください。)。

 勝手に離婚届が提出されてしまった場合であっても,夫婦のどちらかに離婚する意思,もしくは離婚届を提出する意思がない以上,無効になります。

 この,法律上は無効な離婚についても,いったん受理されて離婚の記載がなされている戸籍について,役所の方がすぐに訂正してくれるということはありません。戸籍を基に戻すためには,家庭裁判所に対し,協議離婚が無効であることを確認する調停を申し立て,「合意に相当する審判」というものを得て,審判書(判決書のようなものです。)を役所届けでる必要があります。もっとも,この調停では相手が合意をしないと合意に相当する審判を出すことができないため,相手方が合意をしていない場合には,家庭裁判所に対し,協議離婚無効確認訴訟を行い,無効であることの判決を得る必要があります。

 このように,勝手に離婚届を提出されてしまったとしても,最終的には離婚を無効にするとはできるものの,それまでに多大な時間と労力(精神的,経済的な負担)がかかってしまいます。
 次回のブログでは,こうしたトラブルに巻き込まれないために,勝手に離婚届けを提出することが防ぐことができる。離婚届不受理申出制度についてご説明させていただきます。

2017.12.08

協議離婚のメリット・デメリット

協議離婚のメリット・デメリット

 <ご相談者様からのご質問>

 離婚届に書いてもらうだけで離婚が成立するのですね。簡単そうなので,自分でやってみようと思います。協議であれば弁護士に依頼する必要はありませんよね。

<弁護士からの回答>

 ご自身のみで相手方と離婚の話し合いをすることも,弁護士を代理人として相手方と離婚の話し合いをすることも協議離婚であることには変わりません。結論から言うと必ずしも協議離婚で弁護士に依頼しなければならないということはありません。しかし,弁護士に相談することなくご自身のみで協議離婚を進めると,協議中だけでなく,協議終了後にもトラブルが残ってしまう可能性が非常に高いといえます。本日は,協議離婚のメリット・デメリットを説明しつつ,協議離婚を進めていく上での注意点をご説明させていただきます。

 協議離婚の一番のメリットは,当事者が離婚することに合意をしている場合には,離婚届を作成し提出するだけ離婚が成立するため,ご質問にあるように時間がかからずに簡単に離婚することができる点があげられます。しかし,協議離婚というだけあって,当事者双方が離婚することに合意していない場合には協議離婚は一切認められないという点はデメリットといえるでしょう。したがって,相手方配偶者が頑なに離婚しないという意向が強い場合には協議を続けても離婚が成立する必要は高いとはいえないので,調停離婚,裁判離婚に移行するのが一般的です。

 協議離婚をすすめる際の注意点としては,当事者同士だけで協議をすすめようとすると,お互い感情的になってしまい,協議が進まない場合や,相手から一方的に言われるがままに進めてしまい,自分に不利な内容のまま離婚が成立してしまう可能性があります。離婚する際に一度決めたことを後々になかったことにしたり,覆したりすることは基本的にできません。安易に向こうからの提案に応じてしまうと取り返しがつかないことになってしまいます。また,離婚届以外に離婚協議書等を作成しておかないと,養育費や財産分与,お子さんとの面会交流などの離婚に付随する条件について,離婚後もトラブルに発展してしまう可能性があるので注意が必要です。
協議離婚の段階からであっても弁護士を代理人として入れることにより,相手方と感情的になることなくスムーズに協議を進めることが可能になるだけでなく,こちらに有利もしくは,不利にならないように協議を進めていくことが可能になります。

また,既に離婚の条件については問題なく合意に至っている場合であっても,法的に問題がない,離婚協議書を作成するためには,専門家である弁護士に相談し,協議書の作成を依頼することが必要です(離婚協議書については別の機会に改めてご説明させていただきます。)。
協議離婚を考えられている方は,是非一度,弁護士に離婚に至る経緯や希望する離婚の条件などをご相談ください。

2017.12.06

協議離婚について

協議離婚について

<ご相談者様からのご質問>

  協議離婚とはどのようなものですか,離婚するためには何が必要になりますか。

 <弁護士からの回答>

  日本では離婚の約90%が協議離婚により成立します。したがって,現在離婚を考えられている方のほとんどが協議離婚による離婚を進めていく形になります。本日は,協議離婚するための方法についてご説明させていただきます。

  民法では,「夫婦は,その協議で離婚をすることができる。」と規定されています(763条)。このように,裁判所を使うことなく,協議(話し合い)により離婚することを協議離婚といいます。当事者が離婚することに合意をした場合には,離婚届けを作成します。

 

離婚届には夫婦それぞれの署名押印を行い,本籍地等の必要事項を記載するとともに,証人2名(法律上制限はありません。どなたでもなれます。)にも署名押印をしてもらう必要があります。離婚届が作成し終えたら,役場に離婚届を持参して提出し,役場にて離婚届が受理されれば離婚が成立することになります。
 

 また,ご夫婦の間に未成年者のお子様がいらっしゃる場合には,お子様の親権者を父か母のいずれかにすることについても夫婦間で話し合い,離婚届に記入する必要があります。したがって,離婚すること自体は合意に至っているものの,お子さんの親権者について父と母どちらにするかについて,まだ話がまとまっていない段階では,協議離婚は認められません。
 このように,未成年者のお子さんがいらっしゃる場合には親権者を決める必要がありますが,それ以外の条件(養育費,面会交流,財産分与等)については,離婚するだけであれば,夫婦間で合意している必要はありません。
 ご相談者様の中にはとにかく離婚したいという思いが強く,とりあえず離婚届だけますは書いてもらってあとのことについてはその後話し合えばいいと考えられている方もいらっしゃいます。

このようなお考えが決して正しくないということではありませんが,一般的に離婚の諸条件について離婚する際に取り決めをしておかないと,後々深刻なトラブルに巻き込まれてしまう可能性が高いです。今回は話が長くなってしまったので,次回に協議離婚のメリットやデメリットや注意点をお話させていただきます。

2017.12.04

離婚とは

離婚とは

<ご相談者様からのご質問>

夫との離婚を考えていますが,離婚をするためには,何をすればいいのかわかりません。離婚するにはどのような進め方があるのでしょうか。

<弁護士からの回答>

当事務所にも,離婚するために何をすればいいのかわからないと言ってご相談に来られる方は少なくありません。そこで,本日は,離婚するための方法からご説明いたします。

離婚するための方法としては,大きく分けると①協議離婚,②調停離婚,③裁判離婚という3つの方法があります(厳密にいうと④審判離婚という方法もあるのですが,審判離婚により離婚が成立するケースはほとんどありません。)。
どの方法を選択したとしても,最終的に離婚が成立しそれに伴う身分関係の変更等の法的効果が発生することに変わりはありません(離婚が成立した際の法的効果については,別の機会にご説明させていただきます)。

しかし,どの方法を選択するかにより,当事者のみで離婚が成立するのか(裁判所を利用せずに離婚が成立するのか),離婚が成立するまでの時間がどのくらいかかるのかといった点で大きく異なってきます。そして,それに伴い,各方法にはそれぞれメリットとデメリットが存在するため,どの方法を選択するのかということは非常に重要になってきます。

また,どの手続きにより離婚を進めるべきかという判断は,一律にマニュアル化しているわけではありません。ご相談者様の経済状況,お子さんの有無,親族との関係,相手方との同居の有無,相手方に離婚したい旨伝えているか,相手方が離婚に応じているか否か,相手方との感情的な対立関係が深刻化していないか等,ご依頼者様がおかれている状況に応じて,最適な手段を模索していく必要があります。

ご質問されている方のように,そもそも,どうやって離婚を進めていくかについても悩んでいる方の場合には,まずは,離婚を考えられるに至った経緯や現在の状況についてお気軽にご相談ください。お話を聞きながら,最適な手段を一緒に考えていければと考えております。
以後のブログでは,離婚するための各方法について,それぞれの特徴や,メリット,デメリット等をご説明させていただきます。

2017.12.01

離婚問題について

離婚問題について

昨今は,結婚した夫婦の3組に1組が離婚するという時代になっており,一度結婚して家族になったとしても,様々な理由・経緯により離婚という道を選ぶ方がとても増えています。

結婚する際には,婚姻届を作成し,提出するだけで夫婦としての身分関係が成立しますが,離婚するとなると,結婚するときのように簡単に物事が進むとは限りません。

そもそも,相手方が離婚に応じないというケースも少なからず存在します。
また,相手方が離婚には応じたとしても,未成年のお子さんの親権者について夫婦間で争い,親権者がようやく決まったと思ったら,今度は,養育費,面会交流について意見がまとまらない。
お子さんがいない夫婦でも,慰謝料を払う,払わないで揉め,これまでためていた貯金,生命保険,自動車,不動産はどう分けるのか,年金はどうなるのか・・・・・

このように,離婚となると結婚するときと異なり,単に離婚届を作成してすべて解決というケースはほとんどなく,離婚に付随する様々な問題を解決していく必要があります。

このブログを読まれている方の中には,既に離婚することを決意されている方,離婚するかどうか迷われている方,配偶者より離婚したいと言われたばかりの方,家庭裁判所から書類が届いてどうしたらいいか分からない方等様々であると思いますが,少なくとも離婚という人生が大きく変わる場面に直面されているのだと思います。

このブログでは,家事事件に関して九州トップクラスの相談件数・取扱件数を有する当事務所の弁護士として,皆様からの疑問に答えつつ,離婚にまつわる問題や具体的な手続きの流れを説明し,離婚という場面に直面されている皆様にとって,道標となり,新しい人生のスタートをお手伝いできればと考えております。

2017.11.06

弁護士コラム

弁護士コラムを随時更新していきます。

2017.05.01

【交通事故】交通事故の治療から治療費等の支払いまでの流れ

交通事故に遭ってしまった場合、幸運にも怪我をしなければいいのですが、必ずしも無傷で済む訳ではありません。たとえ軽い衝撃だと思っていても、次第に痛み出すということもあります。このように交通事故と怪我は切っても切り離せない関係にあります。
このように怪我が問題になるということは当然その治療も問題になってきます。交通事故での治療は保険とも密接に関係してきますので、治療から治療費等の支払いまでの流れを勉強しておきましょう。

1 交通事故後の治療の流れ

(1) 交通事故に遭ったら病院に行こう!

先程も申しましたように、交通事故にあった直後は、軽い衝撃しか感じておらず痛みを感じないことも少なくありませんが、後々、かなりの痛みやそれに伴う支障が出てくることもよくあります。
このようなおそれもあるため、交通事故に遭ったらすぐに病院に行くようにしましょう。もし受診が遅くなってしまうと、後遺症が残りやすくなるだけではなく、治療費の支払との関係でも問題になってしまうかもしれません。

すなわち、交通事故から時間が経過して病院に行った場合、その怪我が本当に交通事故による怪我なのか断定することが出来なくなってしまうことがあるのです。このように交通事故による怪我か分からないような場合ですと、交通事故による怪我ではないとして、保険会社による支払いを受けることが出来なくなってしまうおそれがあるのです。

念のため、一度、病院に行くようにしましょう。
なお、最初から病院ではなく、整骨院に行く人もいらっしゃいますが、認められない場合もありますので、まずは病院(整形外科等)に行くようにしましょう。(整骨院は医師がいるわけではないので、「通院」と認められないことがあります。)

(2) 治療費について

病院に行くとどうしても治療費がかかってきます。交通事故による怪我のための治療費は、健康保険が使えないことはほとんどありませんのでご安心ください。むしろ保険診療が可能なのに健康保険を使用しないことで加害者との示談でもめてしまうこともありますので、特別な理由がない限り、健康保険を使うようにしましょう。

そして、その際の治療費については、①被害者が一旦自分で立て替えて支払い、後日加害者の保険会社に請求する場合と、②被害者は治療費を支払わず、加害者の保険会社が直接病院に支払ってくれる場合(「一括払いの対応」と言われています。)があります。
なお、一括払いの対応は、あくまでサービスとして行われているものなので、一括払いの対応がなされるかどうかは、怪我の程度や治療期間によって変わります。

(3)治療期間について

交通事故の怪我の治療をいつまで続けるべきなのかは、怪我の部位・程度によって個別に変わってくるものであり、実際に治療をしてくれている医師の判断によることになります。ただ、例えば交通事故の相談で一番多い「むち打ち症」では一般に3~6か月程度で治癒することが多いと言われており、ある程度治療が長期化すると、保険会社の担当者から「そろそろ治療を打ち切って後遺障害診断書をとってください」と言われます。

このように言われたとしても、もう病院に行けないと言うことではなく、医師と相談して治療を続けるべきか決めてください。注意してほしいのは、ここで保険会社の言うとおりに後遺障害診断書をとってしまうと、原則としてそこに記載されている「症状固定」日以降の治療費は支払われないということです。もしまだ痛みが残っているのであれば、安易に後遺障害診断書をとらないようにしましょう。

先程「症状固定」というあまり聞きなれない言葉が出てきましたね。それでは、この「症状固定」についてお話ししていきたいと思います。

2 症状固定したらどうすればいいの?-後遺障害等級の流れ

(1) 症状固定ってなあに?

まず、「症状固定」とは医学的な用語ではありません。医師の世界では「治ったか、治っていないか」が問題になりますが、「症状固定」は損害賠償との関係で「これ以上は医学的に治らないが、治らないことを損害として評価して決着をつける」ための概念になります。そのため、この「治らないことを損害として評価できる」時点を症状固定時期と言います。要するに、これ以上治療を継続しても改善しない時点です。

(2) 後遺障害等級認定の流れ

「治らないことを損害として評価できる」時点、すなわち症状固定にあると医師が診断したら、その時点で被害者の体に残っている損害について、交通事故による後遺障害として認められるものかどうか、第三者機関に審査してもらうことになります。この審査を、後遺障害等級認定といいます。

後遺障害等級認定の申請方法には、被害者自ら行う被害者請求と、任意一括払いをしている場合に加害者の加入する任意保険会社が行う事前認定があります。事前認定では、保険会社が代わりに行ってくれますので、以下では被害者請求の方法について詳述します。

ア まずは後遺障害診断書の作成

後遺障害等級認定の手続きを行うには、まず、医師に後遺障害診断書を作成してもらうことになります。先程も申しましたように、後遺障害診断書の作成にあたってはしっかり医師と相談するようにして下さい。

イ 診療報酬明細書など必要書類の収集

この「後遺障害診断書」に加えて、これまで受けてきた治療に関する資料(診療報酬明細書や診断書)、交通事故の状況に関する資料(交通事故証明書や事故発生状況報告書)、請求者の印鑑証明書など審査資料として必要な書類を集めます。
ここで上手く書類を集めることが出来れば、事前認定の場合よりもよい後遺障害等級認定を受けることも出来ます。保険会社は被害者に対して悪意を持って、不当な申請手続をしている訳ではありませんが、被害者自身が納得できるほど一生懸命な対応をしてくれていない可能性はあります。

ウ 自賠責調査事務所による審査

上で集めた必要書類を、加害者の自賠責保険に直接提出することによって、後遺障害等級認定を受けることが出来ます。審査にかかる時間は、怪我の程度によって変わりますが、通常、1~2か月で結果の通知がなされることが多いです。

3 いよいよ保険会社との示談交渉!

後遺障害等級認定の結果の通知が来たら、その結果に基づいて、加害者の保険会社と示談交渉を始めることになります。
しかし、加害者の加入する保険会社が、被害者側から請求した金額をすんなり支払ってくれることは多くありません。
慰謝料の金額、過失割合などがよく問題になります。慰謝料は、精神的な苦痛を填補するためのものですから、具体的にいくらであると客観的に明確ではありません。また、過失割合は、被害者と加害者の言い分が食い違っている場合等に、被害者にどの程度過失があったかが問題になります。

このように損害額や過失割合等について加害者の加入する保険会社との間で交渉を進め、双方が合意できれば、示談成立となり、加害者の加入する保険会社から賠償金を支払ってもらうことになります。

示談書(承諾書、免責証書など名称が違うこともあります。)が提示されたらサインをする前に、一度、弁護士にご相談下さい。治療期間、治療日数、休業日数や収入額などから、賠償額が適正な金額であるか、提示された金額で示談すべきかなど妥当かを判断してもらいましょう。
一般的に、弁護士が介入していない場合、弁護士が介入することで通院慰謝料が増額されることが多いです。

4 保険会社と示談できなければ裁判になる

加害者の加入する保険会社との間で示談交渉を続けても、どうしてもお互いの言い分が食い違い、残念ながら示談がまとまらないこともあります。
そのような場合、財団法人交通事故紛争処理センターなどを利用したり、裁判所で加害者本人を相手方として、調停や訴訟をすることになります。

5 まとめ

今まで見てきましたように交通事故から治療の終了、解決までかなりの期間がかかってしまうことになります。
ご相談を受けていての感覚ですが、ほとんどの方が弁護士に相談されるのは保険会社との示談の段階になって希望した金額がもらえないことが判明してからになります。
弁護士に相談して頂ければ、この時点からでも増額交渉が可能ではありますが、この段階では集められる証拠も限られてしまっており、もっと早期に相談してくれていれば「もっと増額できたのに…!」と思うことも少なくありません。
ですので、保険会社の対応に不満を少しでもお持ちでしたらすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

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