2回目の自己破産はできる?免責から7年以内のケースや免責不許可事由への対処法を弁護士がわかりやすく解説

過去に自己破産を経験している方が、再び借金問題を抱えると、「自己破産を2回することはできないのではないか」と考えるかもしれません。法律上は2回目の自己破産の申立て自体が禁止されているわけではありません。ただし、前回の免責からの経過年数や、今回借金が増えた事情によって裁判所の判断は変わる可能性があります。
第1章 2回目の自己破産は法律で禁止されているのか
1-1 回数制限自体は法律に定められていない
自己破産の手続きを定めた「破産法」という法律には、回数の制限を設ける規定は存在しません。そのため、論理的には2回目、あるいは3回目であっても、支払不能の状態(債務を継続的に返済できない状態)にあれば、破産の手続きを申し立てること自体は可能です。
実際、病気による長期の療養や失業、あるいは予期せぬ経済情勢の変化など、一度目の破産後、生活の立て直しを図っていたにもかかわらず、本人の責任とは言い切れない事情で再び困窮してしまうケースはあります。
1-2 免責が受けられるかどうかが焦点
ここで重要なのは、「破産手続の開始」と「免責(借金をゼロにすること)の許可」は別物であるという点です。自己破産をする最大の目的は、裁判所に免責を認めてもらうことですが、2回目以降の破産においては、この免責のハードルが1回目よりも高くなる傾向にあります。
裁判所としては、一度借金をリセットされたにもかかわらず、短期間で再び同じ状態に陥った人に対して、安易に免責を許可するわけにはいかないからです。破産は、債権者(貸主)の犠牲の上に成り立つ制度であることを踏まえ、慎重に審査が行われることになります。
第2章 二度目の免責を受けるための「7年ルール」の仕組み
2-1 前回の免責確定から7年経過している場合
破産法252条1項10号には、前回の免責許可の決定から7年以内に再度の免責申立てがあった場合、原則として免責を許可しないという趣旨の規定があります。これを実務では俗に「7年ルール」と呼びます。
7年という月日は、一般的な生活再建を目指す上で十分な期間と考えられており、前回の破産から長期間経過している場合は、1回目と大きく変わらない条件で審査が進むこともあります。
2-2 7年経過していない場合に立ちはだかる「免責不許可事由」
前回の免責から7年が経過していない段階で再度の免責を申し立てる場合、それは法律上の「免責不許可事由」に該当し、裁判所に免責を認められない可能性があります。
もっとも、法律が一律に免責を認めないとしているわけではなく、特別な事情があれば、7年以内であっても免責を認める例外規定を設けています。この「例外」をどう認めてもらうかが焦点といえます。
2-3 期間の計算における注意点と確定日の確認方法
7年を数える起算日は、前回の破産手続きにおいて免責許可の決定が確定した日です。具体的には、裁判所が免責を認める決定を出し、その後、官報に掲載されてから約2週間が経過し、法的に異議を申し立てることができない状態になった日が「確定日」です。免責決定が出てから数週間後に確定するため、自分の記憶よりも数か月単位で期間がずれている場合があります。
正確な日付を確認するには、前回の破産事件の決定書を見返すか、紛失している場合は管轄の裁判所から事件番号を特定して確認する必要があります。
第3章 前回の免責から7年以内でも借金を解決できる可能性
3-1 裁判所の裁量によって免責が認められる「裁量免責」
たとえ7年以内であっても、裁判所が、再び免責を与えて再出発させるのが適切と判断した場合は免責が認められることがあります。これを「裁量免責」と呼びます。
実務上、2回目の破産であっても、誠実に手続きに協力し、現在の経済状況に陥ったことに合理的な理由があれば、裁量免責が得られる可能性はあります。
3-2 裁量免責を得るために必要な「やむを得ない事情」の具体例
裁判所が裁量免責を検討する際、重要視されるのが再び多額の負債を抱えた理由です。例えば以下のような事情は、考慮の対象となりやすい傾向にあります。
• 自身の非がない形での失業や、予期せぬ解雇
• 家族の介護や医療費のために借り入れざるを得なかった
• 災害などの不可抗力によって生活基盤を失った
このように、本人の努力だけでは回避が困難な社会的・身体的理由が負債の主な原因である場合には、前回の破産から短期間での破産申立てであっても救済の余地が広がる可能性があります。
第4章 2回目の自己破産で評価される4つのポイント
4-1 前回の破産後に生活を立て直そうとする努力があったか
裁判所は、前回の破産から今回に至るまでの生活状況や経緯を確認します。破産直後から返済能力を超える借り入れを再開していないか、安定した収入を得る努力をしていたか、といった点です。
前回の自己破産で借金を整理する機会を得た後、どのように生活を立て直そうとしていたのかは、裁判所の判断材料の一つになります。
4-2 今回の借金が増えた直接的な原因は何か
借金が増えた理由も重要なポイントです。病気や失業、事業の失敗など本人の努力だけでは避けられない事情による場合と、浪費や過度な支出による場合とでは、裁判所の見方は大きく変わります。
2回目の破産では、借入れの経緯や生活状況について、より具体的な説明が求められることが多くなります。
4-3 浪費・ギャンブル・換金行為など免責不許可事由の有無
ギャンブルや過度な浪費、またクレジットカードで購入した商品をすぐに売却して現金化する行為(いわゆる換金行為)なども法律上の「免責不許可事由」とされています。
これらの事情があっても裁判所の判断によって免責が認められる(裁量免責)場合もありますが、2回目の破産ではより慎重に判断される傾向があります。
4-4 家計資料や通帳の動きから見える誠実性と不自然な点の有無
2回目の破産手続では、裁判所に提出する資料の内容も丁寧に確認されます。通帳の不自然な入出金、特定の人への優先的な返済、財産の隠匿などがないかがチェックされます。
破産手続では、財産や借入れの状況を正確に申告することが前提となるため、資料の整合性や説明の誠実さも重要な判断材料になります。
第5章 2回目の自己破産特有のデメリット
5-1 原則として管財事件となり費用が発生する
自己破産には、比較的簡易な「同時廃止」と、破産管財人が選任される「管財事件」の2種類があります。
1回目の破産で目立った財産や問題がなければ同時廃止で済むことが多いですが、2回目の破産は、その経緯を精査する必要があるため、原則として管財事件となります。
管財事件になると、裁判所に納める予納金(少なくとも20万円程度)が必要となり、金銭的な負担が増えます。
5-2 破産管財人による調査が1回目よりも詳細かつ慎重に行われる
管財事件になると、裁判所から選ばれた弁護士(破産管財人)が、あなたの家計状況や財産を徹底的に調査します。
数か月間にわたり、管財人と定期的に面談を行い、通帳の内容や生活状況について細かく回答しなければなりません。こうした手続きは精神的にも時間的にも大きな負担となりますが、管財人の業務に対して誠実に協力することが免責許可を得るための重要なポイントとなります。
第6章 自己破産が難しい場合に検討すべき代替案
6-1 借金の元本を減額できる可能性がある「個人再生」
2回目の自己破産で免責許可が得られそうにない場合に検討されるのが個人再生です。
借金をゼロにはできませんが、元本を圧縮し、それを数年かけて返済する計画を裁判所に認めてもらう手続きです。
自己破産のような7年ルールの制約が緩く(一部の形式を除く)、住宅ローンがある場合には自宅を維持できる可能性がある点もメリットといえます。
6-2 将来利息をカットして無理のない返済を目指す「任意整理」
裁判所を通さず、各債権者と個別に交渉して将来の利息を免除してもらう手続きです。
借金の元本自体は減りませんが、返済の負担を減らし、完済までの道筋を立てることができます。官報に名前が載らないため、周囲に知られるリスクを抑えたい場合に適していますが、安定した収入があることが条件となります。
第7章 【FAQ】2回目の自己破産に関するよくある質問
Q1. 前回の自己破産と同じ弁護士に依頼しなければなりませんか?
A1. いいえ、別の弁護士に依頼しても問題ありません。
前回の破産手続きを担当した弁護士である必要はなく、ご自身が信頼できると感じる弁護士を自由に選ぶことができます。むしろ、前回の経緯を客観的に分析してもらうために、別の視点を持つ専門家へ相談することも一つの選択肢です。前回の事件番号や当時の書類が残っている場合は、どこの法律事務所に依頼するにせよ、それらの資料を共有することで手続きがスムーズに進みます。
Q2. 2回目の自己破産をすると、ブラックリストの期間は延びますか?
A2. 前回の登録期間とは無関係に、新たに一定期間登録されます。
いわゆるブラックリスト(信用情報機関への事故情報登録)の期間が、2回目だからといって加算されて長くなるというルールはありません。前回の破産から時間が経ち、一度情報が白紙に戻っていたとしても、今回の破産によって再度登録が行われるため、その期間は新たな借り入れやクレジットカードの作成が制限されます。
Q3. 家族に内緒で2回目の自己破産を進めることは可能ですか?
A3. 同居のご家族がいる場合、完全に隠し通すのは困難といえます。
2回目の破産は管財事件となる可能性が高く、家計全体の収支を証明するために同居家族の給与明細や通帳の写しの提出を求められることが一般的です。また、裁判所や管財人からの郵送物や、財産状況の調査の過程で家族の協力が必要になる場面も多くあります。無理に隠し続けることは手続き上のリスク(不誠実と見なされる等)にもつながるため、弁護士と相談の上で、適切な説明のタイミングを検討することをお勧めします。
Q4. 前回の破産時に免責されなかった借金は、今回まとめて整理できますか?
A4. いいえ、前回の免責対象外となった債務は原則として免責されません。
自己破産では、すべての借金が免責されるわけではありません。税金や養育費、婚姻費用など、生活を支えるための支払い義務は法律上、非免責債権とされ、破産をしても支払い義務が残ります。今回の破産で免責の対象となるのは、原則として前回の破産確定の後に新たに借り入れなどによって生じた負債が中心となります。
第8章 一人で悩まずに再出発への道を探しましょう
2回目の自己破産は、1回目よりも法的なハードルが高く、裁判所の審査も厳しくなる傾向があります。しかし、事情を整理し誠実に対応することで、法的な解決の道が見つかります。後悔や話しづらさから現状を放置し、給与の差し押さえなどの取り返しのつかない状況になる前に専門家に相談することが大切です。
私たちNexill&Partners(ネクシル&パートナーズ)グループは、弁護士だけでなく、社会保険労務士や税理士、司法書士、行政書士が一体となったワンストップ体制を整えています。単に借金を整理するだけでなく、その後の生活基盤を整えるための幅広いサポートを提供することが可能です。債務整理でお悩みの方はご相談ください。
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借金の返済が難しくなった場合、問題を法的に整理して、生活を立て直す方法が債務整理です。消費者金融やクレジットカード会社など複数にまたがる借入がある場合、返済日や金利がそれぞれ異なり、返済総額や利息負担の全体像を把握しづらくなります。そうしたケースで選択肢となるのが「任意整理」です。任意整理は、弁護士が債権者と直接交渉し、将来の利息をカットするなどして返済計画を見直す手続きです。本記事では、複数社からの借入がある場合に、債務整理を進める際のポイントを弁護士が分かりやすく解説します。
1-1 任意整理とは何か―裁判所を使わない債務整理の仕組み
借金を整理する「債務整理」には、主に自己破産、個人再生、任意整理の3つの種類があります。その中でも、実務において最も多く選択されている手続きが「任意整理」です。
任意整理とは、裁判所を通さずに弁護士が債権者(貸金業者やカード会社)と直接交渉し、将来発生する利息をカットしてもらった上で、元金と合意するまでの利息を3年〜5年程度の長期分割で返済していく仕組みです。
裁判所を介する法的な強制力ではなく、あくまで任意の合意に基づくもので、特定の業者を選んで整理することもできます。
裁判所の統計に記録が残る自己破産や個人再生に対し、裁判所を通さない任意整理は、信用情報機関の統計や各弁護士会等の推計によると年間数十万件規模で活用されていると見られています。裁判所を通さないため、書類の準備が比較的簡便で、官報(国が発行する機関紙)に名前が載ることもなく、債務解決策として最初に選択されやすい手段となっています。
1-2 複数の債権者がいる場合でも対応できるのか
借入先が3社、5社と複数ある多重債務の状態でも、債務整理(任意整理)を進めることはもちろん可能です。むしろ、借入先が多い方ほど、各社の利息負担や振込手数料、返済日の管理コストが積み重なっているため、整理による恩恵をより強く実感できる傾向にあります。
任意整理においては、全ての業者を一括して整理の対象にすることもできますし、後述するように特定の業者に絞って手続きを行うことも可能です。実務上は、家計状況を慎重に分析し、全ての借入を完済できるような返済計画を立てるために、基本的には利息の高い業者をまとめて整理する方向で検討します。
「借入先が多すぎて断られるのではないか」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、債権者の数自体が直ちに手続きの可否を左右するわけではありません。大切なのは、複数の業者に支払っている現在の総額を、交渉によって「いくらまで抑えられるか」を見極めることです。
1-3 「自己破産」や「個人再生」との違い
複数社の借金を解決するにあたり、任意整理以外の法的手段(自己破産・個人再生)との違いを正しく理解しておくことは、納得のいく選択をするために必要です。
自己破産とは
自己破産は、裁判所から免責許可を得ることで、全ての借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。収入がなく、元金の分割返済すら困難な場合の救済策になり得ますが、一定以上の財産(不動産や高額な車など)を手放す必要があり、全ての債権者を対象にしなければならないという制約があります。
個人再生とは
個人再生は、裁判所に申し立てを行い、借金総額を原則5分の1程度(最低100万円)まで大幅に減額してもらう手続きです。住宅ローンを守りつつ他の借金を圧縮できるメリットがありますが、官報への掲載や必要書類の作成、履行テスト(積立訓練)を伴います。
自己破産・個人再生に対し任意整理は、借金の元金自体を大きく減らすことは難しいものの、将来利息をカットし、裁判所を介さず解決できる点が特徴です。無理のない範囲で元金を完済していく意思がある方にとって生活への影響を抑えた解決手段と言えるでしょう。
第2章 複数社の借入を任意整理するメリットと注意点
2-1 督促はどの段階で止まるのか
複数社から借入がある場合、各社から交互に届く督促の連絡が大きな精神的負担となります。任意整理を弁護士に依頼すると、弁護士は速やかに各債権者へ「受任通知(弁護士が窓口になったことを知らせる通知)」を送付します。
貸金業法等の規定により、この通知を受け取った債権者は、債務者本人に対して電話や訪問、郵便による直接の督促を行うことが禁じられます。実務上は、弁護士が受任通知を発送してから数日以内には、ほぼ全ての督促が止まることになります。
これにより、日々の返済や督促に追われることなく、冷静に今後の生活再建を考えられる環境を整えることができます。
2-2 返済額や利息はどの程度見直されるのか
任意整理の主な目的は、将来発生する予定の利息を免除してもらい、元金及び合意時点までの利息の合計を分割で支払っていくことにあります。
消費者金融やクレジットカードのキャッシングの多くは年15%〜18%程度の高い利息設定となっていますが、任意整理の交渉が成立すれば、この利息が0%となる形で和解できるケースが多く見られます。
例えば、3社合計で200万円の借入があり、平均年利15%で返済している場合、利息だけで年間約30万円を支払っている計算になります。任意整理によって将来利息がカットされ、60回の分割払いで和解できれば、月々の支払額は約3万3,000円に固定され、支払った全額が元金の返済に充てられるようになります。
このように、返済の終わりが見通しやすくなる点が任意整理の大きな利点といえます。
2-3 信用情報への登録と生活への影響
任意整理を行うと、信用情報機関にその事実が登録されます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」と呼ばれる状態です。登録期間は一般的に完済から5年程度とされており、この期間中は以下の点に留意する必要があります。
任意整理を行った場合の具体的影響
- 新たな借入(ローン、キャッシング)の審査が通りにくくなる
- クレジットカードの新規発行や、既存カードの更新・利用ができなくなる
- 分割払いによる商品の購入(携帯電話端末など)が制限される可能性がある
一方で、銀行口座の利用や給与の受け取り、賃貸マンションの契約(家賃保証会社が信販系でない場合)など、日常生活の多くには直接の影響は生じにくいです。
2-4 家族や職場に知られる可能性はあるか
「債務整理をすると周囲に知られてしまうのではないか」という懸念を多くの方が抱かれますが、任意整理は他の手続きと比べても、そのリスクを低く抑えることができます。裁判所を介さないため、自宅に裁判所からの書類が届くことはなく、官報に名前が載ることもありません。
家族に知られないための対策としては、例えば、弁護士からの郵送物を個人名で送る、あるいは連絡方法を本人の携帯電話のみに限定するといった実務的な配慮が考えられます。職場についても、勤務先から直接借入をしている場合を除き、弁護士が職場に連絡することはないため、通常は知られることはありません。
債務について何も対策せず、債権者からの督促を長期間放置していると、債権者が裁判(訴訟や支払督促)を起こすことがあります。裁判手続きを経て給料の差し押さえが実行されると、勤務先に裁判所から通知が届くため、借金の存在を知られることになります。こうした事態を防ぐためにも、裁判を起こされる前の「早めの対応」が重要となります。
第3章 任意整理の実務フロー―相談から和解成立まで
3-1 相談時に弁護士が確認する借入状況と収支のポイント
任意整理の第一歩は、弁護士による現状の正確なヒアリングから始まります。
特に複数社から借入がある場合、どこにいくら返しているのか、ご本人でも正確に把握できていないケースが少なくありません。そのため、まずは以下の3点を中心に確認を行います。
借入先と残高
どこのカード会社・消費者金融から、現在いくらずつ借りているか
取引の期間
いつ頃から借入を始めたか(古い取引の場合、過払い金が発生している可能性があるため)
家計の収支状況
月々の手取り収入と、家賃・食費・光熱費などの固定費を除いて、無理なく返済に回せる金額はいくらか
これらの情報は、後に各債権者と和解交渉を行う際の返済計画の基礎となります。手元にカードや利用明細がなくても、業者名さえ分かれば手続きは進められるので、まずは記憶にある範囲でありのままを伝えることが大切です。
3-2 受任通知による督促停止と引き直し計算による正しい債務額の確定
依頼を受けた弁護士は、速やかに全ての債権者へ受任通知を送付します。第2章で触れた通り、これにより督促が止まり、和解成立まで返済が一時的に止まるのが通常です。
同時に、弁護士は債権者に対して、これまでの全ての貸し借りの記録である取引履歴の開示を求めます。この履歴を利息制限法に基づき再計算(引き直し計算)することで、法律上の正確な残高を確定させます。
債権者から履歴を取り寄せて精査するため、この債務額の確定までには、通常1ヶ月から3ヶ月程度の期間を要します。この期間を利用して、生活の立て直しや和解後の返済準備を行うケースが多いです。
3-3 将来利息のカットと分割回数を決めるための債権者との和解交渉
正確な債務額が確定した後、弁護士は各債権者と個別に交渉を開始し、主に以下の2点について合意を目指します。
将来利息のカット
和解成立後、完済までに発生する予定の利息を全て免除してもらう交渉です。
分割回数の設定
残った元金を何回払いで返済するかを決めます。実務上は60回(5年)を一つの目安としますが、債権者によっては36回(3年)までしか認めないなど、業者ごとに対応が異なる場合があります。
複数社ある場合、準備が整った業者から順次和解書(合意書)を取り交わしていく場合と、全ての業者と同時に和解が成立させる場合があり、どちらを取るかは各債権者との合意内容よって異なります。
第4章 任意整理のデメリットと見落としがちなリスク
4-1 保証人がいる借入を整理対象から外すべき理由とリスク
複数社の中に、親族や知人が保証人・連帯保証人になっている借入がある場合、その業者を任意整理の対象に含めるかどうかは慎重に判断しなければなりません。
任意整理の交渉を開始(受任通知を送付)すると、債権者は主債務者(本人)への督促を止める代わりに、保証人に対して残金の一括返済を請求するためです。これは法律上の当然の権利として行われるため、事前に相談なく手続きを進めると、保証人に多大な経済的負担と精神的なショックを与えることになります。
そのため実務では、その業者だけを任意整理の対象から外す選択を検討することが多いです。
4-2 銀行口座の凍結やクレジットカード強制解約への備え
銀行からの借入(カードローンなど)を任意整理の対象にする場合、その銀行の口座が一時的に凍結されるというデメリットがあります。銀行は貸し倒れを防ぐため、口座にある預金と借金を相殺(差し引き)し、入出金を一切できない状態にします。
この際、給与振込口座や公共料金の引き落とし口座が凍結されると、生活に支障をきたすため、受任通知を送る前に振込先の変更や残高の引き出しを確実に行わなければなりません。
また、整理対象にしなかったクレジットカードであっても、他社を任意整理した情報が信用情報機関に登録されると、カード会社が行う定期的な審査(途上与信)によって、いずれ強制解約となる可能性がある点にも留意が必要です。
第5章 任意整理での解決が困難な状況と、その際の次なる選択肢
5-1 家計収支から見た返済原資が不足している場合
任意整理は、あくまで「元金を分割して完済すること」を前提とした手続きです。そのため、家計の見直しを行っても、元金の分割払いに充てる返済原資(月々の収入から家賃・食費・光熱費などの固定費を除いて返済に回せる余剰金)が不足している場合には、任意整理を成立させることが難しくなります。
実務上の目安としては、借金の総額を60回(5年)で割った金額を、毎月の余剰金が下回っている場合、和解案が債権者に受け入れられない可能性が高まります。このようなケースでは、無理に任意整理を強行しても、再延滞によって事態が悪化するリスクがあります。
対応策としては、借金自体を大幅に圧縮する「個人再生」や、返済義務を免除してもらう「自己破産」への切り替えを、早期に検討することが現実的な解決策となり得ます。
5-2 特定の債権者による延滞が長期化している場合
複数社からの借入のうち、すでに数ヶ月以上にわたって延滞が続いている業者がある場合、任意整理の交渉は通常よりも厳しくなります。延滞が長期化すると、債権者側で一括返済を求めるという方針が固まってしまったり、将来利息のカットに応じないといった強硬な姿勢をとられたりすることがあるためです。
また、一部の債権者によってすでに債権が保証会社に代位弁済(肩代わり)されていたり、債権回収会社(サービサー)に譲渡されていたりする場合も、交渉条件が厳格化する傾向にあります。こうした状況では早期の対応が重要です。
5-3 訴訟提起や給料の差し押さえが迫っている場合
債権者からの督促を放置し続けたことにより、債権者が訴訟を起こした場合、裁判所から訴状や支払督促が届きます。これをさらに放置すると、債権者は確定判決等を得て、給料や預金口座の差し押さえ(強制執行)に踏み切る可能性があります。
この段階まできてしまうと、通常の任意整理の交渉だけでは対応が難しいケースがあります。対応策としては、弁護士が速やかに受任通知を送付すると同時に、裁判手続きの中で和解(訴訟上の和解)を目指す交渉を行います。それでも緊急性が高い場合は、民事再生(個人再生)などの法的整理を申し立てて、強制執行の中止・停止を求める等の法的手段を講じる必要があります。
第6章 複数社からの借入を解決するために
複数社から借入がある多重債務の状態は、単に返済が苦しいだけでなく、利息負担の増大や管理の煩雑さによって、自力での完済が難しくなっている状況といえます。
もし、現在の収入から月々の返済額を捻出するのが困難だと感じているのであれば、まずは私たちNexill&Partners(ネクシル&パートナーズ)那珂川オフィスへ現状をありのままご相談ください。現在の債務額と家計状況を客観的に分析することで、任意整理が可能か、あるいは他の法的整理が必要か、最適な解決策を見出すことができます。一刻も早く専門家の助力を得ることが、生活再建に向けた第一歩となり得ます。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。
破産手続で養育費を払うと偏頗弁済になる?破産申立前後の安全な養育費の支払い方と免責リスクを弁護士がわかりやすく解説

自己破産を準備しているとき、養育費の支払いがあると「払ったら偏頗弁済(へんぱべんさい)になって免責が下りないのでは?」と不安になります。結論として、月々の通常の養育費は直ちに問題になるとは限りませんが、滞納分の一括払い・過大な支払い・支払時期の選び方によっては、否認や免責判断で説明を求められることがあります。
第1章 自己破産における「偏頗弁済」の定義と養育費の特殊性
1-1 なぜ特定の債権者への支払いが制限されるのか
自己破産の手続きには「債権者平等の原則」という大原則があります。これは、限られた債務者の財産を、すべての債権者に公平に配分すべきという考え方です。
この原則に反し、特定の債権者だけに優先的に借金を返す行為を「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と呼びます。破産を考えている人が、知人や親族、あるいは特定の支払いだけを優先してしまうと、他の債権者(銀行やカード会社など)から見れば「自分たちに配当されるはずだった財産が不当に減らされた」ことになります。
そのため、裁判所や破産管財人は、申立前後の支払いを厳しくチェックするのです。悪質な偏頗弁済と評価された場合、破産管財人による否認権行使の対象となるほか、支払の経緯や実態によっては、免責判断の際に不利な事情として考慮される可能性があります。
1-2 生活費としての養育費と、借金の返済の境界線
養育費は、お子さんの生存や健やかな成長を支えるための「身分法上の義務」に基づく費用です。実務上、毎月支払われる適正な額の養育費は、借金の返済というよりも「生活費(扶養義務の履行)」として考えられる傾向があります。そのため、毎月の給与から家賃や食費を支払っても偏頗弁済にならないのと同様に、常識的な範囲内での月々の養育費支払いは、直ちに問題視されることは少ないといえます。
しかし、それが「過去の滞納分をまとめて払う」といった形になると、一転、未払金という債務の優先弁済とみなされやすくなります。
この「生活費としての支払い」か「借金の優先返済」か、という境界線が、免責を得るための重要なポイントとなります。この境界線について、以降、詳しく解説していきます。
第2章 申立前・後で、養育費を支払う際のリスクと注意点
2-1 破産申立「前」:滞納分の一括払いが偏頗弁済とみなされるリスク
破産を決意してから裁判所へ申し立てるまでの間に、未払いになっていた養育費をまとめて支払う行為は、実務上、慎重な判断が求められます。
たとえば、手元にある現金を「どうせ破産で没収されるなら子供のために」と考え、数百万円の滞納分を一気に清算したとします。これは客観的に見れば、他の金融機関などの債権者を差し置いて特定の相手(元配偶者)にだけ多額の利益を与えたことになり、典型的な偏頗弁済と判断される可能性が高いのです。
このような支払いを行うと、後に選任される破産管財人によって、その支払いを取り消して回収する否認権(ひにんけん)が行使されることがあります。行使された場合、支払いの一部または全部について受け取った側(元配偶者)が返還を求められる可能性があります。
2-2 破産申立「後」:申立後に月々の支払いを継続する際のルール
破産の申立後は、自身の財産のうち、裁判所から手元に残すことを許された「自由財産」(原則として現預金合計99万円以下)の範囲内でやりくりをしなければなりません。この範囲内で月々の適正な額の養育費を支払う分には、一般的に「生活に必要な支出」として容認される傾向にあります。
ただし、自分の生活費を極端に削ってまで不相応な額を送り続けたり、本来裁判所に報告すべき財産を隠してそこから支払ったりすることは許されません。申立後の支払いは、あくまで新しく得た収入や自由財産から、無理のない範囲で行うのが大原則です。
第3章 実務上の判断基準:境目となる具体的シチュエーション
3-1 【支払時期】滞納分の一括払いや「先払い」が危険な理由
偏頗弁済かどうかの判断では、「なぜそのタイミングで払ったのか」という時期の選び方が重視されます。滞納分の一括払いは、それがたとえ数ヶ月分であっても、他の借金を止めている時期に行えば特定の相手への優先と取られかねません。また、「将来の養育費の先払い」も免責判断で問題視されやすい行為です。「将来必要になるから今のうちにまとめて渡しておく」という行為は、財産を不当に減少させる行為と評価され、財産隠匿に準ずる事情として免責判断で不利に考慮される可能性があります。
3-2 【支払金額】算定表を超える「過大な支払い」と偏頗弁済
支払っている金額が、適正かどうかも厳しく見られます。実務上の目安となるのは、裁判所が公表している「養育費算定表」です。算定表は法的拘束力を持つものではありませんが、実務上の目安として説明しやすい基準とされており、自身の収入に見合った算定表通りの額であれば、それは「子供のための必要不可欠な費用」として説明がつきやすいといえます。しかし、算定表の基準を大幅に上回る金額を支払っている場合、その超過部分は「他の債権者を害する不当な支出」とみなされるリスクがあります。
3-3 【支払根拠】公正証書や調停調書の有無による「正当性」の違い
養育費の支払いが「義務」なのか「任意の利益供与」なのかを分けるのが、客観的な証拠です。離婚時に執行認諾文言付きの公正証書や調停調書を作成している場合、その支払いは法律上の確定した義務に基づいたものとして、正当性が認められやすくなります。
払わなければ差し押さえを受ける強制力がある状態での支払いは、単なる支払いとは明確に区別されます。
第4章 管財事件・同時廃止それぞれの進め方と報告義務
4-1 管財事件:破産管財人へ支払いの必要性をどう説明すべきか
一定の財産がある場合や、特定の支払い(偏頗弁済の疑い)がある場合は、破産管財人が選任される「管財事件」となります。管財事件では、管財人が通帳を精査し、養育費の送金履歴について質問をします。その際、過去の養育費の支払いについて聞かれた場合には、公正証書などの証拠を示しながら論理的に説明しなければなりません。もし管財人が不適切な支払いだと判断すれば、前述の「否認権」を行使して回収に動くことになります。申立前から弁護士など専門家に相談し、管財人に納得してもらえる説明可能な支出の範囲内に収めておくことが無用なトラブルを防ぐ方法といえます。
4-2 同時廃止:家計収支表の記載と裁判所による免責判断
目立った財産がなく、調査の必要が低いとされる同時廃止手続きであっても、慎重に進めるべきです。裁判所に提出する家計収支表には、養育費の支出を正直に記載しなければなりません。もし他の借金の返済を止めている一方で、多額の養育費が支出として計上されていれば、裁判所から「偏頗弁済による免責不許可事由」を疑われ、管財事件へ移行され、追加の調査や手続きが必要となることもあります。同時廃止でスムーズに手続きを終えるためには、家計の範囲内で常識的な支払いに徹していることを示す必要があります。
第5章 免責リスクを抑えつつお子さんの生活を守るために
自己破産の手続きにおいて、養育費の支払いは「親としての責任」と「法的な誠実さ」の両立が求められる難しい問題です。
お子さんの将来を思えばこそ、まずはあなた自身の経済的な再建を確かなものにしなければなりません。独断で「これくらいなら大丈夫だろう」と判断して支払った結果、免責が認められなくなってしまっては、かえってお子さんへの責任を全うできなくなってしまいます。
養育費の支払いを含む自己破産の判断は、個別の状況によって正解が異なります。養育費の支払いに少しでも不安がある場合は、私たちNexill&Partners(ネクシル&パートナーズ)那珂川オフィスへお気軽にご相談ください。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。
給与の差し押さえを受けていると自己破産にどう影響する?差し押さえが止まるケース・止まらないケースを弁護士がわかりやすく解説

給与の差し押さえを受けていると、自己破産を申し立てれば差し押さえは解消されるのか、勤務先に借金問題や破産の事実が伝わってしまうのではないかなど、さまざまな不安が頭をよぎるものです。自己破産は、借金問題を根本的に解決するための重要な手続ですが、給与差し押さえとの関係を正しく理解していないと、思わぬ不利益を受けてしまう可能性もあります。
第1章 給与差し押さえを受けても自己破産はできるのか
借金の滞納が続き、裁判所から債権差押命令が届いて給与がカットされている状況でも、自己破産を申し立てることは可能です。むしろ、差し押さえを受けている状態こそ、法的整理を検討すべき段階といえます。
1-1 差し押さえ開始後でも自己破産の手続きは可能
すでに給与の差し押さえが始まっていても、自己破産の申立てを制限されることはありません。差し押さえは債権者が個別に回収を行う手続きであるのに対し、自己破産は裁判所を通じて全ての債権を公平に整理する手続きです。そのため、法律上、自己破産の手続きが進むと、原則として個別の回収行為である差し押さえよりも、破産手続きによる全体的な解決が優先されます。
1-2 放置すると完済まで差し押さえが続くリスク
給与の差し押さえを放置した場合、原則として借金(元本、利息、遅延損害金)が完済されるまで、毎月の給与から一定額が引かれ続けることになります。一度差し押さえが始まると、債務者が自力で止めることは難しくなります。
生活再建を果たすためには、差し押さえで手取り額が減らされている現状を解消し、自己破産という抜本的な解決策を選択することで、生活費を確保し家計を正常な状態へ戻すことが有効といえます。
第2章 自己破産で給与差し押さえが止まるタイミングと仕組み
自己破産をすれば、いずれ給与差し押さえは止まりますが、そのタイミングは破産手続きの種類によって異なります。
2-1 「同時廃止」と「管財事件」で止まる時期が異なる
自己破産には、大きく分けて「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。
同時廃止
目立った財産がなく、免責不許可事由(ギャンブル等の事情)がない場合に選択される簡易な手続きです。
管財事件
一定の財産がある場合や、借金の経緯に調査が必要な場合に、裁判所が破産管財人を選任して行う手続きです。
同時廃止・管財事件いずれでも、開始決定後は差押えに影響が出ます。ただし、同時廃止では免責確定まで差押え部分の支払いが留保されやすいなど、実務上の扱いに差が出ることがあります。
2-2 同時廃止の場合:破産手続開始決定から免責確定まで
裁判所から破産手続開始決定が出た時点で、すでに行われている給与差し押さえの手続きは一時的に中止の状態となり、差し押さえが止まります。この「中止」とは、差し押さえそのものが消滅したわけではなく、一時停止している状態を指します。
中止期間中の給与
開始決定後に執行手続が中止されると、給与のうち差押えの対象となっていた部分(原則として4分の1相当など)について、債権者への支払いが留保される運用になります。留保された金額がどのように管理されるか(勤務先での留保・供託等)は、事案や手続の進め方で異なります。
失効のタイミング
免責許可決定が確定(借金の免除が正式に決定)すると、差し押さえに基づく回収はできなくなり、留保されていた金額の取り扱い(本人への支払い等)が整理されます。
2-3 管財事件の場合:開始決定後、差押えの効力整理と取消手続が進む
管財事件として扱われる場合、開始決定後、差押えの効力が整理され、差し押さえの取消(解除)に向けた手続が進みます。管財事件では、破産管財人が財産を管理・清算することから、個別の差し押さえを維持させておく必要がないと判断されるため、同時廃止と比べて早く満額支給に戻る場合もあります。いつ満額支給に戻るかは、事案や手続の進行によって前後します。
2-4 弁護士に依頼した直後に差し押さえは止まるのか
よくある誤解として、「弁護士に依頼して受任通知を送れば、すぐに差し押さえが止まる」というものがありますが、これは正確ではありません。受任通知には窓口を弁護士にする効果があり、督促(電話や手紙)を止める力はありますが、裁判所が決定した差し押さえを止める法的効力まではありません。差し押さえを止めるには、あくまで裁判所に破産の申立てを行い、破産の開始決定をもらう必要があります。
第3章 自己破産をすると会社に知られるのか
3-1 勤務先に自己破産の事実は伝わってしまうのか
原則として、裁判所から勤務先へ「この従業員が自己破産しました」と直接通知が届くことはありません。しかし、給与を差し押さえられている場合、会社はすでに第三債務者として裁判所の手続きに関わっています。自己破産によって差し押さえを止める手続き(開始決定の通知など)を行う過程で、結果的に会社側は本人が法的整理に入ったことを知ることになります。
3-2 差し押さえを理由に解雇されることはあるか
「借金や差し押さえで迷惑をかけたからクビになるのでは」と心配されるかもしれません。借金や差し押さえといった私生活上の事情だけを理由にした解雇は、一般に有効性が厳格に判断され、無効となる可能性が高いといえます。ただし、職務内容や就業規則、具体的な支障の有無など個別事情で判断が分かれ得ます。
第4章 自己破産と差し押さえ解除に向けた具体的なステップ
4-1 弁護士の受任通知による心理的・経済的負担の軽減
最初のステップは弁護士へ依頼し、すべての債権者に対して弁護士が債務者の代理人になったことを知らせる受任通知を送付することです。貸金業者(消費者金融・カード会社など)については、受任通知後の直接督促が制限されます。
受任通知の送付による変化
督促の停止による平穏な生活の確保:取り立ての電話や督促状が止まることで、追い詰められた状態から解放されます。
支払い停止による費用の捻出:受任通知を送付した後は、原則として債権者への返済をストップします。これまで返済に充てていた資金を、生活費の立て直しや、自己破産の手続き費用、裁判所への予納金に充てることが可能になります。
【補足:自己破産は弁護士に依頼せず、自分一人でできるのか?】
法律上は、弁護士を介さず、本人でも自己破産の申し立てはできます。しかし、特に給与差し押さえを受けている場合、個人での対応は極めて困難といえます。破産の申し立てには多くの必要書類があり、たとえば、過去数年分の通帳の動きや借金に至った経緯を法的に整合性のとれる形で陳述書にまとめなければなりません。不備があれば修正せねばならず、受理されるまで長い時間を要する可能性は否めません(その間も給与の差し押さえは止まりません)。さらに、事案や裁判所の運用によっては、本人申立にすることで、本来なら同時廃止で進められたはずの案件が管財事件相当と判断され、結果的に高い費用がかかるケースもあります。
4-2 申立て準備と中止命令の検討による迅速な対応
次に、裁判所に提出する申立て書類の作成を進めます。給与差し押さえを受けているケースでは、一刻も早い申立てが必要となるため、迅速な書類収集が鍵となります。
必要書類の効率的な収集
住民票や所得証明書、預金通帳のコピー、家計簿など、裁判所に提出すべき書類は多岐にわたります。これらの必要書類をいかに早く揃えられるかが、差し押さえ停止を迅速に進める最初のポイントとなります。
強制執行の中止命令の活用
破産を申し立ててから開始決定が出るまでの間、裁判所に対して「強制執行の中止命令」を申し立てることも検討します。これが認められれば、開始決定を待たずに差し押さえを一時的に止めることができます。
会社への説明準備
差し押さえが中止・失効する際、裁判所から勤務先へ書面が届きます。どのように会社へ説明すべきか、あらかじめ弁護士と打ち合わせをしておくことで、職場でのトラブルを最小限に抑える準備ができます。
4-3 破産手続開始決定の取得と差し押さえの解除手続き
裁判所に破産を申し立て、破産手続開始決定が出ると、いよいよ差し押さえを止める法的効力が発生します。
開始決定による効果の発動
第2章で解説した通り、開始決定後、同時廃止では差押手続が中止され、管財事件では差押えの効力整理と取消(解除)に向けた手続が進みます。
勤務先への適切な連絡
裁判所からの通知が会社に届くことで、会社は「給与から差し引いたお金を債権者に送金してはいけない」という状態になります。もし会社側が手続きに不慣れで対応を迷っている場合は、弁護士から裁判所の決定事項について説明を行うことも可能です。
勤務先で留保された給与の回収
同時廃止の場合、免責確定後に勤務先に留保されていた差し押さえ分の給与を本人に返還してもらう手続きを行います。これにより、生活再建のためのまとまった資金を確保できる場合があります。
第5章 差し押さえの悩みは一人で抱えず専門家へ
給与の差し押さえは、あなたやご家族の生活に直結する重大な事態です。「会社に迷惑をかけたくない」「どうせ無理だ」と一人で悩んでいる間にも、状況は刻一刻と変化していきます。
専門的な対応が必要な場合は、私たちNexill&Partners那珂川オフィスまでお気軽にご相談ください。まずは無料相談で、あなたの現在の状況をお聞かせいただき、最適な解決策を一緒に見つけていきましょう。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。
進むWeb手続き

IT社会の発達に伴い、裁判所における手続きも着々とWebの手続きが進められています。
先日、離婚や遺産分割といった家事調停だけでなく、破産など裁判以外の手続きをオンラインで可能にする法律の改正が国会で可決されたとのニュースを目にしました。
すでに、昨年5月に成立した民事訴訟法の改正により、民事訴訟については訴訟の提起から、判決に至るまでWebで行うことができるようになっており、順次Webの手続きが福岡の裁判所でも進められています。
裁判所からはWeb対応可能ですかと聞かれることが多く、当事務所は対応可能な体制であるため、対応可能と回答しているのですが、相手方の代理人などが、高齢の方の場合には、対応不可などと言われ(双方の代理人が対応可能でなければ使うことができないのです。)、現時点で、Webでの書面提出の手続きは一度も行ったことがありません。
周りの弁護士からは、今までの郵送やFAXで書面を提出していたのがなんだったのかというくらい便利との評判ですので、早く使ってみたいなと思っています。

今回の改正は、こうした民事裁判だけでなく、破産などの手続きもWebですることができるようになると決まりました。
破産の場合、従前は申立書や添付資料(収入資料、財産資料(通帳の写し)など大量の枚数を印刷し、裁判所へ郵送していたのですが、それが、今後、印刷せず、Webでできることを考えると、申立てに至る労力だけでなく、資源も節約できるため、具体的な運用が始まるのを今か今かと待っています(ニュースでは令和10年までに順次始まっていくとのことですので、気長に待とうと思います)。
このように、IT化が進むことは非常に利便性が向上し、喜ばしいことなのですが、ITを活用するのはあくまでも人間であるため、人為的なミスが発生する危険性があります。
また、先日、他人の情報がマイナンバーに紐づけされていたというニュースもあったように、国が運用するシステムだから安全だということは決してないため、セキュリティ面の安全性にも注視しておく必要があると考えています。
特に裁判所に提出する文書や資料は、クライアントだけでなく多数の人の極めて重要な個人情報が大量に記載されているため、より慎重な対応が必要です。
当事務所でもこうしたIT技術を利用する際に、ヒューマンエラーが生じないよう、ネットリテラシーを高め、適切にIT技術を利用できるよう更にこころがけたいと考えています。
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【相談事例37】「平成32年」と書かれた契約書は有効?~内容の確定性について~
【相談内容】
ニュースで、新元号が発表されたのを見て、気になったことがあります。
私は、5年前(平成26年)に、ある人にお金を貸しており、その際借用書も作成しているのですが、返済期間として「平成26年9月~平成32年8月まで」と記載されています。
新しい年号に変わったことにより、「平成32年」というものが存在しなくなってしまったのですが、契約が無効になったりすることはないのでしょうか。
【弁護士からの回答】
平成31年4月1日に、新元号が「令和」になることが発表されました。これにより、「平成」は平成31年4月30日で終わり、翌日の5月1日からは、新元号の令和元年5月1日ということになります。
元号が変わること(「改元」といいます。)に伴い、ご相談者様の事例のように従前の元号で表記していた契約の有効性に影響を及ぼすのか否かについて、契約の有効性の要件の説明と併せてご説明させていただきます。
1. 契約(法律行為)の有効性
契約(法律行為)が有効であるための要件のひとつに、法律行為の客観的有効要件というものがあります。
契約が成立する場合には、その契約の内容にしたがった権利、義務が発生することになり、義務に反した場合には損害賠償などのリスクを負うことになります。
したがって、契約(法律行為)内容に関し、内容が確定しない場合や、実現できない場合にまで、権利を取得させたり、義務を負わせたりするべきではないと考えられています。
したがって、契約が成立するためには、契約内容に関する客観的有効要件を満たしている必要があります。
客観的に有効要件には、
①内容の「確定性」
②内容の「実現可能性」
③内容の「適法性」
④内容の「社会的妥当性」
の4つの要件があります。
そして、改元にともなって、存在しなくなった従前の元号による契約書の有効性の問題は、上記要件のうち①内容の「確定性」の問題であるため、内容の確定性の要件についてご説明させていただきます(他の要件については次回以降ご説明させていただきます。)
2. 内容の「確定性」とは
上記のとおり、契約が成立すると、契約内容に沿った義務を負うことになります。
したがって、契約が有効であるためには、契約の内容、すなわち、どのような権利を有し、どのような義務を負っているのかについて(契約の重要な部分)は確定していることが必要であり、内容を確定することができない契約は無効になります。
3. 「平成32年」とする契約は有効か
それでは、ご相談者様の事例のように「平成32年」という期限が設定されている契約は、確定性の要件を満たしているといえるのでしょうか。
確定性については、当事者の合意した内容を合理的に解釈することにより、内容が特定することができる場合でも満たされると解されています。
そして、平成32年を期限とする場合、当事者の意思として「平成という元号が続いている場合のみ有効とする」というような合意をしているということは通常考えられず、平成32年=西暦2020年を期限とするという合意をしていることは解釈上明らかです。
したがって、「平成32年」という期限を設定していたとしても、当事者において西暦2020年が期限であるという契約の内容は確定しているといえるため、内容の確定性の要件を満たしているといえます。
4. 改元にあたっての注意事項
このように、改元が発生した場合に、旧元号のままの書面を作成したとしても、契約の有効性については問題ないのですが、旧元号のまま契約書等を作成することで、相手方との間でトラブルが発生する可能性は否定できません。
したがって現時点で契約書や請求書等の文章を作成する際に5月1日以降に期限などが到来する場合には、新元号により記載するか、西暦を併記するなどして、内容に誤解を与えないよう工夫が必要です。
次回以降にもご説明させていただきますが、契約の有効要件を満たしているかについては意外にも専門的な知識が必要になってきます。
したがって、契約書の作成に際しては、弁護士にご相談いただいたほうがよいでしょう。
掲載している事例についての注意事項は、こちらをお読みください。
「相談事例集の掲載にあたって」
破産に関するよくあるご質問⑤
【ご相談者様からのご質問】
借金がかさみどうしようか悩んでいましたが,これまでの先生のお話を聞いて破産をしようかと考えています。ですが,私は仕事上,月に1~2回は飲みに行かなくてはいけません。破産をしようとしているのに飲み会なんて許されませんよね。
【弁護士からの回答】
ご相談者様からのよくあるご質問に対する回答はひとまず今回で一区切りです。ご相談者様のように,破産する際の日常の振舞い方についてのご質問の多いので回答していきたいと思います。
Q13.破産の申し立てを行っている間は,飲み屋などにいってはいけませんよね?
A.結論からお伝えすると,お酒を飲みにいったりすること自体が制限されるわけではありません。お仕事の関係で避けられない飲み会もあるでしょう。しかし,破産をして債務を免責するのは,あくまでも破産者の経済的な再建を図るためであるため,裁判所において,免責を認めるか認めないかの判断において,債務が無い状態で,きちんとまっとうに生活することができるのかという点も見られています。具体的には,申立てを行うまでの間,毎月,家計表を作成してもらい,債務の返済がない状態で,自身の収入に見合った支出で生活をすることができることを裁判所に示す必要があります。したがって,収入に見合った範囲内であり,適切な金額(月に2~3万円程度ではないでしょうか。)であればお酒を飲みにいったとしても何ら問題はありません。もっとも,キャバクラや風俗などでお金を使ってしまうことは浪費行為に該当するため,少なくとも破産手続きが終了するまでは控えておいた方がよいでしょう。
Q14.破産した後にギャンブルをすると逮捕されてしまうのですか。
A.逮捕されることはありませんが,控えておいた方が良いでしょう。
まず,破産の申し立てを行っているときときや,破産手続中には,ギャンブルだけなく,浪費や風俗などにお金を使うことはくれぐれもお控えください。その程度がひどい場合にはせっかく破産を申し立てたにも関わらず,免責が認められなくなってしまう可能性があります。一方で,破産手続きが終了した後に,ギャンブルを行ったり,浪費等をしたとしても一度認められた免責決定が取り消されたり,何らかのペナルティーが科せられることはありません。
しかし,ギャンブルにしろ浪費にしろ,破産をする前と同じ生活をしていれば,ほとんどの場合が,収入では生活することができなくなってしまうでしょう。そして一度破産している以上,ブラックリストに載っているため消費者金融からは借り入れができず,ヤミ金など違法な高利貸しなどから借り入れを行ってしまい,違法な取り立てなどで取り返しのつかないことになってしまう可能性も否定できません。法律上も破産をしてから7年が経過しないと原則として再び破産をすることはできません。もう二度と借金で困らない様に,破産が認められた場合には自分の収入に見合った生活を心がけ,新しい人生を有意義なものにされた方がよいと思います。
破産に関するよくあるご質問④
【ご相談者様からのご質問】
これまでの先生の回答を見ていると,「破産は悪いこと」というイメージは間違っていたとわかりました。でも,借金を基本的に返さなくて済むのに,今までと同じような生活を送れるということはないですよね。
【弁護士からの回答】
今回は,破産をしたことで,申し立てた人に対し,どのような不利益があるか否かについてご説明させていただきます。
Q8.一定期間,選挙権が剥奪されてしまうということを聞いたのですが・・・
A .そのようなことはありません。公職選挙法などにも破産をしたことで選挙権を失う等という記載は一切ありません。また,立候補する権利(被選挙権といいます。)についても何ら制限はなされないため,破産手続中であっても,立候補すること自体は理論上可能です。とはいえ,選挙には多額の費用が必要になり,そういった選挙費用に支出するお金があるのであれば,債権者に分配すべきと判断されるのが通常ですので,現実的には,破産手続中に立候補することは困難でしょう。
Q9.運転免許が取り消しになったりするのでしょうか。
A.そのようなことも一切ありません。そもそも,破産することと,運転免許の資格の適格性に何ら関連性はないと思います。こういった都市伝説的な噂がでていることからも,破産に対する間違った悪いイメージが浸透してしまっているのだなと感じます。
Q10.相続権がなくなることはありませんか?
A.民法には相続人たる資格を失う事由として,相続欠格事由及び相続人の廃除に関する規定がありますが(民法891条,892条),同規定の中に,破産をしたことで,相続人たる地位(推定相続人といいます。)を失うことはありません。なお,破産手続の開始決定前に被相続人が亡くなり,相続が開始した場合には,相続により受領した財産については,換価して債権者へ分配されることになります。逆に,破産手続き開始決定後に相続が発生した場合には,相続により得た財産は破産者が自由に処分することができます(これについては,別の機会にご説明させていただきます。)。
Q11.破産をすると,郵便物が自分の手元に届かなくなると聞いたのですが本当ですか。
A.管財事件というものになると,破産の手続きが続いている期間は,郵便物が管財人の弁護士の事務所に送付されることになります。別の機会にご説明させていただきますが,破産の手続きには,換価する財産がなく,免責(債務を免除することです。)させても何ら問題が無いと判断される「同時廃止事件」と,換価する財産がある場合や,免責させてもよいか調査する必要がある場合の「管財事件」の2種類があります。そして,管財事件になった場合には,管財人の弁護士において,破産者の財産を調査する必要があるため,破産手続きの期間中に限り,破産者宛の郵便物が管財人の弁護士の事務所宛に転送されることになります。もっとも,破産の手続きが終了すれば,管財人の転送は終わり,普通に郵便を受け取ることができます。
Q12.破産をすると引っ越しができないと聞いたのですが。
A.引っ越しができないわけでありませんが,裁判所の許可が必要になります。上記でご説明した管財事件になると,何度か裁判所に破産者自身が行く必要があり,かつ,管財人の法律事務所へ足を運ぶ必要があります。したがって,破産手続中に関しては,裁判所において破産者の所在を把握しておく必要があるため,引越しにより住所が変わる場合には事前に裁判所の許可を得てから引っ越しなどをする必要があります。
破産に関するよくあるご質問③
【ご相談者様からのご質問】
家族にはきちんと相談してから破産した方がよいということですね。考えてみます。ちなみに,私は,年金で生活しているのですが,その年金は大丈夫でしょうか。
【弁護士からの回答】
前回は,破産をした際に親族等にどのような影響が及ぶのかについてご説明させていただきました。今回は,主に年金に関するご質問に回答してきたいと思います。
Q6.破産をすると厚生年金や国民年金がもらえなくなると聞いたことがあるのですが・・・
A.そのようなことは一切ありません。
まず,公的年金(厚生年金,国民年金)を受給することができる権利は,法律上差押えをすることが禁じられている権利になります(国民年金法24条,厚生年金法41条)。また,法律上,年金の受給資格の喪失事由として,破産や個人再生を行ったことという規定は一切ありません。したがって,破産をしたとしても,年金については,それまできちんと年金を収めていれば。受給することが可能です。もっとも,公的年金の入金された預貯金口座が債権者に知られている場合には,債権者から差押えをされてしまう可能性があることや,その預貯金口座の残高がある程度(20万円程度)ある場合には,債権者に換価される可能性がありますので注意が必要です(この点については別の機会にご説明させていただきます。)。
Q7.公的年金は何ら問題なく受給できるのですね。では,企業年金や個人年金についてはどうなのでしょうか。
A.まず,企業が,確定給付企業年金・確定拠出年金・厚生年金基金等の制度を採用している場合には,いずれも差押禁止財産となっているため,公的に年金と同様の扱いになります。これに対し,企業において,企業年金制度を採用しておらず,退職金の制度を採用している場合には,退職金の金額によっては,一定の金額を債権者の換価のために支払わなければならなくなる可能性もあります(退職金については,別の機会にご説明させていただきます。)
また,企業年金ではなく,個人年金(保険会社などに個人的に支払っているものです。)については,解約した際に戻ってくる金額(解約返戻金といいます。)が一定の金額以上の場合には,個人年金を解約する必要が生じてくる場合もあります。
いずれにせよ,破産の申し立てをする際には,ご依頼者様の契約されている保険に関する事項についてはきちんと確認する必要があるので,ご不安なことがあれば,弁護士にご相談ください。
破産手続に関するよくあるご質問②
【ご相談者様からのご質問】
破産をしたとしても周りの人には分からないものなのですね。ですが,まだ破産に関して不安なことはたくさんあるので色々教えてください。
【弁護士からの回答】
今回も破産に関するご質問に答えていきます。破産に関しては,基本的に破産というイメージが先行してしまいて抵抗があるのではないかと思います。破産に抵抗があるかたでも,きちんと説明して,破産に対するイメージを払拭してもらい,破産によう経済的な再建のお手伝いをさせていただく場合もございます。破産しようか悩まれている方がいらっしゃればご気軽にご相談ください。
Q4.私が破産することが両親にバレたくないのですが,バレずに破産をすることができますか?
A. 不可能ではありませんが,非常に難しいです。まず,破産をしようと考えている方のご両親が連帯保証人になっている場合には,家族には確実にばれてしまいます。また,破産の申立ての際には同居している親族や配偶者の不動産の有無にかんする資料(無資産証明書など)を提出する必要があるので,そういった資料を提出する際に,うまく理由をごまかして資料をもらえれば問題ないですが,なかなかうまくはいかないと思います。
このように,親族や配偶者にバレずに破産をしたいというご相談は非常に多いのですが,進めていくどこかでばれてしまう可能性は非常に高いです(申し訳ありませんが絶対にバレずにできますとお約束することはできません。)。私としては,きちんとご両親や配偶者の方にも破産をして経済的な再建を行うと説明すれば理解してくださると思うので(実際に,弁護士の口からご両親や配偶者にご説明し,ご納得いただいたケースも多数存在します。)。きちんと事情を説明してから破産をした方がいいと思います。
Q5.私が破産をしてしまったことで,両親や,兄弟が借り入れをする際に不利になったりすることはありませんか?
A.問題になることはありません。破産をした場合,ご本人は信用情報に破産したことが記録されることになりますが(いわゆる「ブラックリスト」にのることをいいます。),それはあくまで破産をした個人のみであり,ご親族が借入を行う場合にはご親族自身がブラックリストにのっていなければ借り入れを行うことは何ら問題なく可能です。もっとも,破産をした人がご親族の保証人になろうとする場合には保証人になれない可能性がありますが,一度破産をしてしまっている以上,他人の債務を肩代りする可能性のある保証人にはならないほうが良いのではないかと思います。















