弁護士コラム

2023.07.11

進むWeb手続き

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IT社会の発達に伴い、裁判所における手続きも着々とWebの手続きが進められています。

先日、離婚や遺産分割といった家事調停だけでなく、破産など裁判以外の手続きをオンラインで可能にする法律の改正が国会で可決されたとのニュースを目にしました。
すでに、昨年5月に成立した民事訴訟法の改正により、民事訴訟については訴訟の提起から、判決に至るまでWebで行うことができるようになっており、順次Webの手続きが福岡の裁判所でも進められています。

裁判所からはWeb対応可能ですかと聞かれることが多く、当事務所は対応可能な体制であるため、対応可能と回答しているのですが、相手方の代理人などが、高齢の方の場合には、対応不可などと言われ(双方の代理人が対応可能でなければ使うことができないのです。)、現時点で、Webでの書面提出の手続きは一度も行ったことがありません。
周りの弁護士からは、今までの郵送やFAXで書面を提出していたのがなんだったのかというくらい便利との評判ですので、早く使ってみたいなと思っています。

進むWeb手続き

今回の改正は、こうした民事裁判だけでなく、破産などの手続きもWebですることができるようになると決まりました。
破産の場合、従前は申立書や添付資料(収入資料、財産資料(通帳の写し)など大量の枚数を印刷し、裁判所へ郵送していたのですが、それが、今後、印刷せず、Webでできることを考えると、申立てに至る労力だけでなく、資源も節約できるため、具体的な運用が始まるのを今か今かと待っています(ニュースでは令和10年までに順次始まっていくとのことですので、気長に待とうと思います)。

このように、IT化が進むことは非常に利便性が向上し、喜ばしいことなのですが、ITを活用するのはあくまでも人間であるため、人為的なミスが発生する危険性があります。
また、先日、他人の情報がマイナンバーに紐づけされていたというニュースもあったように、国が運用するシステムだから安全だということは決してないため、セキュリティ面の安全性にも注視しておく必要があると考えています。

特に裁判所に提出する文書や資料は、クライアントだけでなく多数の人の極めて重要な個人情報が大量に記載されているため、より慎重な対応が必要です。
当事務所でもこうしたIT技術を利用する際に、ヒューマンエラーが生じないよう、ネットリテラシーを高め、適切にIT技術を利用できるよう更にこころがけたいと考えています。

 

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