弁護士コラム

2023.06.05

人の死に関与する罪について

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先日、有名な歌舞伎役者の方とご両親が救急車で緊急搬送され、ご両親がお亡くなりになってしまうという大変ショッキングなニュースが報道されました。
正確な事実の多くは確定してはおりませんが、一部報道では、ご家族で心中するため薬物を服用したというようなことも報じられています。

まず、前提として、法律上自分自身で亡くなるという自殺をすることを禁ずる法律はありません
このようなことから、そもそも自分自身でお亡くなりになるという行為は違法な行為なのかという議論が刑法学上存在するのですが、その点については、機会があればご説明させていただきます。

そのうえで、自殺関与に関する犯罪があります。
それは、自殺の決意を抱かせ、人を自殺させた場合に成立する自殺教唆罪と、自殺を決心している人に、自殺を容易にする援助を行うと自殺幇助罪があります。
先ほど話した自殺は違法か否かという点で、違法ではないという考え方を取った場合には、自殺をするか否かを決めれることができるのは本人だけであり、その意思決定などに関与することは違法であるため、処罰されるという理屈付けになります。

人の死に関与する罪について

また、自殺関与に関する罪とは別に、同意殺人と嘱託殺人という犯罪もあります。
同意殺人罪とは、被害者が真摯な同意をしている場合に殺人を犯した場合に成立し、嘱託殺人は、被害者から積極的に殺人の依頼を受けそれに応じて殺人を犯した場合に成立する犯罪です。
自殺関与に関する罪との違いは、行為者が直接手を下したか否かの違いです(例えば、自殺を決意している人に毒薬を渡す行為は、自殺幇助罪ですが、本人の依頼を受けて毒薬を飲ませる行為は同意殺人や嘱託殺人となります。)。

お亡くなりになってしまうという選択肢以外の選択肢を考えられるように、誰かに相談したりすることで抱え込まないことが大事ではないかと思います。

当事務所にご相談に来られる方も、抱えている問題が原因で非常に悩まれており、そういった方の法律問題を解決することで少しでも気持ちを楽にすることが弁護士としての役目の1つではないかと考えています。

厚生労働省HP:電話相談窓口

 

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