弁護士コラム

2024.03.14

子どもがお店の物を壊してしまったら?

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小さいお子さんがいらっしゃるご家庭だと、買い物の際、お子さんが、お店の食べ物を勝手に触ってしまったりしないかヒヤヒヤしてしまうのではないでしょうか。 私にも5歳と2歳の子どもがいるのですが、家族でパン屋に行った際(最近家族でパン屋巡りにハマっています)などには、子どもたちが陳列されているパンを勝手に取らないかいつもヒヤヒヤしながら見守っています。幸いにして、子どもが食べ物を触ったりしたことは今までないのですが、もし子どもが触ってしまい、食べ物がダメになってしまった場合や、お店の物を壊してしまった場合には、法的にはどうなるのでしょうか。

子どもの責任?親の責任?

まず、お店の物を壊してしまった場合には、民法709条に基づき、物の価格について、賠償する義務を負います。もっとも、民法712条では、

「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」

と規定されているので、未成年者かつ、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能(責任能力といいます。)がない場合には、お子さん自身が責任を負うことはありません。その代わり、民法714条により、監督義務者(お子さんである場合には親権者である親など)が賠償する義務を負うことになります。 この責任能力については、未成年者ことに個別具体的に判断されるのですが、一般的には、11~12歳までは責任無能力であると判断されることケースが多いです。 したがって、小学校高学年くらいまでのお子さんの場合、親に支払う義務が発生し、中学生などになると、未成年者であるお子さん自身に賠償義務が発生することになります。 もっとも、現実には、お子さん自身が資力が無い場合も多いためいずれの場合でも親が支払うということになると思います。 

割れた食器

払わなくてよいのはお店側の善意

こういった、お子さんのトラブルの際に、親が「子どものしたことなので」といって、支払いを免れようとする場合もあるかもしれませんが、上記のようにお店側は賠償請求することが出来る権利があります。したがって、「子どものしたことなので」というのはあくまでもお店側の善意として発せられるべき発言であって、親としてはきちんとお店に謝罪して、弁償する提案をするべきであると思います。 また、お子さんに対しても、親がきちんと謝罪して、弁償する姿を見せることで、自分がしてしまったことがいけないことであると実感し、反省するようになるのではないかと思います。 自分も親となって、子どもがトラブルを起こさないということが一番ではありますが、もし、お店に迷惑をかけてしまったような場合には、親としてきちんと責任をとることも大事なのではないかなと感じました。

 

執筆弁護士紹介 後藤祐太郎

 

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