弁護士コラム

2022.12.23

ネットショッピングの配送トラブル

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皆さんはネットショッピングを利用されていますか?
近年は11月末から「ブラックフライデー」と称して、どのオンラインモールでもセールを行っており、私の家族も例年セールだから、何か買わなくてはという焦りからか、ついつい買いすぎてしまいます。

先日、ニュースでこのブラックフライデーの期間中に、「注文した商品が届かない」「指定の日時に届いていない」「お店側から一方的にキャンセルされてしまう」などのトラブルが多発しているということが報じられました(このようなトラブルを「宅配クライシス」と呼ぶそうです。)。

ネットショッピングの配送トラブル

コロナウイルスの影響でネットショッピングを利用する方が増えたところに、セールを行ったため利用者が非常に増えてしまったことが原因のようです。
ニュースでは、子どもの誕生日に間に合うようにプレゼントを注文したが、届かなかったというトラブルが紹介されていました。

ネットショッピングではなく、店頭に行き商品を購入し配送指定を行う場合、その時点で契約が成立します。
一般的には店側には指定した期日に商品を届ける義務(債務)を負うことになります。
したがって、指定した期日に商品を届けることができずに、顧客に損害が生じた場合には、お店には損害を賠償する義務が発生することになります。

一方ネットショッピングの場合、気を付けなければならないのが、購入者がサイトで購入のボタンを押した時点では契約は成立していないという点です。
契約が成立するためには、顧客がこの商品を欲しいという意思を表示し(法律上「申し込み」といいます。)これに対し、売主が応じた場合(「承諾」といいます。)に初めて契約が成立するのですが、通常のオンラインモールの利用規約を見ると、店側からの発注メールが送られた時点で契約が成立するとなっています。

ネットショッピングの配送トラブル

すなわち、顧客の購入ボタンを押す行為は、単に「申し込み」を行っただけの状態であり、お店側が発注メールを送信して、はじめて承諾がなされ契約が成立するということになります。
したがって、上記のトラブルのように一方的にキャンセルされたというトラブルも、厳密には申し込みに対し承諾を行っていないというだけであるため、契約が成立していないことになり、顧客側は店側に何らの請求ができないことになってしまいます。

このように、ネットショッピングは、本当に手軽に商品を購入できるメリットがありますが、こうした配送のトラブルが生じてしまうリスクがあります。
どうしても必要な商品などが実際に店舗にいって直接購入するなど、ネットショッピングのみに依存することなく、うまく活用していく必要がありそうです。

 

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