弁護士コラム

2023.03.24

カタカナ言葉と法律

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先日、妻と話しているときに、妻から、「カタカナ言葉がよく会話にでてくるね」と言われました。
言われるまであまり意識していなかったのですが、小さいころからカタカナ言葉はよく覚えており、世界一名前の長い湖の名称なども小さいころに覚えてから今でもすぐに言えるので、無意識のうちにカタカナ言葉がかっこいいとおもって使っているのかもしれません(湖の名前は本当に長いので、興味のある方は調べてみてください)。

Google検索はこちら⇒「世界一名前の長い湖

そんなカタカナ言葉ですが、法律の世界にもカタカナ言葉があります。
僕自身、きちんと意味を理解していない部分もあったので、この機会に意味を調べて皆さんにお知らせしたいと思います。

カタカナ言葉と法律

●コンプライアンス…この言葉は、ニュースなどでよく聞かれている方も多いと思いますが、「法令順守」という意味です。
法律だけでなく、社会的規範、倫理、良識を守って運営することを意味します。
よく、「コンプライアンスを遵守して」と発言されている方がいらっしゃいますが、コンプライアンスの中に遵守という意味もあるので、この表現は、厳密にいうとトートロジー(「同御反復」という意味です。せっかくなんでカタカナ言葉使ってみました)となります。
●デッド・エクイティ・スワップ(DES)…おそらく一般の方は聞いたことのない言葉だと思います。
これは、企業における債務(デッド)を株式(エクイティ)に交換(スワップ)することで、会社の財務を改善するという手法になります。
DESをするこで、債務が資本(株式)になるため過剰債務の状態が解消されることになります。
司法試験に合格する前に、ロースクールでこの言葉を聞いたときに、いつかこの言葉を使って仕事をする時が来るのかなと思って今したが、弁護士になって約10年、一度も使っていません。
なお、DESに似た言葉で、債務を劣後ローンとして借り換えるという「デッド・デッド・スワップ(DDS)」というものもあります。
●ノンリケット…この言葉は民事訴訟で使われる言葉です(実際に裁判などで使われることはなく、学問上の言葉になります)。
日本語では「真偽不明」と訳されます。
民事訴訟において、争いになっている事実の存否について、裁判所としても過去に戻ることはできないので、その事実が存在したのか存在していなかったのかがわからない(判断できない)という状態になることがありそれを「ノンリケット」といいます。
このノンリケットの状態になった場合には、立証責任(その事実が存在するということを証拠に基づいて立証しなければいけない責任のことをいいます。)を追っている当事者が、不利益(その事実は証拠上認定することができないと扱われます)を被ることになります。

日常生活を送っていると、上記のような、カタカナ言葉がたくさんあると思いますが、あまり多用しすぎると、会話がストレス(これもカタカナ言葉ですね)になってしまうので、上手に使っていければと思います。

 

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