弁護士コラム

2019.04.18

知っていれば役に立つ!経費のこと3

1日中仕事をしていると、集中力も切れてきて、ちょっと休憩してお菓子を食べたい、残業をしてお腹が空いたからご飯を食べたい、なんて思うことがありますよね。
そんなとき、このお菓子や食事を買うのに使ったお金は、「経費」になるのでしょうか?

1.お菓子は「経費」になる? 

 会社には、お客様から頂いたり、スタッフが持ってきてくれたりしたお菓子が置いてあることがありますよね。けれど、出勤前やお昼休みにコンビニに行って、自分でお菓子を買ってくる人もたくさんいると思います。仕事の合間に食べるために買ったこのお菓子代、「経費」になるのでしょうか?

 これは、「経費」にはなりません。例えば、会社の中に休憩所があって、そこにお菓子や飲み物などが置いてある場合。この場合、置いてある飲み物やお菓子が、誰でも食べられるのなら、「福利厚生費」として「経費」にすることができます。しかし、先程のように、コンビニなどに行って、自分の食べたいお菓子を買った場合には、「福利厚生費」にすることはできず、「給与」として扱われ、源泉徴収の対象となります。

 「そこで働く人全員が公平に利用できること」が「福利厚生費」にする条件になるため、これを満たすことができていない場合には、「給与」か「自己負担」で買うようにしましょう。

2.「まかない」が出るお店で働いています

 飲食店で働いている方は、たくさんいらっしゃると思います。その中で、お店によってはまかないが出るところがありますよね。このまかない、従業員からお金を貰わずに、無料で提供している場合、作るためにかかった費用は「経費」になるのでしょうか?

 自分のお店にある材料で作っているのだから、と考えて、無料で提供してしまいがちですが、実はこれ無料で提供してしまうと、従業員の「給与」となり、源泉徴収の対象となってしまいます。前回の記事で書いたように、まかない(食事代)を「福利厚生費」として「経費」にするためには、「食事代の半分以上を従業員が負担している」「会社が負担した金額が月額3500円以下である」という条件を満たす必要があるため、自分のお店で作っているまかないだとしても、無料で提供すると「経費」にすることができないのです。

 つまり、まかないを無料で提供してしまうと、「給与」として扱われてしまい、「経費」にすることができないため、上記2つの条件を満たし、「福利厚生費」として「経費」にしましょう。

3.残業をしてお腹が空きました

 会社の繁忙期。これは、どこの会社にもあるものではないかと思います。普段は定時で帰ることができていても、繁忙期はどうしても残業になってしまう・・・そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そんな皆さんにうれしい情報です。実は、残業をした人に対して会社が食事を支給する、この時にかかった食事代は「福利厚生費」として「経費」にすることができるのです。今まで出てきた食事代は、2つの条件を満たさなければ「経費」にすることができなかったのですが、今回でてきた食事代は、なんと、全額会社負担でも「給与」として扱われないのです。食事は、仕事をしていてもしていなくてもとるものだから、という理由で「経費」にすることができなかったのですが、残業というのは、業務を進めていくうえでやむを得ない事情のため、個人の負担がなく、全額会社負担だとしても「経費」にすることができるのです。

 ただし、食事を提供するのではなく、「食事手当」として現金で支給すると、従業員の「給与」として源泉徴収の対象となるため、「給与」として扱われないようにするには、食事そのものを支給してもらうようにしましょう。

4.まとめ 

 今回は、食べ物に関する「経費」についてお話をしました。同じ「食事」でも、「福利厚生費」として「経費」にするためには、条件を満たさないとならないもの、条件を満たさなくても「経費」になるものがあったと思います。
 「福利厚生費」として「経費」にできるものを上手く活用しながら、業務の効率化を図りましょう!
 

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