弁護士コラム

2019.04.12

知っていれば役に立つ!経費のこと2

様々な場所で耳にする「経費」という言葉。
仕事に関係することに使ったお金なら、何でも、全額、「経費」になるなんて思っていませんか?

前回の記事はこちらから
「知っていれば役に立つ!経費のこと」

1.ひとりカフェは「経費」になる?

仕事中、資料の準備や、プレゼン作りなどで、ひとりで喫茶店やカフェなどに行くことがあると思います。その場合、お店で頼んだ飲み物代は「経費」になるのでしょうか。

「ひとりで行ったのだから、ならないでしょ!」と思う方は多いと思いますが、実はこれ、「会議費」として「経費」にできるのです。「会議費」と聞くと、ひとりでは成立しないのではないかと思いがちですが、そんなことはなく、きちんと仕事をする目的だったのであれば、「会議費」とすることができます。

ただし、領収書やレシートだけでは仕事をしていたという証明にならないため、もらった領収書等の裏に、自分の名前と喫茶店等で何をしていたのかをメモしておくことが必要になります。

もしこれが、資料の準備やプレゼン作りではなく、ただ単に休憩をしていただけだとすると、どうでしょうか?
実はこれも「福利厚生費」として「経費」にすることができます。
ただし、条件として、従業員全員が精算できなければなりません。そうでないと、「給与所得」として、従業員が所得税を課税されてしまいますので、気を付けましょう。

2.「福利厚生費」と「会議費」

ひとりでカフェや喫茶店に行ったときの飲み物代が「経費」になるのなら、ご飯を食べながら仕事をしたときのご飯代も「経費」になるのでしょうか?

ご飯を食べているといっても、同時に仕事もしているのだから「経費」でしょ!と思いたいところですが、ご飯は仕事をする・しないに関わらず食べるものなので、「経費」にすることはできません。

しかし、「食事代の半分以上を従業員が負担している」「会社が負担した金額が月額3,500円以下である」この2つの条件を満たしていれば、「福利厚生費」として食事代を「経費」にすることができます。

もしこれがひとりではなく、複数人での打合せであれば、「会議費」として「経費」にすることができます。
ただし、1.でお話ししたように、領収書やレシートの裏に名前と何をしていたのか、これらに加えて、人数も記載しなければなりません。

3.「会議費」にできるといいことがある?

1、2では、主にひとりでどこかへ行った時の「経費」についてお話しましたが、ここでは「接待交際費」と「会議費」についてお話したいと思います。

まず、「接待交際費」というのは、法人税法上の「交際費等」にあたります。交際費等とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等に関する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」のことです。

仕事をしていくうえで、「新商品の売り込み」や「親交を深める」ために、取引先の人と会食をすることがあると思います。
その際にかかる費用は「会議費」と「接待交際費」どちらに分類されるのでしょうか?
「経費」にできるのなら、どちらになっても同じじゃないの?と思うかもしれませんが、実はこれ、「法人」にとってとても重要なことなのです。

何が重要なのか・・・それは、「接待交際費」だと年間800万円までしか損金計上できないからです。(資本金1億円以下の会社に限る。)
つまり、接待交際費は年間800万円を超えてしまうと、法人のお金だけが減り、節税効果を得ることができません。
利益は「売上」―「経費」であり、「税金」は、この利益に対して課税されるため、「経費」になった方が、課税される「税金」の額も小さくなります。

これを踏まえると、一定額を超えると「経費」にできない「接待交際費」ではなく、金額に関係なく「経費」にすることができる「会議費」としたいですよね。

「会議費」とするためには、会食の目的が会議をするためなのかをきちんと判断し、会食の費用が高額な場合は、議事録等を作成し、会議をしていたという証拠を残すようにしましょう。

4.まとめ

今回は、「経費」にできるもの、できないものについてお話をしました。
ひとりでカフェや喫茶店に行った時の食事代が「経費」にできたり、ひとりで食べたご飯代は「経費」にならなかったり、仕事に関係するものすべてが「経費」になるわけではないこと、仕事をせず、休憩していたときにかかった費用も「経費」にできる場合があること、「経費」には様々な種類があることが分かっていただけたと思います。
ぜひこの記事を参考に、今後の仕事に活かしていただければと思います。

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