弁護士コラム

2019.05.17

【相談事例59】仕事で撮影した写真は誰のもの??

【相談内容】

 飲食店を経営している者です。

 先日、従業員に指示して、店のホームページに載せる店の外観を撮影するように指示しました。その従業員は写真撮影を趣味にしており、一眼レフカメラで撮影してくれて、とてもいい写真を撮ってくれて、それ以来ずっと店のホームページや飲食店が掲載されているサイトにその写真を掲載していました。

 この度、写真を撮ってくれた従業員が退社することになりました。従業員が退社したあとも、その人が撮影してくれた写真を継続して使いたいのですが、著作権の関係などで問題はないでしょうか。

【弁護士からの回答】

 最近では趣味で一眼レフカメラを持たれている方も多く、プロ顔負けの写真を撮影される方も少なくないと思います。
 では、ご相談者様の事例のように、従業員さんが撮影された写真について、使用者が自由に使用することはできるのでしょうか。

1 写真の著作物性

 ご相談の事例で問題になるのが、写真には著作権が認められるかという点にあります。著作権が認められる=写真が著作物に該当するかという点が問題になります。

 著作権法上「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法2条1項1号)とされており、写真についても、例えば証明写真等のように、創作性が否定されるもの以外、著作物に該当するとされています(著作権法10条1項参照)。

2 職務上著作について

 次に、写真の著作権を有する人、すなわち著作権者は誰になるのでしょうか。
 個人で写真を撮影する場合には、撮影を行った人が著作権者であり、撮影した写真について著作権を有することになります。
 そうすると、ご相談者様の事例でも、店の外観などを撮影した写真の著作権者は撮影した従業員になるということになりそうにも思えます。

 しかし、著作権法15条1項では、「法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」と規定されております。簡単にいうと、使用者の発意(具体的な指示)に基づき、業務上作成したものであり、使用者や法人の名で公表するものであれば、その著作者(著作権者)は、法人や使用者になるということを規定しています。

 したがって、ご相談者様のケースでも、撮影を依頼した際に、写真の著作権について取り決めをしている場合等をのぞき、お店の外観を撮影した写真の著作者(著作権者)はお店ということになるため、従業員の方が退社した後もその写真を継続して使用することに関しては何ら問題ありません。
 著作権等の知的財産に関しては、企業や事業主の方があまり意識されない分野ですが、意外にトラブルにもなりやすい分野ですので、是非お気軽に弁護士にご相談ください。

 

掲載している事例についての注意事項は、こちらをお読みください。

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