弁護士コラム

2019.04.26

【相談事例50】破れたお札は交換してもらえる?~紙幣の引き換えについて~

【相談内容】

先日、自宅の掃除をしていると、何十年の前に隠したのであろう母のへそくりが見つかりました。

母も亡くなっており、へそくりを見て懐かしい気持ちになったのですが、へそくりとしてのお金は封筒などに入っていなかったためボロボロの状態で、中には破れて半分しか残っていないお札もありました。

そのようなボロボロの紙幣は処分するしかないのでしょうか。

【弁護士からの回答】

前回、貨幣の通用限度等についてご説明させていただいた際、紙幣の引き換えの制度について簡単にふれさせていただきましたが、今回は具体的な引き換えの基準などについてご説明させていただきます。
ご相談者様のように紙幣が半分程度しか残っていない場合であっても、引き換えできる場合が多いのであきらめる必要はありません。

1. 紙幣の引き換えについて

まず、紙幣がボロボロの状態になったからといって価値がゼロになるわけではありません。

日本銀行法48条では、「日本銀行は、財務省令で定めるところにより、汚染、損傷その他の理由により使用することが困難となった日本銀行券を、手数料を徴収することなく、引き換えなければならない。」と規定しており、紙幣については無償で引き換えを行うことができると規定されています。

具体的には、日本銀行や、お近くの銀行により破損などした紙幣を持参すれば引き換えてもらうことができます。
そして、上記法律をうけた日本銀行法施行規則8条1項により、
表裏の両面が具備されていることを前提として

① 券面の三分の二以上が残存するものについては額面価格の全額
② 券面の五分の二以上が残存するものについては額面価格の半額

といった基準で引き換えがなされることになります。すなわち、紙幣の5分の2未満しか残っていない場合を除けば、金額が半額にはなってしまいますが、引き換えてもらうことができます。

なお、破れて2つに分かれてしまった紙幣の引き換えについても規定があり、上記施行規則8条2項では、「日本銀行券の紙片が二以上ある場合において、当該各紙片が同一の日本銀行券の紙片であると認められるときは、当該各紙片の面積を合計した面積をその券面の残存面積として、前項の規定を適用する。」と規定されており、破れた各紙片の合計面積が5分の2以上であれば半額、3分の2以上であれば全額引き換えることができます。

2. 紙幣を受け取る側の注意点

このように、破損している紙幣であっても、新しい紙幣と引き換えが可能ではあるため、多少の破損であれば後に引き換えが可能な場合であることが通常であるため、お店などでも多少であれば、通常の状態でない紙幣も支払いの際に受け取っても差し支えないでしょう。

もっとも、ボロボロの紙幣の場合、お釣りなどで使用するには適さず、銀行などで引き換えをする手間も生じます。
また、破損の具合によっては、減額されて引き換えがなされる場合もあるため、あまりにも破損している紙幣の場合受け取りを拒否するなどの対応も必要です。

 

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