弁護士コラム

2019.04.25

【相談事例41】警察官のコスプレは違法?~軽犯罪法違反について③~

【相談内容】

軽犯罪法では、列に割り込む行為なんてものも取り締まっているのですね。
そういえば、昨年、ハロウィンの時にコスプレをして街に行ったのですが、その際、警察官の人がいると思ったらよく見るとコスプレをした人でした。

本物の警察官と間違う人も多く、ふざけて取り締まりのような行為もしていたのですが問題ないのですか?

【弁護士からの回答】

これまで2回にかけて軽犯罪法違反の行為についてご説明させていただきましたが、今回も軽犯罪法違反に関する問題です。

近年ハロウィンでの大騒ぎなどがニュースなどで取り上げられ問題となっていますが、警察官のコスプレを行うことも問題点についてご説明させていただきます。

1. 官名詐称(軽犯罪法1条15号)

軽犯罪法1条15号では、「官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者」処罰すると規定しています。

簡単にいうと、警察官等であると偽る行為や、警察官の制服やバッジや警察手帳等を偽造したりする行為は軽犯罪法違反になります。

2. 警察官のコスプレは違法か?

軽犯罪法にて、官名詐称が禁じられている理由は、警察官等の制服等について資格を持っていない人が着用し警察官になりすますことにより、警察官等一定の職業や資格に対しうる国民の信頼を損なうことにつながるため処罰対象となっています。

すなわち、警察官を装っている人が横行することにより、一般の人においてこの人が本当に警察官であるのかと疑い、助けを求められない場合や、国民の信頼が損なわれることにより、警察官の職務の遂行を妨げることになってしまうため、法律で行為を制限しています。

したがって、ご相談者様の事例のように精巧なコスプレにより一般の人から見て単なるコスプレとしての範疇を越えて、本物の警察官であると見間違うような場合であれば、軽犯罪法違反ということで処罰の対象にはなってしまいます。

特に、近年では、ハロウィンにより非常に多くの人が集団で集まり時には暴徒のように暴れてしまうことも少なくないときに、警察官と見間違うようなコスプレをしてしまうと、本物の警察官による騒動を抑える仕事も邪魔してしまう可能性が非常に高いため、くれぐれもそういったコスプレは控えた方が良いでしょう。

 

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