弁護士コラム

2019.04.09

【相談事例34】裁判員裁判について②~裁判員裁判対象事件とは~

【相談内容】

仕事もせず、お金がなかったため、コンビニやスーパーなどで万引きを繰り返していました。
また、夜のタクシー等であれば使っても暗くてバレないだろうと思い、1万円札をプリンターでコピーし、偽札としてタクシーの料金の支払いに何度が使っていました。

コンビニやタクシーの防犯カメラが原因で先ほど逮捕されてしまいました。以前にも窃盗で逮捕・起訴されたことがあり、その時は裁判官1人で裁判がなされました。

今回も起訴されると思うのですが、今回も裁判官1人でそんなに時間もかからず終わりますか??

【弁護士からの回答】

このご相談事例では、結論からお伝えすると、起訴された場合には裁判員裁判として審理が行われる可能性が非常に高いです。

今回は、どのような事件が裁判員裁判として取り扱われることになるのかという裁判員裁判対象事件についてご説明させていただきます。

1 裁判員裁判対象事件とは

どのような事件が裁判員裁判対象事件になるかについては、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」に記載されており、

①死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件(法2条1項1号)

または

②法定合議事件(法律上合議体で裁判することが必要とされている重大事件)であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に関するもの(法2条1項2号)

と規定されています。
簡単に言うと、①法律で死刑や無期懲役(禁固)と規定されている犯罪か、②故意の犯罪に行為により人が死亡した事件(法定合議事件であることも要件になります。)が裁判員裁判対象事件となります。

2 具体例①(法律で死刑や無期懲役にあたる罪)

殺人罪や、強盗致死罪(強盗殺人罪)、現住建造物等放火罪のように、法定刑に死刑が定められているものは裁判員裁判の対象です。

また、身代金目的略取罪、強盗致傷罪のように法定期に無期懲役等が規定されているものも対象事件になります。

ご相談者様の事例では、万引きの犯罪(窃盗罪)は裁判員裁判対象事件ではありませんが、1万円札をコピー機でコピーし、偽札をタクシーの支払いに使う行為は、通貨偽造罪及び偽造通貨行使罪(刑法148条)に該当します。

そして通貨偽造の罪は「無期又は3年以上の懲役」と規定されているため、仮に、今回の事件で窃盗罪のみならず、通貨偽造及び同行使罪についても起訴された場合には、裁判員裁判対象事件ということになります。

通貨偽造罪がこのように非常に重い罪になっている理由は、刑法自体が制定されたのが明治時代であり、当時の通貨(紙幣)には、今のように偽札防止の技術が発展していなかったため、無期懲役という非常に重い刑罰を定めておくことで犯罪を抑止する必要があったためです。

3 具体例②(故意の犯罪に行為により人が死亡した事件)

故意(意図的に、わざと)に行った犯罪行為により、人が死亡してしまった場合には、重大な事件として裁判員裁判の対象となります。

具体的な罪名としては、傷害致死罪、危険運転致死罪、保護責任者遺棄致死罪などがこれにあたります。

 

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