弁護士コラム

2019.02.18

親権者にこだわる理由について

【ご相談者様からのご質問】

妻と離婚を考えています。妻との間には、4歳の息子がいるのですが、息子の親権はどうしても私が欲しいです。
妻は専業主婦で、私は土日以外、基本仕事で家にはいません。また、私の実家は他県で離れており、私の代わりに息子の面倒を見てくれる人もいない状況です。
このような状況では、自分が親権者になることは不利な状況ではあるとはわかっているのですが、どうしても親権は欲しいです。これだけ親権を欲しいということを主張すればどうにかならないでしょうか。

【弁護士からの回答】

お子さんの親権について主張されるご相談者様の中にも、「これだけ、親権者になりたいと思っている」ということを熱く語られる方がいらっしゃいます。おそらく、その方は、どれだけ親権者になりたいかという点が、親権者の判断に大きく左右するのだと考えているのでしょう。
しかし、これまでもご説明してきたとおり、親権者の判断はあくまで「子の福祉」を基準に判断するものであることを親としてきちんと理解する必要があります。
そこで、今回は、親権者になりたいという思いや、親権者に固執する理由、必要性についてお話しさせていただきます。

1 親権者の判断要素と親権者の思い

これまで、何度もご説明しているように、「子の福祉」を基準に判断します。簡単に言えば、父親、母親のどちらの監護下で生活するのが、そのお子さんにとって適しているかという点を判断します。
そのような判断要素の中で、確かに、未成年者に対する愛情の深さについては、考慮要素自体になることには争いはありません。しかし、一番大事な要素としては、生活環境がどのような環境であるのかであるため、環境が悪いときに、どれだけ愛情があると主張したとしても、親権者になれるわけではありません。
したがって、調停等においては、自分が親権者としてふさわしいと思う事情を主張するときに、「どれだけ、自分がお子さんを想っているか」という点を主張するよりも、「これだけの環境を確保することができるので、こちらの環境の方が子どもの福祉の観点から適切である」という主張を行う方が効果的であると言われています。

したがって、ご相談者様の事例では、主たる監護者は相手方の奥さん(母)であり、その監護状況が問題ない場合には、親権者について争ったとしても、相手方に指定される可能性が高いでしょう。

2 親権者に固執する理由

ご相談者様の事例のように、弁護士からも客観的にみて、親権者は相手方になるのではないかと思われる状況でも、親権に固執されるご相談者は少なくありません。
しかし、そのようなご相談者様のお話を聞いてみると、親権についてよく理解をしておらず、とりあえず、親権者という名目が欲しいという意識の方も多く見受けられます。
よくよく話をきくと、現実的に、お子さんを養育することは困難である場合や、親権者でなくなると、子どもと触れあることができないと考えている方がいらっしゃるようです。
親権者でなくとも、お子さんの親であることには変わりはありません。別の機会にご説明させていただきますが、親である以上、お子さんと面会交流等で触れ合うことは親やお子さんの権利であるため、親権者でなくともお子さんと触れ合うことは十分にできるのです。

ご相談者様の事例のように、ご相談者様の元よりは相手方の監護下の方がお子さんの健全な養育には適切な環境である場合、本当にお子さんのことを考えるのであれば、監護養育については、相手方へ任せ、面会交流などによりお子さんと父親として接することでお子さんの成長を見守るということも選択肢として考えるべきではないかと考えています。
客観的に見て、相手方が親権者として適切である状況であるにもかかわらず、親権を主張するとなると、どうしても相手方の生活環境やはたまた人格等を攻撃してしまうことも少なくありません。
そうなると、離婚後、相手方が親権者となった後、お子さんとの面会交流をスムーズに行えなくなる可能性もあります。

離婚により、夫婦としての関係は終了しますが、お子さんの親としての関係まで完全に断ち切ることは通常困難です。したがって、未成年のお子さんがいらっしゃる場合には、離婚後の関係も考慮して離婚を進める必要があります。
離婚後のお子さんとの関係を考えて離婚を進めるためにも、是非一度、弁護士にご相談ください。

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