弁護士コラム

2019.02.18

不貞行為と親権者について

【ご相談者様からのご質問】

妻と結婚して20年になります、娘が1人おり17歳です。1年程前から妻の様子がおかしかったのですが、先日、妻が他の男性と不貞行為を行っていることわかりました。
自分を裏切った妻とは婚姻関係を継続していくことは考えられないため、離婚を考えていますが、娘の親権については、絶対に渡したくありません。
不貞行為を行っている人は親権者としてふさわしくはないと思います。

【弁護士からの回答】

これまで、有責配偶者からの離婚請求についてご説明させていただきましたが、今回は、少し違う側面として、不貞行為と親権者の関係についてです。
ご相談者様の事例のように不貞行為をした配偶者との間で親権について問題になるケースは少なくありません。
そこで、今回は、不貞行為が親権者の判断に及ぼす影響についてご説明させていただきます。

以前にもお伝えした通り、親権者を夫と妻のいずれとすべきかについては、「子の福祉と利益」を基準に判断することになります。具体的には父母の属性、監護状況、子の心身の状態や場合よっては子の意向等を総合的に考慮して判断していくことになります。
したがって、不貞行為を行ったことが親権者としての適格性を欠くというふうにダイレクトにつながるものではありません。
ご相談者様のように、「不貞を行っているのだから親権者にはなれない」というようなロジックは働かないため注意が必要です。

もっとも、不貞行為を行っていたことにより、上記親権者の判断に影響を及ぼす場合があります。
例えば、夜に幼い子をおいて不貞相手のところに頻繁に出向いていたような場合には、育児放棄と同視し得るため、不貞行為を行ったということよりも、育児を行っていないとして、不利に判断されることになると思われます。
ご相談者様の事例では、未成年者のお子さんが17歳とある程度自立されているため、育児放棄とまで認められるかについては、不貞行為の内容にもよりますが、微妙なところではないかと思います。

また、未成年者のお子さんが、親が不貞行為を行っていることを知っていた場合には、不貞行為を行っている親に対する悪感情から、未成年者自身が拒絶する場合も少なくなりません。親権者の判断要素において、年齢が一定程度(12歳程度)になれば、未成年者自身の意向が非常に重視されることになります。
したがって、ご相談者様のケースでも、娘さん自身が、母親のことを拒絶している場合には、親権者として父であるご相談者様が指定される可能性も十分に考えられます。
他方で、娘さんが母親と一緒にいたいという意向が強い場合には、仮に、母親が不貞行為を行っていたとしても、ご相談者さまが親権者に指定される可能性は低くなるのが一般的です。
 
このように、親権者の判断は、相手方が不貞行為を行っているからといった単純な理屈で判断されるものではないため、親権者の判断についてお悩みの方は、是非一度、弁護士にご相談ください。

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