弁護士コラム

2018.06.20

未成年が偽ってお酒を勧めてしまった場合は逮捕?

【相談事例⑤】

 未成年が成人であると偽っているにもかかわらず、お酒を勧めてしまった場合、逮捕されたりするのでしょうか?

また、未成年と分かった上で、飲酒を勧めてなくても一緒に飲んでいるだけでいけないのでしょうか?

【弁護士からの回答】

最近,芸能人がお酒の席に同席した未成年者に飲酒を強要したとして活動休止処分になりました。「お酒は20歳になってから」というCMでも表記でもあるように未成年者の飲酒は禁止されていますが,その根拠や違反した場合に本人や周囲の人がどのような制裁を受けるのかについて理解されている方はすくないと思います。そこで,本日は未成年者の飲酒についてご説明させていただきます。

 

 まず,未成年者の飲酒を禁じている根拠については「未成年者飲酒禁酒法」という法律があり,この法律は大正時代に制定された古い法律なのですが,この法律は,未成年者(満20歳に至らない者)は酒類を飲用してはいけないと規定されているのですが(1条),未成年者がその規定に違反して飲酒をしてしまったことに対する罰則は何ら規定されていないのです。したがって,未成年者が飲酒をしたとしても何か刑罰に問われることはありません。もっとも,飲酒の事実が明らかになると,警察から補導されることにはなりますし,それにより高校や大学などで停学や退学等の処分をうけることになりかねませんので,くれぐれも未成年での飲酒はしないよう注意が必要です。

 次に,未成年者であることを知りながらお酒を提供した場合,提供した飲食店に対しては,未成年者飲酒禁止法により,50万円いかの罰金が科される可能性があります。したがって,飲食店においては,未成年者の飲酒を認めないというような張り紙を掲示したり,未成年者と疑わしい人に対しては身分確認などを行い,未成年者でないと認識して飲食を提供したという状況を確保する必要があります。したがって,ご質問にあるように,未成年者であると偽られ,飲食を提供したとしても未成年者と知りながら飲食を提供したことにはなりませんで,罰則が科されることはありません。

 では,未成年者と知りながら飲酒を進めた同席者(大学の先輩や,ご相談のケースのアイドルの場合等)については何か罰則等は科せられるのでしょうか。未成年者飲酒禁止法では,未成年者の保護者又は監督代行者が未成年者の飲酒を制止しなかった場合に,科料(1000円以上1万円未満の金銭的な制裁を科す処分です。)という処分がなされます。すなわち,親族もしくは親族と同視すべき立場にある人に該当しなければ,未成年者の飲酒を制止しなくとも,犯罪自体には問われることはありません。したがって,アイドルによる飲酒の強要についてもそれ自体で,何か犯罪に触れるというものではありませんが,飲酒を禁じられている未成年者へ強要したという点では道義的,倫理的に問題があるとして活動を自粛することになったのだと思います。

 このように,未成年者の飲酒それ自体に関しては犯罪に該当する場合は少なくありませんが,飲酒をきっかけにして別の犯罪に巻き込まれ,または,過度の飲酒により急性アルコール中毒など取り返しのつかない事態になってしまうことも少なくないため,未成年者の飲酒は絶対に控えるべきですし,同席している人が責任をもって飲酒させないように心がける必要があると考えます。

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