弁護士コラム

2018.01.14

離婚訴訟の特徴(職権探知主義)について

<ご相談者様のご質問>

  民事訴訟については一度簡易裁判所ですが自分で起こしたことがあります。その時は相手が欠席したので,すぐに勝訴判決を得ることができました。したがって,離婚訴訟も自分自身でできるのではないかと考えています。離婚訴訟と民事訴訟ではなにか違いがあるのですか。

 <弁護士からの回答>

  離婚訴訟については,原則として民事訴訟法が適用され,民事訴訟法のルールにしたがって運用,進行していきますが,人事訴訟でもあることから,人事訴訟法によって,通常の民事訴訟とは異なる仕組みやルールによって運用されていく場面もあります。その中でも,離婚訴訟の中でも大きな特色である職権探知主義についてご説明させていただきます。

 私人間の法律関係については,原則として当事者の自由な意思にゆだねるべきであるという私的自治の原則にしたがって,民事訴訟においても,当事者が主張しない事実を裁判所が勝手に認定することは許されません。まこれを弁論主義といいます。これに対し,離婚訴訟の場合には,夫婦関係という身分に関する事項を扱うものであり,公益性があることから,弁論主義は採用されておらず,職権探知主義というものが採用されています。人事訴訟法20条では,「裁判所は,当事者が主張しない事実をしん酌し,かつ,職権で証拠調べをすることができる。」と規定されており,裁判所は,当事者が主張していない事実であっても判決の資料とすることができます。また,当事者に対し積極的に証拠を提出するよう求めたり,主張を促したりすることができます。

  上記の職権探知主義が採用されていることにより,相手方が答弁書も提出することなく,かつ期日に出廷することがない場合であっても,民事訴訟のように擬制自白(民事訴訟法159条)が認められていわゆる欠席判決が出されることはなく,相手方が一切出廷しない場合であっても,きちんと証拠に基づき主張を行わなければ,離婚が認められないことになります。

  このように,離婚訴訟では職権探知主義が採用されていることから,相手方が出席しないために1回で期日が終了することもなく,何度か裁判所へ出廷する必要があります。
  また,期日では,裁判官から積極的に主張立証を促され(釈明といいます。),準備書面を作成したり,証拠を準備する必要があり,簡易裁判所での民事訴訟とは異なり,おひとりで訴訟を行うことは相当困難です。
 弁護士に依頼することで,第1回目の期日から充実した主張や証拠を提出することで,早期に離婚を成立させることも可能ですので,是非弁護士にご相談ください。

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