弁護士コラム

2018.01.12

訴状の送達について

<ご相談者様からのご相談>

  2年前に夫が突如家を出てしまい,今どこに住んでいるのかわかりません。いつまでも夫との関係をこのままにしておこうとは思いません。こんな場合でも離婚訴訟をすることができるのでしょうか。

<弁護士からの回答>

 裁判を起こすためには,訴状を相手(被告)に送達する必要があります。相手の住所が分かっている場合には何ら問題はありませんが,相手の住んでいる場所が分からない場合には,訴訟を起こすのにも若干手間がかかります。そこで,本日は,離婚訴訟における送達の方法についてご説明させていただきます。

 訴状は,裁判所から当事者に正式に通知する送達という手続きを完了して初めて手続が進行することになります。そして,送達の方法についてはいくつかあるのですか,一般的な方法として,通常送達,就業先送達,付郵便送達,公示送達があります。
 通常送達は,相手方の居場所が分かっている場合に行われる送達方法であり,住所,居所等に特別送達(書留郵便に似たものであり,宛名となっている者に対し直接渡さなければならない郵便のことです。)により送付するものです(民事訴訟法103条1項)。

  相手方の所在が分かっていない場合や相手が受け取らない場合については,まず,相手の職場が判明している場合には,就業場所送達として,勤務先への送達が認められることがあります(民事訴訟法103条2項)。
  相手が受け取らず,かつ就業場所が分からない場合には,相手方が受け取らなくても,発送したときに送達したものとみなされるという付郵便送達(民事訴訟法107条1項3項)という方法により送達をすることができます。もっとも,この付郵便送達を行うためには,相手方が住民票上の住所地に住んでいることが明らかであることが必要になります。そのため,住民票上の住所地に現地調査(インターホンを鳴らしたり,近隣の人に聞き込みをしたり,ガスメーター,電気メーター等を確認したりします。)を行い,その結果を報告書として裁判所に報告をする必要があります。

 最後の公示送達ですが,就業場所もわからず,住民票上の住所地に居住している実態がなく,相手方の所在が不明であると裁判所が判断した場合には,公示送達(民事訴訟法110条)という,裁判所の掲示板等に掲示する方法により送達を完了することができます。
  このように,相手方の所在が不明であったとしても訴訟を提起することが可能ですが,付郵便送達や公示送達をするためには,現地調査を行って報告書を作成する等専門的な作業が必要ですので,弁護士に依頼して訴訟を行うべきです。

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