弁護士コラム

2018.01.11

離婚訴訟の管轄について

<ご相談者様からのご質問>

  裁判となるととても大変なのですね。弁護士さんに依頼して進めようと思いますが,一つ不安な点があります。現在夫とは,別居しており夫は東京,私は実家の福岡に住んでいます。離婚調停は夫が申し立てたので,福岡の家庭裁判所で行いました。離婚の訴訟の場合は調停と異なり,夫婦それぞれの住所地の裁判所に起こすこともできると聞いたことがあるのですが,本当ですか。

<弁護士からの回答>

  離婚調停においても管轄のご説明をさせていただきましたが,離婚訴訟における管轄に関するルールは調停におけるルールと異なるルールがあるので今回は離婚訴訟における管轄をご説明させていただきます。

 まず,離婚や認知など,夫婦や親子等の関係についての争いを解決する訴訟を「人事訴訟」といい,離婚訴訟も人事訴訟に含まれます。そして,人事訴訟に関しては通常の民事訴訟とは異なる点について,人事訴訟法という法律により規定しています。離婚訴訟の管轄については,当事者つまり夫又は妻の普通裁判籍を有する地(人事訴訟法4条1項)であり,夫又は妻の住所地を管轄する家庭裁判所に訴えを提起することになります。
  離婚調停の場合には原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所が管轄でしたが,離婚訴訟の場合には,夫婦いずれかの住所を管轄する裁判所に起こすことが可能になります。夫婦の住所が違って管轄裁判所が異なるときは,夫婦のどちらが先に訴えを提起したかによってどの家庭裁判所で離婚訴訟を行うかが大きく変わってきます。したがって,離婚訴訟を起こすことを決意されている場合には早期に訴えを提起した方がよいでしょう。
  仮に,相手方が先に自身の住所地を管轄する裁判所に訴えを提起した場合,自分の都合の悪い場合には,移送の申立(人事訴訟法7条)を行うのがよいでしょう。離婚調停を行っていた裁判所に対する移送などは認められる可能性があります。

  特に,夫婦間に未成年者の子がいる場合には,親権者をいずれかにするか等を調査する必要性があることから,人事訴訟法31条において,移送をするか否かに際して,その子の住所又は居所を考慮しなければならないと規定されていることから,未成年者の子がいる場合には,移送が認められる可能性が高いと考えられます。
  仮に,移送の申立が通らなかった場合には,遠隔地の裁判所に出廷する必要があり,経済的にも時間的にも大きな負担を被ることになります。相手から先に離婚訴訟を提起された場合にはできるだけ早く弁護士にご相談ください。

WEB予約 弁護士法人菰田総合法律事務所アプリ
事務所からのお知らせ YouTube Facebook
弁護士法人菰田総合法律事務所 弁護士×税理士 ワンストップ遺産相続 弁護士法人菰田総合法律事務所 福岡弁護士による離婚相談所