弁護士コラム

2017.12.15

公正証書について

公正証書について

 <ご相談者さまからのご質問>

  インターネット等で「公正証書」という言葉を聞いたのですが,公正証書とは何ですか,どういった場合に公正証書を作成した方がいいのでしょうか。

<弁護士からの回答>

  これまでご説明してきた離婚協議書もこれからご説明する公正証書による離婚協議書のいずれも,作成をすれば,夫婦に権利義務(債権債務)が発生することに変わりはありません。しかし,相手方が金銭債務(お金を支払う義務のことです。)を履行しなかった場合に債権,すなわちお金を回収する際に,通常の協議書と公正証書とでは大きく進め方が異なってきます。そこで,本日は,公正証書の内容をご説明するとともに,どういった場合に公正証書を作成した方が良いのかについてご説明させていただきます。

 公正証書とは,公証人方に基づき法務大臣に任命された公証人が作成する文章のことを言います。公正証書の場合には,通常文書を作成する当事者(委任状があれば代理人でも可能です。)が公証役場に行き,公証人の前で作成することの意思を確認し,確認がとれた上で作成されます。

これまでお話ししてきた当事者(もしくは弁護士)が作成する離婚協議書は,私文書であるのに対し,公正証書は公文書になります。
公正証書と私文書の1番の違いは,公正証書には執行力が認められている点にあります。

まず,公正証書でも私文書の協議書であっても,作成をすると,記載されている条項通りの権利義務が発生すること自体に違いはありません。
しかし,相手方が金銭債務(養育費や慰謝料,財産分与等において,金銭を支払う義務(債務)のことをいいます。)を履行しない場合に,私文書の離婚協議書の場合には,強制執行(預貯金や給料を差し押さえる手続きをいいます。)をするためには,裁判や調停,審判などを起こして判決等の強制執行をするための効力(債務名義といいます。)を得る必要があります。これに対して,公正証書の場合には,上記で説明したとおり,公証人が作成する公正証書であることから,相手方が金銭債務を履行しなかった場合には直ちに強制執行をすることが可能になります。

 このように,金銭債務について,相手方が履行しない場合には公正証書を作成しておけば直ちに強制執行を行うことが可能になり,債権を回収できる可能性が高くなります。したがって,相手方から養育費を払ってもらう場合や,慰謝料や財産分与等について一括ではなく,分割で支払ってもらう場合には,後々に支払われなくなる可能性があるため,きちんと回収できるよう,公正証書で作成しておいた方がよいでしょう。
なお,すべての公正証書がこのような強制執行をする効力を有しているわけではなく,公正証書の中に,「この公正証書に記載した金銭債務の履行を怠ったときは,直ちに強制執行を受けても異議がないことを承諾した。」という文言(強制執行認諾文言といいます。)が入っている必要があります。

当事務所では,離婚協議書について公正証書にて作成を希望される方がいらっしゃる場合には,協議書の作成だけにとどまらず公証役場との日程調整や当日,公証役場への付き添い若しくは代理人として出頭することもさせていただいておりますので,公正証書の作成を考えられている場合には,是非一度ご相談ください。

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