弁護士コラム

2022.03.23

道でスケートボードに乗ってもいいの?

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2021年7月から、東京2020オリンピックが開催されました。
コロナウイルスの感染が原因で、1年開催が延期されましたが、日本人の選手の皆さんの活躍を連日見ることができ、私個人としては開催されてとてもよかったと思います。

印象に残る選手や試合はとてもたくさんあるのですが、私個人としては、体操男子の橋本大輝選手の個人総合での試合の様子は、家族でテレビにかじりついて見ており、金メダルが決まった瞬間は、2歳の長男も「やったー!」と喜んでおりとても感動したため、一番印象に残っています。

オリンピック

東京オリンピックから初めて採用された競技の中の1つに、スケートボードがあります。
ストリートとパークという競技があり、ストリートに関しては、男女どちらとも日本人が金メダルを獲得し、「13歳、真夏の大冒険!!」という実況もあいまって、競技後、スケートボードブームもおきました(オリンピック後に息子と故近所の公園に行くと、小さいお子さんがスケートボードでびくびくしながら練習している様子を見ると、ブームが来ていることを実感します。)。

しかしスケートボードは、操作も難しく、転倒の恐れも高く、また、道路等で乗ってしまうと、他の人への衝突などトラブルが生じる可能性もあるため、ブームでスケートボードに乗る人が増えることで、トラブルも増える恐れがあるということがニュースでも報じられています。

スケートボードを公道等で乗ることに関して、何か法律の規制があるかについて調べてみると、まず、スケートボードが法律上どういった位置づけになるかですが、スケートボードには方向指示器や、ブレーキなど軽車両として認められる部品等がついていないため、自転車等の軽車両には該当しません(モーターつきのスケートボード等の場合には、軽車両と認定される場合があるかもしれません。)

スケートボード

では、軽車両に該当しないからといって自由に乗っていいかというとそうではありません。
道路交通法76条4項では、「何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。」と規定し、第3号で「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。」規定しています。
スケートボードは、ローラー・スケートに類する行為に該当するため、「交通のひんぱんな道路」においてスケートボードを行うことは道路交通法上禁止されており、違反すると、道路交通法120条1項第9号により、5万円以下の罰金に処せられてしまいます。

このように、法律上は、交通の頻繁ではない道路であれば、スケートボードに乗っても何ら問題はないのですが、交通の頻繁な道路でない場合にも、歩行者や自転車との衝突の危険は非常に高く、万が一他の人にぶつかり、重症や後遺症を負わせてしまった場合には多額の賠償責任を負ってしまうこともあるため、なるべく公道では乗らないほうがいいでしょう。

こうした路上での使用等が減るためにも、スケートボードを行うことができる施設などが充実すればいいなと思います。

 

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