弁護士コラム

2021.09.30

デジタル遺産に関するトラブル

皆さんは、デジタル遺産といった言葉をお聞きになったことはありますでしょうか。

デジタル遺産に関するトラブル高齢化社会といわれる現代において、相続、すなわち、自身や家族が亡くなった際のことが、世間で注目されるようになってきたため、テレビのニュースなどでも報じられるようになり、デジタル遺産という言葉を耳にされた方もいらっしゃると思います。

 

デジタル遺産とは、一般的には、仮想通貨やFXのアカウントや電子口座、SNSのアカウント、スマートフォンのアカウントなど、デジタル形式で保管されている財産のことをいいます。

通常相続手続というと、預貯金や、不動産、投資をしている方等は投資用の口座などが相続財産というイメージがあると思います。

上記のようなネットワークを通じての財産を保有されている方も非常に増えているため、このようなデジタル遺産についても、生前にきちんと整理しないと、残されたご家族に多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。
そこで、今回はデジタル遺産に関するトラブルやそのトラブルが起きないようにするための対処法についてご説明させていただきます。

まず、デジタル遺産に関するトラブルが起きる原因は、そのほとんどが、お亡くなりになった方のアカウントのパスワードが分からないことが原因で起きています。

実際にあったケースとしては、以下のようなトラブルがあったようです。

CASE.1
ご主人がお亡くなりになったことをご主人のお知り合いにお知らせしなければならないのに、ご主人が知人の連絡先をすべてスマートフォンにのみ登録しており、奥様は暗証番号を知らなかったため、葬儀に呼ぶべき方をお呼びすることができなかった。

CASE.2
夫はネットでの動画や音楽の定額購入サービスや有料サービス等に多数加入しており、奥様は、ご主人の生前にどのようなサービスに加入していたかも一切把握していなかったため、亡くなった後、携帯やパソコンのパスワードがわからず、サービスを提供する会社に連絡することができず、毎月多くの料金が引き落とされてしまった。

CASE.3
夫がFXや仮想通貨を持っていることを知らず、夫が亡くなってしばらくして、そのような暗号資産等をもっていることが分かった。
しかし夫が亡くなった時点では、ある程度価値を有していた暗号資産が夫の死後放置していた期間に暴落してしまった。相続税の算定の際には、被相続人が死亡した日の価額を基準に相続税を算定するため、他の財産と併せて、多くの相続税を支払わなくてはならないが、暗号資産が暴落してしまったため、その他の相続財産や、妻本人の財産から相続税を支払うことを余儀なくされた。

 

デジタル遺産に関するトラブルこのように、デジタル遺産に関し、親族がパスワード等の情報を知らないことにより残された親族に対し、非常に大きな迷惑をかけてしまうケースが非常に多く発生しています。

特に、CASE.3では、本来全財産を基準とすると相続税の申告及び納税が必要であるにもかかわらず、暗号資産の存在を知らずに相続税の申告は不要であると考えて、放置していた場合、本来の相続税のみならず、無申告加算税・重加算税・延滞税等多額の税金を支払うことにもなりかねません。

このように、残されたご遺族の方にご迷惑をおかけしないためにも、ご自身の終活を考えられている場合には、きちんとデジタル遺産に関する対策も行う必要があります。

具体的には配偶者やお子さん等身近な家族には、自分にはどういった財産があることや、どういったサービスを利用しているか、アカウントのID、パスワードなどを一覧にしたメモ等を準備し渡しておくなどし、残されたご家族において、どこに何があるのかということすらわからない状況をなくすことが有益であると思います。

デジタル遺産に関するトラブルもっとも、日本人の場合には、アメリカ等の諸外国と異なり、自身や親族が亡くなった後のことを生前に話すことを縁起が悪い等の理由により敬遠される方が非常に多いです。

 

しかし、デジタル遺産を含めたご自身の財産や債務などをきちんと整理しておかないと、ご自身が亡くなったことだけでもご遺族は悲しまれているのにさらにご迷惑をおかけしてしまうということは、ご本人も絶対に避けたいはずであるため、きちんと整理することが必要であると思います。

そこで、ご親族などに事前に情報をお伝えすることに抵抗がある場合には、遺言書を作成することをおすすめします。

遺言では、原則としてお持ちの財産についてはすべて列挙し、それを誰に相続させるかについて記載することになるため、遺言で全ての財産について記載しておけば、残されたご遺族において、どのような財産を有していたかについては遺言書を見ればすぐにわかることになります。

また、遺言には、上記財産の帰属先などの遺言の本旨として記載すべき事項以外にも、ご家族への今までの感謝の気持ちや、遺言書を作成するに至った思い等を記載することも可能です(これを「付言事項」といいます。)。

この付言事項において、どういったアカウントを有していたか、パスワードの等の個人情報の保管場所等について記載をしておくことにより、ご遺族に上記のようなトラブルが発生することを防ぐことができると思います。

当事務所は、遺言書の作成等相続事件を専門的に取り扱っておりますので(博多駅に隣接するKITTEマルイの5階にて「相続LOUNGE」も運営しております。)、デジタル遺産も含めた相続に関するお悩みについては、是非当事務所にご相談ください。

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