弁護士コラム

2018.04.16

親権者判断の基準①

<ご相談者からのご質問>

親権者の判断要素についてはわかりました。
では,裁判官は判断要素をもとにどのような基準で親権者を判断するのでしょうか。インターネットなどでは「母性優先の原則」等があり母親が有利であると判断されると聞いたのですが,本当ですか。私の家庭では,いわゆる専業主夫という形をとっており,子どもが生まれた時から,妻ではなく私が子どもを育ててきたのですが・・・・

<弁護士からの回答>

前回は,親権者指定の判断要素についてご説明しましたが,今回から数回に分けて,裁判官がどのような基準で親権者を判断しているのかについてご説明させていただきます。

 1 「母性優先の原則」の有無

「母性優先の原則」とは,子(特に幼児)については,母親の存在が不可欠であるとして,特段の事情がないかぎり母親を親権者に指定するべきという考え方です。しかし,前回もご説明したとおり,親権者の判断は,「子の福祉」の観点からどちらがふさわしいかという観点から判断されるため,母親であることということが直ちに「子の福祉」から親権者として相応しいと判断されることにはなりません。よって,建前上は「母性優先の原則」という原則は採用されていません。

 もっとも,前回もご説明したとおり,親権者の判断要素として子の監護状況(監護実績等)については,非常に重要な判断要素となっており,日本においては夫が外で働き,妻が家で子を育てるという形が一般的になっているため,母親(妻)が子を監護していることが多いため,母親が親権者として指定されることが多いです。
したがって,よく,親権に関してご相談に来られる方からも「母親だと有利になりますか。」というご質問をいただくのですが,その際には,「母親というだけで有利になるということにはなりませんが,お子さんの養育状況等から母親の方が親権者として指定されることが多いです。」と回答するようにしています。

ご相談者様の事例では,ご相談者様が主にお子さんを監護してきたということですので,監護実績の点においては,ご相談者さまが有利と判断される可能性が高いといえるでしょう。

当事務所へご相談に来られる男性の方には,よく,どうせ母親が親権者として選ばれるのだから親権はあきらめていると話される方がいらっしゃいますが,親権者の判断においては,父親,母親という観点のみならず多くの要素をもとに判断していくため,必ずしも親権者になれないということはありませんので,是非親権について悩まれている場合にはいち早く弁護士にご相談ください。

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