弁護士コラム

2018.03.02

特別縁故者について①

特別縁故者について①

 

 

 

<ご相談者様からのご質問>

【ケース①】
10年以上内縁関係にあった夫が先日亡くなりました。席を入れていなかった理由は,夫には前妻との間の子がいたためそのお子さんに配慮してのことでした。夫の財産については一切受け取ることができないのでしょうか。

【ケース②】
10年以上内縁関係にあった夫が先日亡くなりました。夫には配偶者も子どももおりません。夫の両親等も既に亡くなっています。夫の財産については一切受け取ることができないのでしょうか。

<弁護士からの回答>

  ケース①とケース②でご相談者様が置かれている状況についてはほとんど同じに思えますが,結論自体は異なります。今回は,内縁配偶者の相続と特別縁故者についてご説明させていただきます。

 以前にもお話ししましたが,法定相続人である「配偶者」とは,法律上の配偶者のみであり,事実婚状態の内縁の妻は法定相続人にはなりません。もっとも,内縁の妻に関しては,単に婚姻届が提出されていないだけで,その実質は法律上の配偶者と同じであることから,法律上の配偶者と同様の保護が図られています。具体的には,内縁関係を解消する際には財産分与の請求だけでなく,相手方に帰責事由が存在する場合には,内縁関係解消を原因とする慰謝料請求を行うことも可能です。

 しかし,内縁状態の場合,配偶者が死亡してしまうとすべて相続の手続により進んでしまうため,パートナーの死後に財産分与の規定を準用などして財産を得ることもできません(最高裁判所平成12年3月10日決定)。したがって,ケース①の場合には,ご相談者様のパートナーを被相続人とする相続における相続人は,お子さんになられるので,ご相談者様は財産を一切得ることができません(財産を得るためには,パートナーに遺言を作成してもらう必要があります。)。

 では,ケース②の場合にはどうでしょうか。ケース①と異なり,ご相談者様のパートナーの方には法定相続人がいらっしゃいません。別の機会に詳しくご説明させていただきますが,相続人が存在しないと最終的に判断された場合には,被相続人が有していた財産は国庫(国の財産)に帰属することになります。しかし,死亡した人に相続人が存在しない場合等であっても,「被相続人と生計を同じくしていた者」,「被相続人の療養看護に努めた者」,など「被相続人と特別の縁故があった者」(特別縁故者といいます。)がいる場合には,その者からの請求により,家庭裁判所が相当と認めるときには,相続財産の全部又は一部を取得することができます(民法958条の3第1項)。したがって,ご相談者様の場合にも,相続人ではないものの,特別縁故者に該当する場合には財産を取得することができます。

 次回は,特別縁故者の要件や,家庭裁判所への申立て方法等についてご説明させていただきます。

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