弁護士コラム

2018.03.22

返済義務の有無について②~消滅時効について~

返済義務の有無について②~消滅時効について~

<ご相談者様からのご質問>

 若い頃に,消費者金融数社からお金を借りており,少しは返していたのですが,働けない時期があり,返せないままずっと放置していました。
 つい先日,その消費者金融から督促の手紙がきました。これは返す必要があるのでしょうか。1つの債権者は11年前くらいに裁判をされており判決が確定しています。また1つの消費者金融からは電話があり,返すように言われたため,「今は返済できないので少し待ってほしい」と回答しています。

 <弁護士からの回答>

 一度お金を借りた以上,返さなければいけないことは当然のことですが,その義務(債務)が一生残り続けるわけではなく,債権者が一定期間権利(債権)を行使しなかった場合にはその権利は消滅することになります。
 本日は,消滅時効にかかっている債務についてご説明させていただきます。

 消滅時効とは,債権者が一定期間権利(債権)を行使しなかった場合には,その権利が消滅することをいいます。借金についても,弁済期又は最後に返済した日から一定の期間が経過すると,消滅時効の対象となり,債務者は債務を返済する必要がなくなります。消滅時効の対象となる一定の期間については債権の種類ごとに異なっており,知人,友人など商人でない個人から借り入れた場合には10年間,貸金業者が会社である場合には5年間で消滅時効の対象となります。

 時効期間が経過する前に,債権者が裁判で請求したり,債務があることを承認(返済する行為も承認に該当する行為です。)した場合には,時効は中断(リセット)され,再び時効期間が経過するまでは,消滅時効を主張することができません。また,裁判により判決が確定した場合には当初の時効期間が5年であったとしても,判決により確定した債権の時効期間は10年間となります。
 したがって,ご相談者様の事例でも1社については,判決が確定してから10年以上経過しているので,消滅時効の対象となります。

 ここで注意が必要な点は,消滅時効については,時効期間が経過したことにより,当然に債務が消滅するという効果は発生しないということです。消滅時効により債務が消滅するためには,債務者において消滅時効の援用の意思表示(消滅時効の効果を主張するという意思を表示することです。)を行う必要があり,援用があって初めて債務が消滅することになります。そして,時効期間が経過していたとしても,債務を承認するような行為をしてしまった場合には,消滅時効の効果を主張することができなくなってしまいます。したがって,ご相談者様の事例でも,債権者からの連絡に対し返済の猶予を求めており,これは,債務の承認に該当する行為であるため,承認した債権者に対しては,消滅時効を主張することはできません。

 以前に借り入れた債務については,上記のとおり消滅時効により返済する必要がないものもございますので,是非一度弁護士にご相談ください。弁護士により,債権者に対し時効援用通知という書面を送ることにより,債務を支払わなくてすむ場合がございます。その際には,ご相談者様の事例にように債権者からの連絡に応じることなくできるだけ早くご相談にお越しいただくのがよいでしょう。

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