弁護士コラム

2018.04.09

物損の問題点②~経済的全損について~

<ご相談者様からのご質問>

 物損事故に遭いました。相手が一方的に悪い事故なので,きちんと修理してもらえると思ったのですが,相手方の保険会社から,「経済的全損状態なので,修理代金は出せません。」といわれました。事故にあって修理が必要なのにどうして修理してもらえないのですか。

<弁護士からの回答>

 物損事故の場合,原則として修理代金が支払われるのですが,事故に遭った自動車によっては,無過失事故であっても修理代全額が支払われないことがあります。
 今回は,物損事故における経済的全損についてご説明させていただきます。

 まず,交通事故における損害賠償請求は,物そのものを事故の前の状態に戻すことではなく,文字通り事故により被った「損害」を金銭的に評価し,その損害を賠償(補填)することができる権利です。
 ここで,事故当時の車の価額(時価)が修理額よりも高い場合には,修理額が事故により被った損害になりますので,修理額支払われることになります。
 もっとも,車の時価額が,修理額よりも高額である場合には,当該交通事故による損害は,その当時の被害車両の時価に限定されることになります。したがって,修理費用が当該車両の時価を上回る場合には,経済的全損として当該車両の時価のみが賠償されることになります。

 当該車両の時価については,オートガイド社の自動車価格月報(通称「レッドブック」といいます。)に基づき判断されますが,走行距離等で価額が異なるため,
中古車販売市場等で平均的な価額を算定したりします。
 このように,経済的全損の場合には,修理代金全額は支給されませんが,別の車両を購入する際二発生する検査・登録料,車庫証明費用等の買い替え諸費用については,買い替えに付随するものとして損害に含まれることになります。

 なお,経済的全損ではなく物理的全損(客観的に修理することが困難な状況)の場合にも同様に損害額は時価相当額ということになりますが,この場合,損害額には,廃車料や買い替えに通常要する期間の代車料についても請求することができます。
  事故に遭われた方は,修理してもらえるのが当然であるという考えであるため,経済的全損の場合には修理代金が支払われないことに対しとても憤りを感じられてしまうかもしれません。しかし,物損事故の場合,損害額に関する正しい知識がないと無用なトラブルが発生してしまいますので,是非一度弁護士にご相談ください。損害額についても正しいアドバイスをさせていただき,トラブルの解決にご協力させていただきます。

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