弁護士コラム

2025.07.09

自転車の運転にはご注意を


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自転車の運転にはご注意を

 

いきなり私自身の話で恐縮ですが、私は、当事務所に入所する前は、長崎県佐世保市の法律事務所で弁護士をしていました(東京出身の私がなぜ長崎の最西端で弁護士をすることになったのかについては、とてもここでは書ききれないので割愛させていただきます。)。佐世保で一人暮らしをする際、東京で住んでいた時の感覚で、家具や家電を購入する際、一緒に自転車を購入しました。それを当時の事務所の人に話したら「自転車なんて使うことないよ」と言われました。佐世保もそうですが、長崎は、坂が非常に多いため、あまり自転車を使う人はいないようです。現に私も佐世保では坂が多く、ほとんど自転車を使いませんでした。
今は福岡でしていますが、福岡は逆に自転車で移動されている方が非常に多いと感じます。シェアリングサービスで自転車を利用される方も多いように思います。

そんな自転車ですが、来年(2026年)4月1日から、悪質な自転車の運転に対する取り締まりが強化されます。具体的には、反則金といって、違反した内容に応じて定められている金銭を支払うことで刑事裁判を受けなくて済むという取り締まりが始まることになりました。いわゆる「青切符」というものが自転車の運転でも切られるようになりました。そして、2025年6月17日に、道路交通法施行令改正案が閣議決定され、取り締まり対象となる行為や反則金の金額が決定されました。

主な青切符と対象となる行為と反則金は以下の通りです。

・スマホを見ながら運転するなどの「ながら運転」:1万2000円
重大な事件の要因となるため(実際にスマホを見ながら自転車を運転し、歩行者に衝突し、歩行者が死亡してしまった事故も起きています。)高額に設定されています。

・イヤホンで音楽を聞きながらの運転:5000円
・夜間の無灯火での運転:5000円
・信号無視:6000円

それ以外には、逆走(右側を走行)する行為や、歩道走行等の通行区分違反行為については6000円の反則金が設定されています。

この歩道走行については、すべてが禁止されるのかという意見や歩道が危険な場合に歩道を走行した場合にも違反になるのかなどの意見(パブリックコメント)が警察庁に寄せられました。
そこで、警察庁からは、歩道通行のルールが示されました。
まず、自転車は道路交通法上「軽車両」に分類されています。そのため、道路交通法17条1項により、歩道と車道が区別されている道路では、自転車は原則として、車道を走行しなければならず、歩道を走行できるのは、「普通自転車歩道通行可」の標識がある場所でのみとなります。
それに加えて、今回の警察庁から示されたルールでは、3歳未満の子ども、70歳以上の高齢者の場合や、工事などをしており、車道通行が危険な場合、車道が狭くて危ない場合などには、車道を走行しても、取り締まりの対象外となるとされています。
また、歩道走行をした場合のすべてを取り締まるのではなく、「悪質なケース」を取り締まり対象としているとのことでした。「悪質なケース」の具体例としては、スピードを出して歩行者を驚かせた場合、警察官の警告に従わない場合、事故に直結するような危険な運転をした場合などが挙げられています。

この「悪質なケース」に該当するか否かについては、非常にあいまいで、取り締まる警察官次第で基準が変わってきてしまう恐れがあるのではないかと思います。
ですが、自転車といっても上記の通り、軽車両であり、危険な運転をすれば重大な事故を起こしてしまう危険なものであるという意識をもって、安全に運転するようにしたいですね。

 

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