弁護士コラム

2025.09.11

他人の荷物が届いたら?


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傘の持ち方にはご用心を

 

 

皆さんは、インターネットでお買い物されていますか?わたしは、子供たちが生まれてから、家族でベビー用品を買ったり、私のランニンググッズを買ったりするときにちょこちょこ使っています。妻は、セールの時やポイントが倍増するときなどに、子供たちの服や自分も服などをまとめて買っているようです。翌月のクレジットカードの請求金額をみて、「大変だ、不正請求だ!」と思って、明細見ると、全部自分たちの買い物で、安心したような、がっかりしたような気持になります。

インターネットでの購入した商品については、宅配業者の方が自宅まで持ってきてくれて、対面で受け取りをし、不在の場合には不在票がポストに入っており、後日、再配達の依頼をするというのが、一般的なやり取りですが、最近、「置き配」といって、指定した場所に、商品をおいてもらうことで配送を完了したことにする方法もよくとられています。
こうした「置き配」は、自宅になくとも荷物を受け取ることができる点では非常に便利ですが、対面での受け取りをしないことから、誤配、すなわち、他人宛の荷物が間違って、自宅の前に置かれているといったトラブルが多くあるようです。

誤配のトラブルについては、まず、他人宛の荷物が自宅の前に置かれてしまった人が、他人のものと知りながら、自分のものとして処分(使ったり、食品を食べること)した場合には、民事上の損害賠償請求の対象となってしまうだけでなく、刑法上の、遺失物横領罪として犯罪となってしまいます。これに対し、他人のものと知らずに開けてしまったというだけであれば、犯罪にはなりませんし、損害賠償の対象にもならないでしょう。ただ、この場合でも、他人のものと気づいたあとに、自宅で保管し続けるような場合には、自分のものとする意思があるものとして、上記は遺失物横領罪となってしまう危険性があります。したがって、他人宛の荷物が届いた場合には、開けたりするのではなく、直ちに配送業者などに連絡して、間違って届いていることを伝えた方がいいでしょう。配送業者が誰か連絡先が分からない場合には、警察に誤配されたと届け出て遺失物として処理してもらうようにしましょう。

これとは逆に、注文をしたのに、他の人の自宅に届けられてしまった人は、購入先や、通販サイトに対し、再度、同じ商品を配送するよう求めることができます。これは、通販での購入という契約の性質上、売主には、買主が指定した場所に、購入した商品を届ける義務があるため、誤配の場合にはその義務を果たしていないため、再度、届ける義務があるためです。

このような、インターネットでの通販については、商品を実際に手で触ってみることができないことや、配送間違いなど、トラブルが起きやすいので、自身が使う際にも、トラブルに巻き込まれないよう慎重に取引した方がいいなと思いました。

 

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