皆さんは、芸能人と聞くとどのような方をイメージされますか?私の小さい頃のイメージですと、「テレビに出ている人」=芸能人と思っていました。ですが、今の時代ですと、テレビ以外の様々なコンテンツが存在しており、テレビに出ていない人も、YouTuberやVTuberなども芸能人に含まれると思いますし、SNSなどのインフルエンサーも芸能人といえるのではないでしょうか。 このように、現代では、様々な人が芸能人として、活動しうる状況になっています。芸能人として活動する場合、基本的には、芸能事務所と契約を行い、事務所所属の芸能人として活動される方が多いと思います(最近では、どの事務所にも所属しないフリーの芸能人の方もいらっしゃいますね)。
事務所に所属する場合、事務所との間で契約を結ぶことになるのですが、長年、事務所と芸能人との間の契約関係には不当な慣行がありました。一般的に芸能人と芸能事務所は専属マネジメント契約を結び、事務所がテレビ局やレコード会社と出演契約などを結ぶようになります。したがって、出演することができるのか否かなどは基本的に事務所の次第になってくるので、芸能人は弱い立場に置かれやすくなっていました。
こうした力関係が問題なるのは、事務所との関係が良好な時ではなく悪化して、退所などを検討する際にトラブルに発展していました。具体的には、契約期間を定めていないにもかかわらず、事務所側が合意しない限り退所を認めない場合や、移籍・独立するとその後の芸能活動が一切行えなくなると脅すケース、芸能人の退所後、テレビ局に「退所の際にトラブルがあった」などと伝えて出演を妨げるといった行為がなされたりしていました。また、事務所に所属していた際に芸能人の方が使用していた芸名について、使用を制限され、中には、本名で芸能活動を行っていた方の本名(=芸名)の使用を事務所から制限されていた人もいらっしゃいました。
こうした、芸能人と芸能事務所の契約をめぐる不当な慣行を是正するために、政府から契約の適正化に向けた指針を公表されました。具体的には、上記のような移籍・独立した芸能人のテレビ出演を妨害するなど、独占禁止法上問題となり得る行為を明示したうえで、上記指針に反する行為がなされた場合には、公正取引委員会が厳正に対処する方針が示されました。
上記の通り、現代では様々な人が芸能人として事務所との間でマネジメント契約を締結する可能性が、あり、何も知らないでただただ事務所から言われるがままに不当な立場に置かれてしまっている人も少なくないのではないかと思います。
こうしたトラブルに巻き込まれないようにするためには、まず、契約書を作成する前に、何か不当な条項が存在しないか等を確認する必要があります。また、契約書を作成した後であっても上記のような不当な制限が契約書に記載されていた場合には、無効になる可能性もあります。
したがって、これから芸能事務所とマネジメント契約を結ぼうとする方や、現在事務所に所属している方でも、ご不安な点などがあった場合には、ぜひ弁護士にご相談されてください。
当事務所では、フレックス顧問契約という、個人の方でも利用しやすい顧問契約のシステムを採用していますので、是非お気軽にお問い合わせください。
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