弁護士コラム

2019.04.25

【相談事例40】こんな行為が犯罪に?~軽犯罪法違反について②~

【相談内容】

フェイク動画の投稿をしたとしてもそこまで重い犯罪になるわけではないのですね・・・
いろんな人に迷惑をかけているのですからもう少し厳重に処罰してもらいたい気がします。

それ以外に軽犯罪法だと、どのような罪が規定されているのですか?

【弁護士からの回答】

前回は、軽犯罪法についての総論的な説明と、虚偽申告の罪についてご説明させていただきました。
今回は、その他の軽犯罪法に規定されている犯罪についてご説明させていただきます。

前にもご説明しましたが、「こんな行為も犯罪に?」というような内容も規定されています。

1. 刃物等の携帯(1条2号)

「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」を処罰の対象にしています。
こうした凶器を正当な理由なく隠し持っている者は、その凶器を使用し何か別の犯罪を行う可能性があるため、予防法的な観点から処罰されています。

2. 浮浪の罪(1条4号)

「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」も処罰の対象になります。

要は、働けるにも関わらず、働かずにおり浮浪していると軽犯罪違反になってしまいます。

この犯罪で検挙されることはないのではと思っていたのですが、調べてみると、過去にこの罪で検挙された人自体はいるようです。

3. 行列割込み等の罪(1条13号)

条文は長いため省略しますが、公共の場所において、バスや、電車に乗るための列や切符を購入するための列に乱暴な態様や言動で割り込む行為は軽犯罪法違反になります。
電車でできるだけ座席に座りたいからと、並んでいる列に無理やり割り込む行為は軽犯罪法違反になる可能性があるので注意が必要です。

近年ではスマートフォンの普及により誰でも動画を撮影しネットに投稿することができる時代ですので、今後、割り込んだ人を撮影した人の投稿により検挙されるというケースが出てくるかもしれません。

4. 排せつ等の罪(1条27号)

「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」、すなわち、道に唾を吐く行為や、立ち小便をする行為は軽犯罪法違反になります。

この犯罪も、誰かがスマートフォンで撮影し、投稿する行為により検挙されるケースも増えてくるかもしれません。

5. 追随等の罪(1条28号)

「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」も処罰対象になります。

例えば、執拗にナンパ行為や声掛け行為をし続ける行為についてはこの犯罪が成立することになります。
なお、つきまとい行為が恋愛感情に基づくものであり、かつ程度もひどいものである場合には、この犯罪ではなく、ストーカー規制法の規制対象となります。

 

掲載している事例についての注意事項は、こちらをお読みください。
「相談事例集の掲載にあたって」

WEB予約 KOMODA LAW OFFICE総合サイト
事務所からのお知らせ YouTube Facebook
弁護士法人サイト 弁護士×司法書士×税理士 ワンストップ遺産相続 弁護士法人菰田総合法律事務所 福岡弁護士による離婚相談所