弁護士コラム

2018.04.02

よくあるご質問(離婚原因と慰謝料について)

よくあるご質問(離婚原因と慰謝料について)

<ご相談者様からのご質問>

 これまで夫とは些細なことでケンカが絶えなかったのですが,先日,大きなケンカをした際,夫から離婚して欲しいと言われて,私もこれ以上夫とは一緒にいられないと思い,離婚に応じたいと思っています。ですが,夫から離婚を切り出している以上夫が悪いので慰謝料を払ってもらいたいと考えているのですが慰謝料は認められるでしょうか。

<弁護士からの回答>

 ご相談者様からは,弁護士に対し,「相手が原因で離婚をすることになったのだから慰謝料を払ってもらえますよね。」とご質問いただくことがございます。そこで,これまで法定離婚原因についてご説明させていただきましたが,今回は,ご離婚原因と慰謝料の関係について弁護士がご説明させていただきます。

 ご相談者様の中には「離婚の原因を作った」=「慰謝料を払う義務がある」と考えられている方が非常に多くいらっしゃいます。
 しかし,離婚をしたら必ず慰謝料を支払わなければならないという決まりは,日本の法律では一切ありません。相手方において慰謝料の支払いを命じるのが相当であるような違法な行為(「不法行為」といいます。)を行ったことにより,夫婦が離婚するに至った場合に限り法律上,慰謝料を支払う義務が発生します。

 ご相談者様のケースでの離婚の原因については,夫婦喧嘩の際にご主人が離婚を切り出したと伝えたことにありますが,離婚を切り出すことが民法上の不法行為には該当しません。したがって,「離婚の原因を作った」ということが直ちに「慰謝料を支払う義務がある=不法行為に該当する」ということにはなりません。離婚の原因を作った行為が不法行為に該当するような違法な行為に該当することが必要になります。

 もちろん,不貞行為や暴力行為など「離婚の原因を作った行為」が直ちに「不法行為」に該当するケースもありますが,よくある「性格の不一致」が原因で離婚するような場合に,一方当事者が慰謝料の支払いを求め,相手方が支払いを拒んだ場合には,裁判などをしても慰謝料が認められないことが一般的です。

 もっとも,相手方が任意で慰謝料を払ってくれる場合には(この場合には厳密にいうと慰謝料という名目よりも解決金という名目の方が適切かもしれません。),金銭を受け取ることは可能です。

 弁護士にご相談いただいた際には,離婚に至るまでの経緯をお聞きした上で,法律上慰謝料の支払いが認められるのか否かについてもアドバイスをさせていただきますので,是非一度弁護士にご相談ください。

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