弁護士コラム

2018.03.30

婚姻を継続しがたい重大な事由について~各論②~

婚姻を継続しがたい重大な事由について~各論②~

 <ご相談者様からのご質問>

  単に離婚がしたいということだけでは簡単には離婚事由にはならないのですね。
  他には,どのような事情が離婚原因として主張しうるのでしょうか。

<弁護士からの回答>

 夫婦が結婚してから,離婚に至るまでには,当事者のみならずときには両家の家族をも巻き込んで様々なことが起きているのが通常です。一方当事者が離婚に応じていない場合,「婚姻関係を継続しがたい重大な事由」が認められるか否かについては,上記の様々な出来事についてどれだけ説得的に主張及び立証(証拠により証明することです。)できるかが重要になってきます。前回に引き続き,今回もどういった事情が該当しうるのかについてご説明させていただきます。

1 暴力,暴言(DV,モラハラ等)

  暴力や暴言等を行うことが,夫婦の関係を破綻させることにつながることは当然であり,裁判所としても,DV(ドメスティック・バイオレンス)等に対して厳しく対応しており,きちんと証拠に基づきDVとして認定される場合には,離婚事由に該当することになります。また,近年ワイドショーなどでも使われているモラハラ(モラルハラスメント)についてもDVと同視しうるような程度のものであれば離婚事由足りえるでしょう。ここで大事なのが,単に当事者が「DVだ」「モラハラだ」と主張するのみでは,足りず,あくまでも客観的に裁判所からみてDVとして評価されるうる事実が存在することが必要になってきます。また,「ドメスティック(=家庭内)」というだけあって,DVやモラハラの立証はとても困難を伴います。したがって,録音,録画,毎日日記を書く,程度がひどい場合には警察や,市などの相談窓口に連絡を取っておくなど地道な証拠集めが重要になってきます。

2 性生活の問題

  最高裁判所の判例においても夫婦間の性生活が夫婦関係の重要な要素であること自体は認めています。したがって,相手方が拒否しているにも関わらず異常な性行為(SMプレイ等)を強制させることを継続的に行っている場合などには離婚原因の1つとして主張しうる事情になりえます。
  逆に,正当な理由がないも関わらず性交渉を拒否する(いわゆるセックスレス)状態が長期間に渡り継続していた場合にも離婚事由として主張しうることになります(あくまで正当な理由もなく拒否していることが必要になりますが,長期間にわたり拒否し続けた場合には慰謝料の支払いが認められた裁判例もあります。)。

WEB予約 KOMODA LAW OFFICE総合サイト
事務所からのお知らせ YouTube Facebook
弁護士法人サイト 弁護士×司法書士×税理士 ワンストップ遺産相続 弁護士法人菰田総合法律事務所 福岡弁護士による離婚相談所