弁護士コラム

2018.02.20

離婚原因について~各論①~

離婚原因について~各論①~

<ご相談者様からのご質問>

  離婚したいと思っても,相手が反対していると,法律上の離婚事由がないと離婚が認められないのですね。法定離婚原因の具体的な内容について教えてください。

<弁護士からの回答>

  前回は,法定離婚原因の種類等について大まかにご説明させていただきました。今回からは,各法定離婚原因の具体的な内容についてご説明させていただきます。
 法定離婚原因のうち,「不貞行為」と「婚姻を継続しがたい重大な事由」については,訴訟でも頻繁に争点になる離婚原因ですので,別の機会にご説明させていただき,今回は,それ以外の離婚原因の内容についてご説明させていただきます。

1 悪意の遺棄(民法770条1項2号)について

  「夫婦は,同居し,互いに協力,扶助し合わなければならない。」とされており(民法757条),夫婦は相互に同居義務,協力義務,扶助義務を負っていることになります。悪意の遺棄とは,夫婦の一方が正当な理由がないのにも関わらず,上記義務を怠り,夫婦の共同生活が維持できなくなる状況を作出していることをいいます。
  具体的には,一方が同居を希望しているのに,正当な理由なく家を出ていき帰ってこない場合や,収入があるにも関わらず,配偶者に生活費を渡さない場合や,正当な理由がなく家事を全くしない場合等が悪意の遺棄に該当しうる行為です。もっとも,単に別居をしていても,単身赴任や長期出張の場合や,夫婦間の冷却期間の為の別居,病気療養や出産のための別居等正当な理由に基づく別居の場合には,同居義務違反には該当せず,悪意の遺棄に該当することはありません。訴訟等においては,悪意の遺棄のみを主張することは少なく,婚姻を継続しがたい重大な事由にも該当すると主張することが一般的です。

2 3年以上の生死不明(770条1項3号)について

  相手方配偶者が行方不明になり,3年以上生死不明の場合には離婚が認められます。生死不明とは,生存の証明も死亡の証明もできない状態のことをいい,所在が不明でも生存が確認される場合には,生死不明には該当しません(その場合には,悪意の遺棄や婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する旨主張することになります。)。3年間の起算点ですが,行方不明になった時点,すなわち最後に音信があったときからとなります。最後に音信以降行方不明であることを客観的な証拠として残すためにすぐに,警察に失踪届等を提出する必要があります。

3 回復の見込みがない精神病(770条1項4号)について

  専門医などが「強度の精神病」であり,かつ「回復の見込みがない」と判断した場合には,形式的には離婚事由に該当することになります。もっとも,瀬上記精神疾患を負っている配偶者は,離婚後,苛酷な状況に置かれてしまうことになることが想定されているため,裁判所において,上記要件のみを根拠に離婚を認めることに対しては非常に消極的です。具体的には,単に,上記要件に該当するのみならず。離婚後も公的な保護を受けることができる状態が確保されているなど,離婚後の生活の見通しが確保できている場合でなければ離婚を認めていないのが実情です。

 次回からは,離婚訴訟等で頻繁に争点になる不貞行為と婚姻を継続しがたい重大な事由の内容についてご説明させていただきます。

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