弁護士コラム

2019.04.25

【相談事例37】「平成32年」と書かれた契約書は有効?~内容の確定性について~

【相談内容】

ニュースで、新元号が発表されたのを見て、気になったことがあります。
私は、5年前(平成26年)に、ある人にお金を貸しており、その際借用書も作成しているのですが、返済期間として「平成26年9月~平成32年8月まで」と記載されています。

新しい年号に変わったことにより、「平成32年」というものが存在しなくなってしまったのですが、契約が無効になったりすることはないのでしょうか。

【弁護士からの回答】

平成31年4月1日に、新元号が「令和」になることが発表されました。これにより、「平成」は平成31年4月30日で終わり、翌日の5月1日からは、新元号の令和元年5月1日ということになります。

元号が変わること(「改元」といいます。)に伴い、ご相談者様の事例のように従前の元号で表記していた契約の有効性に影響を及ぼすのか否かについて、契約の有効性の要件の説明と併せてご説明させていただきます。

1. 契約(法律行為)の有効性

契約(法律行為)が有効であるための要件のひとつに、法律行為の客観的有効要件というものがあります。

契約が成立する場合には、その契約の内容にしたがった権利、義務が発生することになり、義務に反した場合には損害賠償などのリスクを負うことになります。
したがって、契約(法律行為)内容に関し、内容が確定しない場合や、実現できない場合にまで、権利を取得させたり、義務を負わせたりするべきではないと考えられています。

したがって、契約が成立するためには、契約内容に関する客観的有効要件を満たしている必要があります。
客観的に有効要件には、

①内容の「確定性」
②内容の「実現可能性」
③内容の「適法性」
④内容の「社会的妥当性」

の4つの要件があります。
そして、改元にともなって、存在しなくなった従前の元号による契約書の有効性の問題は、上記要件のうち①内容の「確定性」の問題であるため、内容の確定性の要件についてご説明させていただきます(他の要件については次回以降ご説明させていただきます。)

2. 内容の「確定性」とは

上記のとおり、契約が成立すると、契約内容に沿った義務を負うことになります。

したがって、契約が有効であるためには、契約の内容、すなわち、どのような権利を有し、どのような義務を負っているのかについて(契約の重要な部分)は確定していることが必要であり、内容を確定することができない契約は無効になります。

3. 「平成32年」とする契約は有効か

それでは、ご相談者様の事例のように「平成32年」という期限が設定されている契約は、確定性の要件を満たしているといえるのでしょうか。

確定性については、当事者の合意した内容を合理的に解釈することにより、内容が特定することができる場合でも満たされると解されています。

そして、平成32年を期限とする場合、当事者の意思として「平成という元号が続いている場合のみ有効とする」というような合意をしているということは通常考えられず、平成32年=西暦2020年を期限とするという合意をしていることは解釈上明らかです。

したがって、「平成32年」という期限を設定していたとしても、当事者において西暦2020年が期限であるという契約の内容は確定しているといえるため、内容の確定性の要件を満たしているといえます。

4. 改元にあたっての注意事項

このように、改元が発生した場合に、旧元号のままの書面を作成したとしても、契約の有効性については問題ないのですが、旧元号のまま契約書等を作成することで、相手方との間でトラブルが発生する可能性は否定できません。

したがって現時点で契約書や請求書等の文章を作成する際に5月1日以降に期限などが到来する場合には、新元号により記載するか、西暦を併記するなどして、内容に誤解を与えないよう工夫が必要です。

次回以降にもご説明させていただきますが、契約の有効要件を満たしているかについては意外にも専門的な知識が必要になってきます。

したがって、契約書の作成に際しては、弁護士にご相談いただいたほうがよいでしょう。

 

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2019.04.11

【相談事例36】裁判員裁判について④~裁判員裁判にまつわるその他の事項~

【相談内容】

裁判員裁判についてだいぶわかってきましたが、いざ自分が裁判員に選ばれたらと思うと緊張してしまいます。

他にも気になることがいろいろあるので、この機会に教えてください。

【弁護士からの回答】

これまで裁判員裁判制度についてご説明させていただきましたが、今回は最後に裁判員裁判にまつわる質問に回答する形で、裁判員制度の課題や問題点についてご説明させていただきます。

裁判員になったら事件のことをブログ等に書いてもいいのですか?

裁判員に選ばれると、裁判員には事件に関し守秘義務が課されることになります。
具体的には、評議(有罪無罪の判断や量刑判断)の内容や、誰がどのような意見を行ったのかという点について第三者や親族にも明らかにしてはいけません。
守秘義務違反を犯してしまうと、罰金等の刑罰が科されることになります。

殺人事件等の場合には、殺害状況等の凄惨な証拠については見ないということもできるのですか?

裁判において判決を行うためには、採用された証拠全てに目を通す必要があります。
したがって、裁判員の方は、殺害状況等の凄惨な場面が記録された証拠等についても全て目を通す必要があります。

このように、凄惨な内容の証拠に目を通すことにより、裁判員の方に精神的なショックを与えてしまう恐れがあり、かつ、上記の守秘義務によりその悩みなどを打ち明けることができず、裁判員の方に精神的苦痛を与えてしまう可能性が存在することが裁判員裁判の検討課題となっています。

裁判員裁判の期間はどのくらいかかるのですか?

期間について明確な定めがあるわけではないのですが、争点が少ないような一般的な事件の場合には5日間で終了すると言われています。

もっとも、複数人を殺害しているような重大な犯罪事件の場合には、審理が終結するまでに半年以上要する事件もあり(最長で207日も審理期間が経過している事件もあります。)、そのような長期間、裁判員として拘束されることより被る負担を軽減することも、裁判員裁判制度の課題となっています。

裁判員として法廷に参加することにより、被害者や被告人の関係者から反感を買わないかとても不安です。

裁判員の名前や個人情報については開示されることはありません。
もっとも暴力団員による殺人事件の裁判員裁判において、被告人の関係者である暴力団関係者が、裁判所外で裁判員に対し脅す行為を行った事件がありました。
裁判員に対し不当な介入をする行為自体犯罪に該当するのですが、裁判員の安全を確保することも今後の課題といえるでしょう。

裁判員制度が始まって10年が経過しようとしており、今後も様々な検討課題などがでてくるのは間違いないと思いますが、裁判制度に市民感覚を反映させること自体は有意義な制度であると考えています。
今後の、刑事裁判にも携わるものとして裁判員裁判の動向には注視していきたいと考えています。

 

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2019.04.10

【相談事例35】裁判員裁判について③~有罪か無罪、量刑の決め方は??~

【相談内容】

裁判所から通知がきて、ある事件の裁判員に選ばれることになりました。

裁判員となった以上、被告人が有罪か無罪か、どのような罪を科すのかについて私が決めなければならないのですか。私の判断でその人の人生が決まってしまうようで非常にプレシャーを感じてしまいます。

【弁護士からの回答】

以前お伝えしたように、裁判員に選ばれ、裁判に参加した場合には、起訴された被告人が有罪であるのか、無罪であるのか、有罪である場合にはどのような刑罰を科すべきなのか(量刑判断)を行う必要があります。

今回は、どのようにして有罪、無罪の判断や量刑判断を行っているかについて、ご説明させていただきます。

1 有罪無罪の判断について

先述のとおり、裁判員裁判は、裁判官3名、裁判員6名の合計9名で構成されます。
そして、量刑判断においても同じですが、有罪無罪の判断はこの9名全員で行うことになります。

有罪無罪を判断する人と、量刑を判断する人が分かれているわけではありません。
具体的は、多数決をとり、過半数により決定するのですが、多数派の中に最低でも1人裁判官が入っている必要があります。

例えば、有罪と判断したのは、裁判官2人と裁判員3人、無罪と判断したのが、裁判官1人と裁判員3人の場合、有罪と判断したのが5名と過半数でありかつ裁判官も有罪と判断しているため、結論的には有罪と判断されることになります。

一方、有罪と判断したのが、裁判員5名、無罪と判断したのが裁判官3名と裁判員1名の場合、多数決の観点では、有罪の方が過半数となっていますが、裁判官全員が無罪と判断しているため、この場合の結論は無罪と判断されることになります。

2 量刑判断について

量刑判断についても、裁判官、裁判員全員で判断することになります。
そして、量刑判断においても有罪、無罪の判断において多数決で決定することになり、かつ、裁判員と裁判官が各1名以上賛成している必要があります。

ここで、量刑の判断の場合には、有罪、無罪という2択だけではなく、法律で定められている範囲内で量刑を定めるため、裁判員や裁判官ごとに量刑に関する意見がばらばらになる場合もあり、その場合には、最も重い刑を主張した人の数に、その次に重い刑を主張した人の数を足していき、裁判官が1人以上含めて過半数に達した時点で、量刑が決定されることになります。

例として、懲役10年と判断したのが裁判員3名、懲役8年と判断したのが裁判員3名、懲役6年と判断したのが裁判官1名、裁判員1名、懲役5年と判断したのが裁判官2名の場合、過半数(5名)に達するのは、懲役8年ですが、その中に裁判官が含まれていないため、裁判官は最低1名入っているところまで下がるため、この例では、懲役6年が科されることになります。

 

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2019.04.09

【相談事例34】裁判員裁判について②~裁判員裁判対象事件とは~

【相談内容】

仕事もせず、お金がなかったため、コンビニやスーパーなどで万引きを繰り返していました。
また、夜のタクシー等であれば使っても暗くてバレないだろうと思い、1万円札をプリンターでコピーし、偽札としてタクシーの料金の支払いに何度が使っていました。

コンビニやタクシーの防犯カメラが原因で先ほど逮捕されてしまいました。以前にも窃盗で逮捕・起訴されたことがあり、その時は裁判官1人で裁判がなされました。

今回も起訴されると思うのですが、今回も裁判官1人でそんなに時間もかからず終わりますか??

【弁護士からの回答】

このご相談事例では、結論からお伝えすると、起訴された場合には裁判員裁判として審理が行われる可能性が非常に高いです。

今回は、どのような事件が裁判員裁判として取り扱われることになるのかという裁判員裁判対象事件についてご説明させていただきます。

1 裁判員裁判対象事件とは

どのような事件が裁判員裁判対象事件になるかについては、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」に記載されており、

①死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件(法2条1項1号)

または

②法定合議事件(法律上合議体で裁判することが必要とされている重大事件)であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に関するもの(法2条1項2号)

と規定されています。
簡単に言うと、①法律で死刑や無期懲役(禁固)と規定されている犯罪か、②故意の犯罪に行為により人が死亡した事件(法定合議事件であることも要件になります。)が裁判員裁判対象事件となります。

2 具体例①(法律で死刑や無期懲役にあたる罪)

殺人罪や、強盗致死罪(強盗殺人罪)、現住建造物等放火罪のように、法定刑に死刑が定められているものは裁判員裁判の対象です。

また、身代金目的略取罪、強盗致傷罪のように法定期に無期懲役等が規定されているものも対象事件になります。

ご相談者様の事例では、万引きの犯罪(窃盗罪)は裁判員裁判対象事件ではありませんが、1万円札をコピー機でコピーし、偽札をタクシーの支払いに使う行為は、通貨偽造罪及び偽造通貨行使罪(刑法148条)に該当します。

そして通貨偽造の罪は「無期又は3年以上の懲役」と規定されているため、仮に、今回の事件で窃盗罪のみならず、通貨偽造及び同行使罪についても起訴された場合には、裁判員裁判対象事件ということになります。

通貨偽造罪がこのように非常に重い罪になっている理由は、刑法自体が制定されたのが明治時代であり、当時の通貨(紙幣)には、今のように偽札防止の技術が発展していなかったため、無期懲役という非常に重い刑罰を定めておくことで犯罪を抑止する必要があったためです。

3 具体例②(故意の犯罪に行為により人が死亡した事件)

故意(意図的に、わざと)に行った犯罪行為により、人が死亡してしまった場合には、重大な事件として裁判員裁判の対象となります。

具体的な罪名としては、傷害致死罪、危険運転致死罪、保護責任者遺棄致死罪などがこれにあたります。

 

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2019.04.08

【相談事例33】裁判員裁判について①~裁判員裁判とは~

【相談内容】

昨年の11月頃に突然裁判所から郵便が届き、私が裁判員の候補者に選ばれたという内容が書かれていました。

私はもう裁判員になったということでしょうか。そもそも、裁判員裁判についてよくわかっていないので教えてもらえませんか。

【弁護士からの回答】

平成16年5月に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年5月21日から、裁判員制度が開始し、今年(平成31年)で、開始から10年が経過しようとしています。

皆様も裁判のニュースなどで裁判員裁判という名前自体は聞いたことがある方も多いと思います。
しかしながら裁判員としてどんな活動をするのかについては把握されていない方が多いと思いますので、今回から数回にかけて裁判員裁判制度についてご説明させていただきます。

1 裁判員制度とは

裁判員制度とは、一般の人が、裁判員として刑事裁判に参加し、起訴された人(被告人)が有罪か無罪か、有罪の場合にはどのような刑を被告人に科すかということを、裁判官とともに判断する制度をいいます。

重大な犯罪についての刑事裁判に一般の人が参加することにより、一般の方が持っている日常感覚や常識を刑事裁判に反映することを主たる目的として始まった制度になります(どのような事件が裁判員の対象となる事件かについては、別の機会にご説明させていただきます。)。

通常、裁判官3名、裁判員の6名、合計9名という構成(合議体といいます。)で裁判を行いますが、例外的に被告人が事実関係を争わない場合には裁判員4名、裁判官1名で審理する場合もあります。

2 裁判員の活動内容

裁判員は、裁判における審理に参加し、裁判官とともに、証拠調べを行い(書証や証言などを見聞きすることです。)、有罪、無罪の判断や有罪の場合にどのような刑を科すかという量刑についても判断することになります。

なお、法律に関する専門的な知識が必要な事項や、訴訟手続についての判断は、裁判官が行うことになります。

また、証人尋問や被告人質問の際には、裁判官のみならず、裁判員も被告人や証人に対し、質問をすることができます。

裁判員の具体的な活動内容については、別の機会にもご説明させていただきます。

3 裁判員の選任方法について

まず、全国の地方裁判所ごとに、翌年の裁判員候補者名簿をくじで選んで作成し、毎年11月頃に、裁判員候補者名簿に登録された人に対し通知を行います。

ご相談者様にも裁判員候補者名簿に登録されたという通知が来たとのことですが、この通知は、簡単にいうと、来年1年間裁判員裁判対象事件が起訴された場合に、裁判員に選ばれる可能性があるということを通知するものになるため、この通知が来た段階では、まだ裁判員になったというわけではありません。

その後、裁判員裁判対象事件が起訴された場合、事件ごとに、裁判員候補者名簿の中からくじ引きでその事件の裁判員候補者が選ばれることになります。

そして、裁判員候補者は裁判所において裁判官と面談などを行い、最終的に候補者の中から6名が裁判員として選ばれることになります。

次回は、どのような事件が裁判員裁判の対象となるかについてご説明させていただきます。

 

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2019.04.05

【相談事例32】自由に名前を変えられる?~改名するためには~

【相談内容】

先日ニュースで、自身の変わった名前を変更することができた人のことを取り上げていました。

私の名前は変わった名前というわけではなく、今の名前で支障が生じたりすることはないのですが、他の名前に変えたいと考えているのですが、どのような場合に名前を変えることができるのでしょうか?

【弁護士からの回答】

数年前より、自分の子どもの名前に、キャラクターの名前や、当て字などで通常読み難い名前などのいわゆる「キラキラネーム」という言葉を多く目にするようになってから、今後、改名を希望する人が増えるのではないかと個人的には考えていました。

先日ニュースで話題になった、改名を行った方についても、同じように一般的にキラキラネームに該当しうるお名前のケースだと思います。
今回はどのよう場合に改名が認められるか等についてご説明させていただきます。

1 改名の手続きについて

改名とは、大きく分けると「氏の変更」「名の変更」の二種類があります。
「氏の変更」とは、苗字を変更する手続きであり、「名の変更」とは、苗字と名前のうち、名前を変更するものであり、いずれも戸籍法に記載されています。
いずれの手続きにおいても、裁判所の許可を得て役所へ届け出ることが必要になります。

これは、氏名というものは、その人を特定する唯一無二の呼称であるため、自由に変更を認めてしまうと、その人個人を特定することができず、社会的にも混乱が生じてしまう可能性があるため、裁判所が許可した場合に限り、氏の変更や名の変更を認めているのです。

2 「名の変更」について

上記のとおり、氏名とは、個人を特定するためのものであり、一度定められた氏名について自由に変更されてしまうと、個人の特定が困難になってしまいます。
したがって、戸籍法上、名の変更が認められるためには、「正当な事由」が必要とされています(107条の2)。

「正当な事由」が認められる場合とは、営業上の理由より先代の名を襲名する場合や、通称名を非常に長期間使用しており、通称名の方が社会的に定着しているっ場合や、同姓同名の人がいて、生活上で支障がある場合などには認められていますが、そのような事情がない場合には、従前の氏名を継続することと、改名することの利益不利益を総合的に考慮して、変更する利益が大きい場合には認められるとされています。

したがって、ニュースで取り上げられたようなキラキラメールといった珍奇な名前の場合にはその名前を使用することによる不利益が大きいと認められる場合が多いといえるため、名の変更は認められる可能性が大きいでしょう。
しかし、ご相談者様のような主観的な理由のみによる変更については、必要性がないとして一般的には認められていません。

3 「氏の変更」について

氏(苗字)については、出生により授けられ、結婚、離婚、養子縁組等身分関係が変更するときに変更される以外は、基本的に変更されるものではなく、親族関係等を基礎づけるものとして非常に重要であるため、氏の変更が認められる要件としては、戸籍法上「やむを得ない事由」が必要であるとされており(107条)、名の変更よりも厳格な要件が設定されています。

名の変更では同姓同名の人がいる場合には認められていましたが、同姓同名の場合に氏を変更することは認められていませんし、いわゆるキラキラネームの場合であっても氏を変更することは認められていません。

4 最後に

氏名というものは、個人のアイデンティティの観点から非常に重要なものですが、キラキラネーム等のように名前により、苦しい思いをされているかたもいらっしゃると思います。

現在の名前で苦しい思いをされている方であっても家庭裁判所にて許可を得なければ名前を変えることはできないため、氏名でお悩みの方は一度弁護士にご相談ください。

 

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2019.03.11

【相談事例31】~迷惑動画④動画の拡散や実名を晒すのは違法?~

【相談内容】

先日、僕が通っている大学の同級生が身内のSNSで迷惑動画をアップしていました。

迷惑動画を投撮影することは悪いことですよね?動画を拡散するだけでなく、彼の名前や出身大学などを投稿して懲らしめたいと考えています。

【弁護士からの回答】

自らの正義感や面白半分などという理由により、迷惑行為を撮影した動画を拡散したり、ネット上で迷惑動画などの問題行動を行った当事者の個人情報を探し当て、その情報を拡散することが頻繁になされています。
ニュースなどでは、迷惑動画を撮影した人などを問題視するものが多く、動画を拡散したり、個人情報を晒したりする人の問題については取り上げられていることがなかったため、今回、そのような行為の法的リスクについてご説明させていただきます。

1 肖像権、プライバシー権侵害

判例上認められている個人の生活上の自由(権利)として、承諾なしにその容貌、姿態を撮影されないことが認められており、これを、肖像権やプライバシー権といいます。

したがって、迷惑動画を拡散することは、承諾なしにその容貌などを不特定多数の人に拡散してしまう行為であるため、肖像権やプライバシー権を侵害する行為として損害賠償の対象になりうる行為です。

迷惑動画を撮影するという行為自体は違法なのですが、違法な行為をした人は肖像権が失われるという考え方はなされておりません。
したがって、迷惑動画を撮影した人を拡散する行為も違法な行為に該当しうることになります。(逮捕された容疑者などを無断で撮影し、報道する行為についても肖像権との関係では一応問題となりうるといえるでしょう。)。

2 個人情報の拡散について

迷惑動画の拡散に加えて、動画に映っている人の氏名、住所、出身大学等個人情報についても拡散した場合にはどのような問題があるのでしょうか。

自分自身で行っているので、自業自得という側面は否定できないものの、特定の人物が店の信用を損なうような行為を行っているということは、一般的にその人の名誉を毀損する内容であることが一般的であるため、個人情報を含めて動画を拡散した場合には、かかる行為が民事上違法な行為であることに加え、名誉毀損罪として刑事責任を問われてしまう可能性も否定できません。

以前にご説明したことがありますが、名誉毀損行為を行ったとしても公益的な目的である場合には、違法性が認められない場合もありますが、いわゆるジャーナリズムとは異なり、一般の人がSNSで拡散する行為は、面白半分である場合やリツイート数や「いいね」の数を稼ぐためであることが多いと思われますので、違法性が否定される場合は少ないでしょう。

3 まとめ

スマートフォン及びSNSの普及により、今では誰でも簡単に情報発信をすることができる時代であり、迷惑動画に限らず、ほんの軽い気持ちで投稿したことで他人に多大なる損害を与えてしまう場合や、自分自身を傷つけてしまうことが容易に想定されます。

技術の進歩は素晴らしことですが、それに伴って、技術を用いる人のリテラシーの向上も進歩に比例して必要不可欠になっていると思います。
もし、自分の行うとしている行為が、法的に問題があるのではないかと不安を抱いた場合には、行動を起こす前に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

 

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2019.03.11

【相談事例26】弁護士の仕事とは③~裁判業務について~

【質問内容】

弁護士さんのお仕事といったら裁判で活躍するというのが印象的ですが、裁判ではどのようなことをされているのですか。
テレビドラマであるように毎回毎回法廷で相手方と言い争っていると思うととっても大変ですね。

【弁護士からの回答】

テレビドラマなどでは、弁護士が法廷で依頼者側の主張を延々と述べ、その主張の優劣で裁判の結論が変わるかのような演出がなされていることが多くみられます。
確かに、刑事裁判においては、被告人の代理人として裁判官や裁判員に対し、無罪であることや、量刑を軽くするために、法廷で発言することがありますが、民事裁判の場合はそのような機会はほとんどなく、実際に行われている裁判の期日の内容は皆さんが抱いている裁判のイメージと大きく異なると思われます。
そこで、今回は、裁判業務についてご説明させていただきます
(刑事裁判や民事裁判の具体的な内容については、別の機会にご説明させていただきます。)

1 刑事裁判について

刑事裁判では、起訴された被告人の代理人(弁護人)として被告人が無罪の場合には無罪を主張し、罪を犯したことは間違いないとしても、被告に有利な証拠(情状)を提出することにより、量刑を減刑するよう活動を行います。

その活動のなかで、証人に対し質問(尋問といいます)したり、被告人に対し質問を行ったりする尋問手続きという手続きがあるのですが、その尋問手続きは、テレビドラマで見ているように、弁護士が法廷で証人に対し質問を行うことになります。

また、裁判の終盤には、検察官の方から被告人がこれだけ悪いことをしているので厳罰にすべきであるというようなことを主張する論告・求刑という手続きがあり、それに対し、弁護側として、犯人ではない、犯罪は成立しない、犯罪は成立するとしても、このような事情が存在するので、刑を軽くすべきであるというような主張を行う弁論という手続きがあります。

別の機会にご説明させていただきますが、裁判員裁判においては、先ほどの尋問手続きと、この弁論でどのような主張を行うかによって、裁判員が受ける印象も大きく異なってくるとも言われているので、弁護士の腕の見せ所であるともいえると思います。

2 民事裁判について

民事裁判における弁護士の役割は、刑事裁判とは大きく異なり、基本的には弁護士が法廷で発言するような期間はほとんどといっていいほどありません。

具体的には裁判までの期日までに、書面を作成して証拠を作成し事前に裁判所と相手方にて出し、裁判では、その書面と証拠を提出したことを確認したうえで、次回の期日までに提出すべき書面(相手方の反論や、こちら側の主張の補充などです。)などを確認して、1回の期日が終わります。

時間にすると平均して10分程度で終わるのが通常かもしれません。ご依頼いただいた方も裁判に一度出席したいとの意向で、期日に出廷される方もいらっしゃるのですが、1回の期日があまりにも短く終わってしまうので拍子抜けしてしまう方も少なくありません。

そのように、主張を行い続けていった上で、争点に関し、刑事事件と同様に証人や当事者に対し尋問手続を行います。
もっとも、民事裁判においては証人尋問における証言の重要性はあまり高くなく、証人尋問前の書面や証拠が非常に重要となります。

3 最後に

このように、刑事裁判や民事裁判において弁護士が行う活動は様々ですが、基本的に裁判所で活動をできるのは弁護士のみであるため、裁判を起こす、裁判を起こされたという事態になったらなるべく早期に弁護士にご相談ください。

 

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2019.03.11

相談事例集の掲載にあたって

当事務所では、初回相談に関しては、1時間無料にて対応させていただいていることから、日々様々なご相談をいただいております。
これまで、離婚、相続等個々の分野に関して、コラムを作成させていただきましたが、日常で発生する法律問題については、離婚、相続に限らず、あらゆる法律問題が存在しています。
当事務所にご相談に来られる方もこうした様々な法律問題や、そもそも法律の問題ではないトラブルについてもご相談いただくことがございます。

そこで、この相談事例集では、ご相談にお越しいただいた方の相談内容や、社会的に問題になっている事項等を参考に、一般的な相談内容に対し、弁護士としての見解やアドバイス等をご紹介させていただくことにより、弁護士を身近なものに感じていただき、那珂川町のみならず、春日市、大野城市、太宰府市等にお住いの皆様からお気軽にご相談にお越しいただけたらと考えております。

【注意事項】
ご紹介する相談事例はあくまでも一般的な事例であるため、当事務所への個々の相談や、受任している個別の事件とは一切関係ありません。
また、回答に関しても一般的な相談に対するものであるため、実際の事件の際には異なる処理が適切である場合がございます。
したがって、この事例集をご覧になられた方において、相談事例と同様若しくは類似すると感じた場合でも必ず弁護士のご相談を受けることをおすすめいたします。

2018.10.15

弁護士の仕事とは②~裁判外業務について~

前回は,弁護士の仕事の総論的な部分をご説明させていただきました。

今回は,弁護士の仕事のうち,裁判外業務の内容について,ご説明させていただきます。

 

1 代理人としての交渉業務

弁護士 裁判外の業務において一定の割合を占めるのが,この代理人としての交渉業務になります。お金を貸したのに返してもらえない,家賃を払ってもらえないので,アパートから退去して欲しい,夫と離婚したい,交通事故に遭ってしまったので相手方保険会社との間に入って欲しいなど,様々な法律問題について依頼者の代理人として依頼者の利益を実現するために相手方と交渉を行うのが弁護士としての役割です。また,上記のような民事上のトラブルだけではなく,刑事上のトラブル,例えば,ケンカをして相手を殴ってしまい,ケガをさせてしまった場合には,被害者との間で示談を成立するための活動を行うことも弁護士の仕事です。

 この交渉業務は,弁護士の業務において非常に重要な業務であると考えています。すなわち,交渉によりトラブルが解決することにより,依頼者が抱える問題を早期に解決することができ,紛争にまきこまれることを防ぐことができるため,交渉によりスムーズにトラブルを解決することが弁護士としての責務ではないかと感じています。

 

2 顧問弁護士としての顧問業務

 上記の交渉業務に関しては,基本的には法的トラブルが発生した段階でお手伝いさせていただくことが多いです。しかし,弁護士の業務として企業や時には個人の顧問弁護士として常日頃,相談等関係を構築しておくことで,弁護士として紛争が起こらないようにアドバイスをすることができます。たとえば,法的にトラブルが発生しないようにきちんとした契約書を作成することや,就業規則の作成を行ったり,何か行動を起こす前に,法的に問題がないかの確認を弁護士に依頼したり(リーガルチェックといいます。)するなど,顧問弁護士を利用することにより,紛争が発生することを防ぐためにお手伝いさせていただくことができます。

 機会があれば,ご説明させていただきますが,何かトラブルがおきてから弁護士に依頼するよりも,何かトラブルが起きないように弁護士に相談をする方がとても重要であるため,顧問業務については重要な仕事であると考えています。

 当事務所には,支払った顧問料を無駄にすることなく,積み立てることができる,「フレックス顧問契約」という形態をとっておりますので,顧問弁護士をご検討されている方につきましては,是非,一度ご相談ください。

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