弁護士コラム

2022.06.09

政教分離って何だ??

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令和3年2月24日、最高裁判所の大法廷において、政教分離という問題に対して判断がくだされました。

内容としては、那覇市が管理する公園の敷地について、儒教の祖といわれる孔子を祭るための廟(びょうと読み、祖先の霊を祭る建物のことをいいます。)を設置していた一般社団法人に対し、市が当該土地を無償で提供(使用料を免除)したことが憲法が禁じた宗教的活動に該当すると判断しました。

一般の方からすると、政教分離という言葉もあまりなじみがなく、どういった問題であるのかについてもわかりづらいと思いますので、すこし説明させていただきます。

政教分離って何だ??

憲法20条は、第1項で「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」、第2項で「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」第3項で「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定しています。

また、憲法89条では、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため、……これを支出し、又はその利用に供してはならない」と規定しています。 この憲法20条1項(後段)、同条3項、89条の規定が、国家(地方公共団体)と宗教の結びつきを禁ずるための「政教分離の原則」を定めていると言われています。

国家と宗教が結びつくことにより、異教徒や無宗教の人に対する迫害が生じてきた歴史等に鑑み、個人の信教の自由を守るために定められた原則であると言われています。 今回は、那覇市という地方公共団体が、「孔子廟」という儒教の祖を祭る建物を設置する際の使用料を免除したことが政教分離違反に該当しないのかという点が問題になりました。

政教分離原則に反するか否かについては大きく分けると、①行為の目的が「宗教的意義」を持つか否か、②その行為に結果(効果)が、宗教に対する援助、助長、促進、圧迫、干渉等に該当するかという①と②を基準に判断されるのが一般的です(「目的効果基準」などと言ったりします。)。

今回の最高裁においても、孔子廟の宗教性を肯定した上で免除される使用料が高額(年間約570万円)であることなどを理由に、使用料を免除したことは一般人から見て市が特定の宗教に対し特別の便益を提供し、援助していると評価されてもやむを得ないと判断したようです。

政教分離って何だ??

これまで、最高裁において国や地方公共団体の行為が政教分離原則に反すると判断した例は2件しかなく、今回の最高裁の判決で3件目となったこともなり、全国ニュースでも取り上げられるようになりました。

このように、一般の方ではあまり馴染みのない政教分離原則ですが、司法試験を受験する方は必ず学習する分野であり、特に私の場合、司法試験本番で政教分離原則の問題が出て、まさか政教分離の問題がでるとは予想していなかったため、とても焦った記憶があり今回のニュースで懐かしい記憶がよみがえったため記事にさせていただきました。

執 筆
那珂川オフィス 所長/弁護士
後藤 祐太郎
那珂川市のみならず、福岡市南区・春日市・大野城市・筑紫野市・太宰府市・鳥栖市近郊であらゆる法律問題について担当。
博多オフィスへも定期的に来所しています。
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2022.05.17

商品を勝手に送り付けられたら
どうすればいいの?

コロナウイルスの感染拡大に伴い、自宅で過ごすことが多くなり出前サービスやインターネットでの通販の需要が著しく増大しているというニュースを見かける方もいらっしゃると思います。
私もちょっとした買い物に行くことで感染してしまったら怖いなと思い、インターネットで買い物をすることが多くなりました。
インターネットサイトではAIを駆使して、過去の閲覧履歴などからおすすめ商品等も紹介してくるため、ついつい余計な物まで購入してしまいます。

インターネットショッピングをする人

このように商品を直接買うのではなく、配送でのやり取りが増えるなかで、注文を一切していないのに、いきなり商品が自宅に届き、代金を請求されて支払ってしまうというトラブルが起きています。
このように一方的に商品を送り付けて代金を請求することを「送り付け商法」といいます。

この送り付け商法については、そもそも注文していない状況で一方的に商品を送っているため、売買契約が成立しておらず代金を支払う義務はありません(注文している場合には原則として代金を支払う義務がありますが、場合によってはクーリングオフの対象となり解約することができる可能性がありますので、弁護士や消費生活センターにご相談ください。)。

では、送り付けられた商品については、どうすればいいのでしょうか。

送り付け商法

代金を支払っていないため、『返却しなければいけない』と思う方も少なくないと思います。
また、生鮮食品など腐ってしまった場合などには、『代金を支払わなくてはいけない』と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、特定商品取引法という法律により、売買契約に基づかずに一方的に送り付けられた商品については「直ちに」処分可能であると規定されています。
今までの特定商品取引法では、送り付けられた商品を14日間保管する必要があったのですが、一方的に送りつけられたものを自由に処分できないのは保管の押し付けになるのではないかという声があがり、特定商品取引法が改正され、令和3年7月6日から「直ちに」処分することができるようになりました。

このように、法律で一方的に送り付けられた商品も直ちに処分することが可能となったため、その後送り付けてきた事業者から金銭を支払ってほしいと請求されたとしても、堂々と支払不要であると断ることができます。

もっとも、いきなり商品を送り付けられ代金を請求されてしまうと、焦って支払ってしまう方も少なくありません。
このブログを少しでも多くの方に知ってもらえればいいのですが、万が一支払ってしまったとしても返還を請求をすることができるため、弁護士や消費生活センターにご相談ください。

執 筆
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後藤 祐太郎
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2022.04.06

キャラクターケーキ、勝手に作って大丈夫?
~著作権侵害について~

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皆さんはケーキをよく食べますか?

私の家では、長男の誕生日、妻の誕生日がいずれも12月にあるため、各誕生日とクリスマスにケーキを食べる機会が一気に増えます。
昨年は大丈夫でしたが、今年は30代後半になるため、胃もたれしないか今から心配です。

お子さんの誕生日やクリスマスにはお子さんに喜んでもらおうと、お子さんの好きなキャラクターなどがデザインされたケーキを作ってもらうご家庭も少なくないのではないでしょうか。

キャラクターケーキ、勝手に作って大丈夫?~著作権侵害~について

皆さんは、キャラクターのケーキを作ってもらう時に、「著作権は大丈夫なのか」と思ったことはありませんか?
『ケーキ屋さんが販売しているから大丈夫だろう』と思っている方がほとんどだと思いますが、実は多くのケーキ屋さんでは、著作権者の許可をとらずに作成しているケースが非常に多いです。
そして、キャラクターの絵が記載されているケーキは、簡単にいうとぱっと見て「あのアニメのキャラクターだ」と分かる内容のものを販売した場合には著作権侵害行為に該当します。

この点、ご自宅でご自身がご家族のためだけに作成するような場合には、私的私用のための複製行為として違法な行為に該当するものではありません。
しかし、キャラクターケーキを販売することを謳って、お客さんからのオーダーを受けて料金を受取り作成する場合には私的利用の範疇を越えた違法な行為に該当します。

著作権侵害を行った場合、民事での損害賠償のみならず、犯罪行為として処罰の対象にもなります。
先日、人気漫画の「鬼滅の刃」のキャラクターが描かれたケーキを無許可で販売したとして、自営業の男性が著作権法違反で書類送検されたというニュースがありました。

著作権

このように、法律的な観点からいうと、おそらく多くのケーキ屋さんで著作権者の許可を得ずにキャラクターケーキを販売しており、著作権侵害行為を行っているのだと思います。
しかし、著作権者においてすべてケーキ屋さんを調べること等、事実上不可能であることや、大目に見てもらっている、というのが正直なところかと思います。

したがって、キャラクターケーキが売れることに味を占め、インターネットなどで大々的に宣伝したり、多額の収益を得ている状況が著作権者に知られた場合には、どのケーキ屋さんでも著作権法違反で検挙される危険性があるという状態だということは強く認識していた方がいいでしょう(簡単にいうと、高速道路でみんなスピード違反をしている状態でどの車が警察につかまるか分からないという状況とあまり変わりはないと思います。)。

また、注文する側が何も問われないかというと、厳密にはそうではなく、著作権法違反であることを認識しながら作成を依頼した場合には、共同不法行為として著作権者から損害賠償を受ける、ということにはなってしまいます。

大切なご家族の笑顔を見るために、頼んだキャラクターケーキが原因で、トラブルに巻き込まれるということはとても悲しいことなので、もし、キャラクターケーキなどが欲しい場合には、きちんと著作権者から許可を得ているところから購入したいですね。

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2022.03.23

道でスケートボードに乗ってもいいの?

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2021年7月から、東京2020オリンピックが開催されました。
コロナウイルスの感染が原因で、1年開催が延期されましたが、日本人の選手の皆さんの活躍を連日見ることができ、私個人としては開催されてとてもよかったと思います。

印象に残る選手や試合はとてもたくさんあるのですが、私個人としては、体操男子の橋本大輝選手の個人総合での試合の様子は、家族でテレビにかじりついて見ており、金メダルが決まった瞬間は、2歳の長男も「やったー!」と喜んでおりとても感動したため、一番印象に残っています。

オリンピック

東京オリンピックから初めて採用された競技の中の1つに、スケートボードがあります。
ストリートとパークという競技があり、ストリートに関しては、男女どちらとも日本人が金メダルを獲得し、「13歳、真夏の大冒険!!」という実況もあいまって、競技後、スケートボードブームもおきました(オリンピック後に息子と故近所の公園に行くと、小さいお子さんがスケートボードでびくびくしながら練習している様子を見ると、ブームが来ていることを実感します。)。

しかしスケートボードは、操作も難しく、転倒の恐れも高く、また、道路等で乗ってしまうと、他の人への衝突などトラブルが生じる可能性もあるため、ブームでスケートボードに乗る人が増えることで、トラブルも増える恐れがあるということがニュースでも報じられています。

スケートボードを公道等で乗ることに関して、何か法律の規制があるかについて調べてみると、まず、スケートボードが法律上どういった位置づけになるかですが、スケートボードには方向指示器や、ブレーキなど軽車両として認められる部品等がついていないため、自転車等の軽車両には該当しません(モーターつきのスケートボード等の場合には、軽車両と認定される場合があるかもしれません。)

スケートボード

では、軽車両に該当しないからといって自由に乗っていいかというとそうではありません。
道路交通法76条4項では、「何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。」と規定し、第3号で「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。」規定しています。
スケートボードは、ローラー・スケートに類する行為に該当するため、「交通のひんぱんな道路」においてスケートボードを行うことは道路交通法上禁止されており、違反すると、道路交通法120条1項第9号により、5万円以下の罰金に処せられてしまいます。

このように、法律上は、交通の頻繁ではない道路であれば、スケートボードに乗っても何ら問題はないのですが、交通の頻繁な道路でない場合にも、歩行者や自転車との衝突の危険は非常に高く、万が一他の人にぶつかり、重症や後遺症を負わせてしまった場合には多額の賠償責任を負ってしまうこともあるため、なるべく公道では乗らないほうがいいでしょう。

こうした路上での使用等が減るためにも、スケートボードを行うことができる施設などが充実すればいいなと思います。

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2022.03.09

未成年者の課金
~投げ銭トラブルについて~

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大人だけでなく子どもたちも学校にいけない期間が増え自宅で過ごす機会が増えていると思います。
以前から問題になっており、コロナ禍でさらに問題なっているのが、未成年者によるゲームやライブ配信などに没頭してしまい、多額の課金や、投げ銭などを行ってしまうという金銭トラブルが非常に多発しているということです。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大人だけでなく子どもたちも学校にいけない期間が増え自宅で過ごす機会が増えていると思います。 以前から問題になっており、コロナ禍でさらに問題なっているのが、未成年者によるゲームやライブ配信などに没頭してしまい、多額の課金や、投げ銭などを行ってしまうという金銭トラブルが非常に多発しています。  こういったネット上での金銭使用については、基本的に親のクレジットカードでの支払がなされるため、課金などをしている未成年者自身でいくら課金しているのかということを認識することができない場合や、歯止めがきかなくなってしまって多額の課金をしてしまうケースが多いようです。  消費生活センターなどへ寄せられる相談では、子どもがひと月に150万円以上課金してしまったという相談もあったそうです。  課金行為や投げ銭行為は売買契約や贈与契約として法律行為に該当します。 そして、未成年者が親権者の承諾を得ずに法律行為を行った場合、親権者はその法律行為を取り消すことができます(民法5条)。 未成年者は知識も未熟であることからかかる未成年者を保護するために、親の取消権が認められています。  この民法の規定からすると、未成年者が、課金や投げ銭を行った場合、親権者が取消権を行使して、課金した代金の返金が認められそうにも思えます。  しかし、未成年者が課金をすることができる状況の多くが、お子さんが親のクレジットカードを自由に使うことができる状況であると評価されてしまうケースが多いと言えます。 したがって、多くの場合、事前に親権者の承諾があったものと判断され、取消が認められないことになるケースが多いと思います。  また、民法では、未成年者が成人であると偽って法律行為をした場合には、取引の相手方を保護するために取消権は認められないことになります(民法21条)。 したがって、課金や投げ銭を行う前の画面において年齢確認の画面があり、その画面を経て課金をしている場合には、成人であると偽って取引していることになるため、その場合でも取消権の行使は認められないでしょう。  このように、未成年者の課金などはそのほとんどが取り消すことができないため、親権者である親御さんの方で事前に対策を行う必要があります。 具体的には、利用額の上限額を低く設定する。 クレジットカードが使用される都度親御さんに連絡がいくような手続を行うことや、スマートフォンの利用履歴を確認することができるようにするなどして、多額の課金がなされないようにする必要があると思います。  たかが子どもの遊びと侮っていると上記のように多額の金銭トラブルにまきこまれてしまう危険性もあるため、くれぐれもご注意ください。

こういったネット上での金銭使用については、基本的に親のクレジットカードでの支払がなされるため、課金などをしている未成年者自身で、いくら課金しているのかということを認識することができない場合や、歯止めがきかなくなってしまって多額の課金をしてしまうケースが多いようです。

消費生活センターなどへ寄せられる相談では、子どもがひと月に150万円以上課金してしまったという相談もあったそうです。

課金行為や投げ銭行為は売買契約や贈与契約として法律行為に該当します。
そして、未成年者が親権者の承諾を得ずに法律行為を行った場合、親権者はその法律行為を取り消すことができます(民法5条)
未成年者は知識も未熟であることからかかる未成年者を保護するために、親の取消権が認められています。

この民法の規定からすると、未成年者が、課金や投げ銭を行った場合、親権者が取消権を行使して、課金した代金の返金が認められそうにも思えます。

しかし、未成年者が課金をすることができる状況の多くが、お子さんが親のクレジットカードを自由に使うことができる状況であると評価されてしまうケースが多いと言えます。
したがって、多くの場合、事前に親権者の承諾があったものと判断され、取消が認められないことになるケースが多いと思います。

また、民法では、未成年者が成人であると偽って法律行為をした場合には、取引の相手方を保護するために、取消権は認められないことになります(民法21条)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大人だけでなく子どもたちも学校にいけない期間が増え自宅で過ごす機会が増えていると思います。 以前から問題になっており、コロナ禍でさらに問題なっているのが、未成年者によるゲームやライブ配信などに没頭してしまい、多額の課金や、投げ銭などを行ってしまうという金銭トラブルが非常に多発しています。  こういったネット上での金銭使用については、基本的に親のクレジットカードでの支払がなされるため、課金などをしている未成年者自身でいくら課金しているのかということを認識することができない場合や、歯止めがきかなくなってしまって多額の課金をしてしまうケースが多いようです。  消費生活センターなどへ寄せられる相談では、子どもがひと月に150万円以上課金してしまったという相談もあったそうです。  課金行為や投げ銭行為は売買契約や贈与契約として法律行為に該当します。 そして、未成年者が親権者の承諾を得ずに法律行為を行った場合、親権者はその法律行為を取り消すことができます(民法5条)。 未成年者は知識も未熟であることからかかる未成年者を保護するために、親の取消権が認められています。  この民法の規定からすると、未成年者が、課金や投げ銭を行った場合、親権者が取消権を行使して、課金した代金の返金が認められそうにも思えます。  しかし、未成年者が課金をすることができる状況の多くが、お子さんが親のクレジットカードを自由に使うことができる状況であると評価されてしまうケースが多いと言えます。 したがって、多くの場合、事前に親権者の承諾があったものと判断され、取消が認められないことになるケースが多いと思います。  また、民法では、未成年者が成人であると偽って法律行為をした場合には、取引の相手方を保護するために取消権は認められないことになります(民法21条)。 したがって、課金や投げ銭を行う前の画面において年齢確認の画面があり、その画面を経て課金をしている場合には、成人であると偽って取引していることになるため、その場合でも取消権の行使は認められないでしょう。  このように、未成年者の課金などはそのほとんどが取り消すことができないため、親権者である親御さんの方で事前に対策を行う必要があります。 具体的には、利用額の上限額を低く設定する。 クレジットカードが使用される都度親御さんに連絡がいくような手続を行うことや、スマートフォンの利用履歴を確認することができるようにするなどして、多額の課金がなされないようにする必要があると思います。  たかが子どもの遊びと侮っていると上記のように多額の金銭トラブルにまきこまれてしまう危険性もあるため、くれぐれもご注意ください。

したがって、課金や投げ銭を行う前の画面において年齢確認の画面があり、その画面を経て課金をしている場合には、成人であると偽って取引していることになるため、その場合でも取消権の行使は認められないでしょう。

このように、未成年者の課金などはそのほとんどが取り消すことができないため、親権者である親御さんの方で事前に対策を行う必要があります。
具体的には、利用額の上限額を低く設定する。
クレジットカードが使用される都度親御さんに連絡がいくような手続を行うことや、スマートフォンの利用履歴を確認することができるようにするなどして、多額の課金がなされないようにする必要があると思います。

たかが子どもの遊びと侮っていると、上記のように多額の金銭トラブルにまきこまれてしまう危険性もあるため、くれぐれもご注意ください。

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2022.01.04

凧あげでトラブルに?

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新年明けましておめでとうございます新年あけましておめでとうございます。
2022年になりました。

私が、この菰田総合法律事務所に入所してから6年が経ちました。
6年前の時点で、那珂川オフィスは那珂川市唯一の法律事務所でした。

それから6年経ちましたが、相変わらず那珂川市唯一の法律事務所のままです。 それでも、初めてお会いする方に名刺を渡すと「那珂川に法律事務所があったんだね。」と言われることも少なくありません。

ひとえに私自身の営業力の乏しさが原因なのでしょうが、今年は那珂川オフィスや私自身のことをもっと知ってもらうためにも、このブログも飽きることなく更新していきたいと思います。

凧あげでトラブルに?今年の抱負もお伝えしたところで、新年一発目は新年らしい話題にしたいと思い、凧あげでのトラブルの事例をご紹介します。
小さい頃、お正月になると父や祖父と凧あげをして遊んだことを思い出します。
祖父が凧あげが上手で、長い糸をどんどん伸ばし凧がみるみる小さくなっていき、少し不安になってしまったことが懐かしいです。

凧あげでのトラブルというと、過去に、名古屋市で凧糸が架線にひっかかったことが原因で、車両所から名古屋駅に移動する予定であった新幹線の車両が動かせなくなり、別の車両を用意する等した結果発車時刻を18分遅れることになり、約400人に影響が出たということがありました(近くには凧も落ちていたようです。)。

凧糸が電線や架線にひっかかった状態で放置してしまうと、垂れた糸から感電するなど非常に危険な状態であるため、特に電車が通る架線にひっかかってしまうと、電車を動かすことができず、とても大きなトラブルになってしまう危険性もあります。

では、先程の事例のように、凧を架線にひっかけてしまった場合に、法的にどのような問題があるのでしょうか。
まず、わざと凧糸を架線にひっかけることをした場合、鉄道会社の業務を故意に妨害したことになるため、威力業務妨害罪(刑法234条)が成立する可能性があります。

また、わざとでなくても架線の近くなどで凧あげをしており、誤ってひっかけてしまった場合であっても過失により鉄道会社に損害を与えたとして、不法行為に基づく損害賠償を支払わなければならない可能性も十分にありえます。

このようにお正月の楽しいイベントの1つである凧あげも大きなトラブルになってしまう可能性があるため、公園や運動場など周囲に遮るものがない広い場所で遊ぶように心がけたいですね。

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2021.12.22

カジノは違法じゃないの?~ギャンブルと賭博罪~

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近年、海外では一般的になっているIR(統合型リゾート)について、日本政府が着目し始め、2016年にはIR推進法が成立し、日本でもIRを実現するために、東京や大阪のみならず、九州では長崎(佐世保)が誘致に手を挙げているといった内容のニュースを目にするようになりました。

このIRの中には、カジノ施設が入ることが多く、日本で設置されるIRにおいてもカジノ施設が入ることが予定されています。
2021年の7月には、IR整備法のうち、日本国内でのカジノを解禁し、ギャンブル依存症対策などを定めた条項を7月19日に施工することが閣議決定されました。

この新たに施行させる条項には、事業者が国からの免許を受けた場合、カジノのゲームで金銭を賭けたとしても、刑法の賭博罪を適用しないことが明記されています。

カジノこのように、刑法の賭博罪を適用しないということがわざわざ明記されているということは、カジノでお金を賭けてゲームする行為、形式的には、刑法で禁止されている賭博罪に該当するということになります。

カジノのみならず、日本では、パチンコや競馬などのギャンブルが行われておりますが、パチンコや競馬をやっている人が賭博罪で逮捕されることはありません。
今回は、一見すると賭博罪に該当するようなギャンブルについて、なぜ賭博罪に該当しないのかについてご説明させていただきます。

まず、刑法のと賭博罪の規定をみると、刑法185条では、「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」と規定されています。

すなわち、一時の娯楽に供するものを賭けたにとどまる場合(お昼の代金をごちそうするために、あるチームが勝つか負けるかを賭ける場合などです。)を除くと、「賭博」に該当する行為を行った場合には、刑法185条違反となり、50万円以下の罰金等に処せられる可能性があることになります。

そして、「賭博」とは、『偶然の支配』による財物の得喪のことをいいます。
簡単に言うと、「結果がわからない事に金品を賭けて楽しむ事」をいいます。
この定義からすると、パチンコも賭博に該当するようにも思えます。

しかし、パチンコをされない方には、よくわからないと思いますが、パチンコの仕組みは、①お金を払ってお店からパチンコの玉を買う、②買った玉でパチンコ台で遊戯を行う、③出た玉と、財物的価値がない景品と交換するという仕組みになっています。
そして、パチンコ店では、お店を出たすぐ隣に「景品交換所」という上記③でもらった景品を現金で購入してくれる場所があります。 このように、パチンコ店では、財物性のない景品しかもらえないため、「賭博」には該当しないことになり、お店を出たら「たまたま」お店とは関係のない(ということになっています。)交換所の人が景品を現金を交換してくれたという仕組みになっています(これを通称「三店方式」といいます。
だいぶ脱法的な要素が強いですが、国も警察も黙認しているというのが現状でしょう。

競馬一方、競馬の場合には、馬券を購入し、購入した馬券が当選した場合には金銭が直接払い戻されるため、まさに「賭博」に該当します。
しかし、公的な団体(JRA)が運営しているということ、会場が地域発展の貢献につながるという理由で、国が認めた賭博(「公益賭博」といいます。)であるため、賭博罪の適用はありません(IRでのカジノ施設も国が認めたため賭博罪が適用されません。)

このように、パチンコや競馬等は、いくらやっても賭博罪として犯罪行為には該当しないものの、ギャンブル依存になってしまうと、破産など人生を壊してしまう危険性を有しています(上記IR整備法においても、ギャンブル依存対策として、国内客の入場は7日間で3回、28日間で10回と利用制限が設定されています。)

当事務所にもギャンブルで多額の借金を抱えてしまった方がご相談に来られることが少なくありません。
そういった方でも、破産が認められるケースや、個人再生手続により、元の生活に戻ることができる方がほとんどですのでギャンブルでの借金でお悩みの方はなるべく早くご相談ください。

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2021.12.15

宝くじ当たったのに換金しない?~消滅時効について~

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宝くじ当たったのに換金しない?~消滅時効について~今年もあと残すところ1カ月をきりました。
年末になるとクリスマスや、私の大好きな大みそかの格闘技イベントなどが予定されていますが、毎年年末になると年末ジャンボ宝くじが発売されます。

前後賞を合わせると10億円があたる夢のような宝くじですが、当選しても、換金しないまま放置しておくとどうなってしまうのでしょうか。

この点について、主に宝くじの販売などの規制することを内容とする当せん金付証票法という法律に規定されており、「当せん金付証票の当せん金品の債権は、これを行使することができる時から一年間行使しないときは、時効によつて消滅する。」とされています(同法12条)。

すなわち当選してから何もせずに1年間が経過してしまうと時効により換金することができなくなってしまうことになります。
せっかく当選した宝くじを換金しない人がいるのかと思ってしまいますが、年末ジャンボ宝くじを含め、年に5回あるジャンボ宝くじでは、毎年度100億円をこえる当選金が換金されずに時効になっているとのことでした(1億円以上の高額当選金も時効になっているようで、換金しないのであればぜひ自分に譲ってもらいたいと思ってしまいますね。)。

この当せん金付証票12条でも記載されている時効という制度ですが、権利を行使することができる人が一定期間権利を行使をしない場合には、権利が消滅するという消滅時効の制度が民法上採用されています。

令和2年4月1日に施行された改正民法により、消滅時効については原則として、債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点といいます。)から5年または、権利を行使することができる時(客観的起算点といいます。)から10年のいずれか早い方とされました。

このように、債権を有していても一定期間権利を行使をしないと、消滅時効により消滅してしまうリスクがあるため、長期間放置している債権などがあれば、是非早急に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
特に、不法行為に基づく損害賠償請求権などは異なった時効期間となっているため、ご自身の債権の時効期間がお知りになられたいという方も是非ご相談ください。

また、消滅時効については、仮に時効期間が経過していたとしても、債務者が支払義務のあることを承認した場合には、消滅時効を主張することができなくなってしまうため、債務を消滅させたい人は、消滅時効の意思を表示(援用といいます。)する必要があります。

長期間支払っていない債務などがあり、ある日突然督促が来たという場合には、その債権が消滅時効にかかっている可能性もあるため、ご自身で対応する前に是非一度弁護士にご相談ください。

那珂川オフィス 所長/弁護士 後藤 祐太郎Yutaro Goto執 筆
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2021.11.30

バイクはどこに止めればいいかは法律で決まっている??

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近年の働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大により、会社に出勤する機会も減りテレワークなどにより自宅でお仕事をされている方も増えてきていると思います。

また、会社に通勤している方であっても、それまで公共交通機関を使って通勤されていた方も通勤時の感染リスクを軽減するために自転車、自動車、バイクでの通勤にシフトされる方も多いと思います。

バイクでの移動をされる方も増え、車を止める駐車場、自転車を止める駐輪場だけでなく、バイク専用の駐車スペースが設定されている施設も増えてきています。

このようにバイク専用の駐車スペースが設定されている施設の場合には、その駐車スペースにバイクを停めていただければ、何ら問題はありません。

私は普段職場への通勤やちょっとした移動には車を使って移動しており、かつそもそもバイクの免許やバイクを持っていないため、このブログを書くまでよく考えてこなかったのですが、バイク専用の駐車スペースが無い場合には、駐車場に停めればいいのか、駐輪場に停めればいいのか非常に悩ましいと思います。

今回のブログを書くために改めて調べてみたのですが、まず駐車場に関して規定している法律があるか調べたところ、その名のとおり「駐車場法」という法律があります。

そして「駐車場法」2条(第1号及び第2号)では、駐車場の定義を「自動車の駐車のための施設であって一般公共の用に供されるものをいう。」と規定しており、駐車場は「自動車」を駐車すべきであると規定しています。

そうすると、一般的な感覚ではバイクは自動車ではないため、全てのバイクは駐車場に駐車できないとも思えます。

しかし、道路交通法では自動車の定義を規定しているのですが(具体的な定義の内容は省略します)原動機付自転車(すなわち排気量50cc以下のもの)以外のバイクは自動車に該当するとされています。

したがって、排気量が50ccを越えるバイクは駐車場に停めることができます。

なお、駐輪場についても「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」という法律が規定されており、その法律で自転車(「自転車等」といいます。)を「自転車又は原動機付自転車(道路交通法第二条第一項第十号に規定する原動機付自転車をいう。)」と規定しており、自転車及び原動機付自転車は駐輪場に止めることとされています。

このように、法律上では50cc以下のバイクは駐輪場、50ccを越えるバイクの場合には駐車場に停めると規定していますが、50ccを越えるバイクであっても、駐車場の広い駐車スペースにぽつんとバイクを停めることに抵抗があるという方もいらっしゃると思います。

したがって、ショッピングモール等の商業施設の場合には、駐車場の入口などにバイクを停める方法などが記載されている場合がありますので、そういった商業施設での停める場合や、どこに停めればいいかなと悩んだ場合には、駐車場の管理人やお店の人等にどこに停めればいいかを確認するということも無用なトラブルを避けるために有用かもしれません。

那珂川オフィス 所長/弁護士 後藤 祐太郎Yutaro Goto執 筆
那珂川オフィス 所長/弁護士
後藤 祐太郎
那珂川市のみならず、福岡市南区・春日市・大野城市・筑紫野市・太宰府市・鳥栖市近郊であらゆる法律問題について担当。
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2021.11.15

立候補にもお金が必要?~立候補のための供託金について

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2021年10月14日、衆議院が解散し、解散に伴う衆議院議員総選挙が10月19日に公示され、10月31日に投票が行われます。

立候補にもお金が必要?~立候補のための供託金について今回はコロナ禍での選挙となり、どういった点が争点になるのかについて定まっていないような気もしますが、一個人としては、子ども関連の政策に力を入れているところがポイントかな、などと考えています。

この総選挙は小選挙区制と比例代表制が併用されていますが、国会議員になるためには、政党の名簿に登録されて、当選する場合を除くと、小選挙区制において、立候補をする必要があります。

よく巷の会話などで「そんなに今の政治に不満があるのであれば、自分が立候補して政治家になればいいじゃないか」ということを聞かれたこともあるかもしれませんが、そんなに簡単に立候補をすることができるのか、今回は選挙の立候補についてご説明させていただきます。

まず、立候補するための権利のことを、被選挙権といいます。
この被選挙権については、認められる年齢が公職選挙法に定められており、衆議院議員の場合には、満25歳以上の人が被選挙権を有すると規定されています(10条1号)。

この他に、罪を犯して禁錮以上の刑に処せられた場合などには被選挙権が失権するのですが、失権事由がないかぎり、満25歳以上であれば立候補をすることは可能です。

しかし公職選挙法では、立候補の届出をする場合には、供託金を支払わなければならないと規定しており(92条)、衆議院(小選挙区)議員の場合には、300万円を供託金として支払う必要があります。
そして、この供託金ですが、一度届出をし、途中で立候補を取りやめても返金はされず、途中で辞めなくても投票数が少ないと、没収されてしまいます。

衆議院議員選挙では、有効投票総数の10分1(1割)の票を獲得できなければ、供託金が没収されることが公職選挙法93条に規定されています(前回、2017年に行われた総選挙の際には、174人分の約5億2000万円の供託金が没収されているようです。)。

 

すなわち、立候補したいと考える人は、この供託金300万円を準備する必要があり、300万円が用意できない人は立候補ができないということになります。

この供託金の制度については、憲法で保証された立候補する権利を不当に制限するものであるとして、訴訟を行われている方もいるようです。
これに対し、国としては、供託金を設定することで、立候補者の乱立することでの混乱や売名行為での立候補などを防ぐためと説明しているようです。

確かに自由に立候補ができてしまうと、さまざまな立候補者の選挙カーが町中を走り回るような事態も起きかねず、そういった印象で「この立候補者には投票しない」いう有権者も出てくることもあり得ます。 そのため、立候補に一定の制限を設ける必要性もあるのではないかなと思います。

他国では、例えば、一定の人数の推薦人の署名が必要であるなど、立候補にそのような制限を設定しているところもあるようです。 本国でも、供託金の撤廃や減額など、抜本的な制度の見直しが検討されるべきかと思います。

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