弁護士コラム

2018.03.26

債務整理の方法について

債務整理の方法について

 <ご相談者様からのご質問>

  私は,ヤミ金からも借りていないし,消滅時効になるような債務もなさそうです。この場合には,債務整理により借金問題を解決していただけると聞きました。
 債務整理にはどのような方法があるのですか。

 <弁護士からの回答>

  法律上,返済義務が存在する場合には,債務整理により借金問題を解決することが必要になります。債務整理の方法については,いくつか種類がありどの方法により解決すべきであるかという点については,ご相談者様の情報をお聞きして弁護士が一緒に考えていくことになります。
 そこで,今回から数回に分けて債務整理の方法の内容や各手続のメリットやデメリットについてご説明させていただきます。今回は,各債務整理の内容についてご説明させていただきます。

1 任意整理について

   債務整理の方法について大きく分けると,裁判所を利用して債務整理と行う「法的整理」と裁判所を利用しないで解決する「任意整理」に分けることができます。
任意整理については,裁判所を利用しないで債務整理を行うことから,弁護士が代理人として債権者と交渉し(本人で交渉すること自体も可能ですが,通常,債権者は本人での交渉には応じてくれない場合が多いです。),①元本額を減らしたり(場合によっては過払金によりお金が返ってきたりします。),②将来の利息をカット(なくす)したり,③毎月の返済額を減らしたりすることにより,借金問題を解決することになります。

2 破産手続

   破産手続は,法的整理の方法の1つで,裁判所に対し,すべての債権者に対する債務及び,破産を希望する人の財産状況や生活状況,破産に至るまでの経緯(借金の原因等)等について資料を添付し書面にて申し立てることにより,裁判所(正確には裁判所から選任された管財人と呼ばれる弁護士が行います。)が,破産者の財産を回収,換価(金銭に替えることをいいます)し,その後,裁判所において許可がでれば,債務が免責される(支払う責任を免れる,払わなくてよいとされることをいいます。)という手続きです。別の機会でもご説明いたしますが,多くの債務により返済が困難となっている状況では,第一に破産により債務を整理することを検討することになります。

3 民事再生手続

  民事再生手続きは,破産手続と同じ法的整理の方法1つなのですが,破産手続きと異なり,債務の支払い義務をなくす(免責)ことや財産を換価することはなく,債務を一定額まで減額(圧縮)することにより,経済的な再建を図る手続きとなります(破産手続きが財産を換価し,債務をなくすような清算的な要素が強いため,「清算型」と呼ばれるのに対し,民事再生は,清算手続きを行わない法的整理であるため,「再建型」と呼ばれることがあります。)。
  破産手続と異なり,財産の換価等は基本的には行われないため,不動産など手放したくない財産がある場合や,破産することができない事情が存在する場合には,民事再生の手続きを選択することになります。

4 特定調停

  特定調停とは,裁判所を利用する手続きである点において,法的整理手続の側面を有するものではありますが,「調停」ということから,裁判所を介在して,債権者と,債務総額や支払い方法について協議を行う点では任意整理的な側面を有する手続きになります。
  現実的に,特定調停により解決するケースというのはあまり多くはありませんが,任意整理により解決が困難な場合に,裁判所を介在させることにより破産等せずとも解決することができる場合には特定調停を裁判所に申して立てることを検討することになります。

このように,債務整理の方法については上記の4つがあるのですが,それぞれ,メリット,デメリットがあり,かつ,状況によって選択すべきでない方法もございます(各手続のメリットデメリットについては,次回以降にご説明させていただきます。)。したがって,債務整理を検討されておられる場合には,是非一度弁護士に早めにご相談ください。

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