弁護士コラム

2022.07.07

クレーンゲームの景品が違法?

弁護士コラムトップ

皆さんは、ゲームセンター等でクレーンゲームをされることはありますか?
私の子どもの頃は、「UFOキャッチャー」という名前の方が一般的であった気がしますが、どうやら「UFOキャッチャー」はクレーンゲーム機の1商品であり、一般的な名称としては「クレーンゲーム」というのが正しいそうです。

社会人になってからはほとんどやっていなかったのですが、3歳の長男とショッピングモールへ行くと「ゲームセンターに行きたい」と駄々をこね、おもちゃを取ってほしいとせがむので、最近頻繁にクレーンゲームをやるようになりました。
「あと少しで取れそう!」という状況になるとついついのめりこんでしまい、苦労して取った後『買ったほうが安かったのではないか』『ここまでお金をかけて取るものだったのか』と後悔することも少なくありません。

クレーンゲームの景品が違法?

このようにゲームセンターにあるクレーンゲームは、お金を投入し景品を獲得するものですが、実は法律で「遊技の結果に応じて賞品を提供」することが禁じられているのです。

まず、クレーンゲームなどがあるゲームセンターは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(「風営法」と略された名称の方が一般的であると思います。)で規制されている「風俗営業」に該当します。

風営法ができた当初は規制対象外であったのですが、非行少年のたまり場となっている現状やゲーム機での賭博などが横行するようになったため、法改正により規制対象になりました。

そして風営法では遊戯の結果に応じて、賞品を提供することが禁じられています。
この賞品には、現金や商品券、物品だけでなく、お店の割引券やポイントなども含まれることになります。
そうなるとクレーンゲームの景品も物品なので、クレーンゲーム自体が風営法違反になるのが通常ですが、風営法を適用する警察庁から風営法の解釈運用基準である通達のなかで金額の上限を設定し、その上限を上回らない物品の場合には風営法違反にならないと発表しているのです。

クレーンゲームの景品が違法?

この通達は2001年に出されたものであり、当時の上限は800円でした。
つまりクレーンゲームの景品が800円以下であれば、風営法違反にはならないとされていました。
しかし、ゲームセンターなどのアミューズメント業界から警察に対し、人件費や製造費の増加により20年前に定められた800円という上限では賞品の提供が困難になっているので上限の値上げをして欲しいという陳情を行っていたようです。
そして令和4年3月1日付の通達で、警察庁が景品の金額の上限を1,000円以下に変更されることになりました。

この通達による景品の上限額の増額により、クレーンゲームの商品も充実した内容になるのではないかと少し期待するとともに、また子どもにねだられる物が増えるのではないかと、今から少し怖い気持ちもあります。

 

当サイトのコラムの著作権は法人に帰属します。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。

 

KOMODA LAW OFFICE 那珂川 お問い合わせ

WEB予約 KOMODA LAW OFFICE総合サイト
事務所からのお知らせ YouTube Facebook
弁護士法人サイト 弁護士×司法書士×税理士 ワンストップ遺産相続 弁護士法人菰田総合法律事務所 福岡弁護士による離婚相談所